京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

2021年 1月 京都童心の会 通信句会結果

2021-02-05 07:50:57 | 俳句
2021年 1月 京都童心の会 通信句会結果
冒頭エッセイ
コロナ一年
  金澤ひろあき
 コロナが日本で感染者を出してから、一年が経ってしまいました。
 皆さん同様、私も生活が変わりました。
 初の自宅待機もありました。遠出をせず、夜飲みにも行かず、家にいることが多くなりました。
 これまで、句は絵画でいうと印象派のように、外に出て、見たままの印象を掬いとるようにして描いていました。自分の描き方は変えられませんが、外に出ることが少なくなりましたので、とても身近なもので作るようになりました。
 ピカソが「絵は探し回るのではない、発見するのだ」と言っています。何か良い句になるものを探し回るのではない、身近なもので発見できたら。今、そんな思いがしています。
 コロナ一年底冷えする通りの隅々 ひろあき

皆さんの選です。
 選者 裸・・裸時    真・・野谷真治  白・・白松いちろう
    藤・・木下藤庵  辰・・蔭山辰子  ひ・・金澤ひろあき
    硯・・中野硯池  巡・・青島巡紅  須・・三村須美子
    さ・・岡畠さな子 智・・坪谷智恵子 清・・宮崎清枝
    加・・野原加代子

○野谷真治
1 冬の正面「夕やけだんだん」突っ掛ける 裸
2 日めくりカレンダー湯豆腐家族  須 ひ
3 夜風の小走りたい焼包む     巡 白 智
4 焚火の泪ひとつぶ鳴っている (特 ひ)裸 加 巡
5 終電車緊急停止冬景色     白 藤
○木下藤庵
6 秋日和農協のサイレン犬の遠吠え  硯
7 一時の平和や老いのくしゃみする  ひ 巡
8 おーいどしたあシンデレラ赤とんぼ 裸 智
9 汚い声で啼く鴉ども訃報の日
10 秋風にぼーっと煙草を吸っている 巡
○裸時
11 ヤンキーが烏の口から出てくるよ 巡 智
12 荒れ模様親のパンの耳をみて    真
13 かぼちゃ食べ知育パズルの難しさ  硯
14 紙パックくわえるむささび見えそうだ
15 愚問聞く銀シャリ乾くそのときに
16 向日葵の裏の方の柔らかさ   巡
17 ガサガサと若葉落とす声楽家  ひ 加 真
○宮崎清枝
18 年寄りのわが身守るのみ年の暮  巡 白 藤
19 万両や昨日と同じ今日暮れて   (特 智) 加 辰
20 焼芋の温みも添えて息子の持ち来 智
21 ルーペ辞書手許におきて窓小春  須 巡 ひ 硯 真 辰 藤 智
22 コロナ禍に年玉袋宙に浮き    裸
23 坪庭に遊びに来たり寒雀   (特 藤)辰
24 化野の千の仏と分かつ冷え  須 白 硯
○金澤ひろあき
25 寒月や出会った猫がしゃべりそう (特 加) 巡 硯 真 智
26 三門に眠り猫いて日向ぼこ  須 巡 白 藤
27 一二三百まで数える柚子湯の子 (特 硯)(特 清)辰
28 ばらされた案山子煙に帰って行く (特 巡)
29 こわばりをほぐしてくれる焚火の匂い (特 白)須 硯 加 辰
30 寂しければつき合う屋台の夜鳴き蕎麦 硯
31 山茶花のわいわいわいと自己主張 巡 清 辰 智
32 どう見ても負ける姿の枯尾花  硯
33 賀状買う数残りの髪の数    裸
34 雪静か コロナ災禍の街癒す  須 清 藤 智
○中野硯池
35 げらげらと憚りもせず初笑
36 巣ごもりて寝疲れも出る三ケ日 ひ 白 清 辰
37 巣ごもりてゐて皸を拵へけり
38 コロナ禍に春着遠慮の事務始  ひ 巡 清
39 七草のパックはみ出る草のあり 真
40 王座目ざし取り札飛ばす初稽古 (特 辰) 白
41 振りあげて稽古始の面を打つ 巡 智
42 古井戸といへど伏水寒の水 辰
43 低きより一声鳴きし寒鴉  加
44 ゴミ置場よちよち歩く寒鴉 清 藤
○坪谷智恵子
45 お月様年末年始おめでとう
46 一人前おせちとおとそお餅なし キケン ひ 巡
47 お正月一人静かにお迎えす   清
48 はねかえす寄る年波に立ち向かう
49 うしうしと気力ふんばり日々すごす 須 ひ 裸 真
50 雪が舞うさすがえびすさんこの寒さ 加 藤
51 戸じこもりコロナと寒さ着ぶくれて 巡 清
52 春の声ワルツの曲が流れきて    辰
53 ステップを椅子につかまり楽しみて 須
54 恵方巻早や予約とるコンビニで
○蔭山辰子
55 初日出どうぞよろしくと手を合わせ
56 初夢は悪風邪コロナ消えており
57 そば雑煮徹夜で家でおとなしく 藤
58 コロナ禍が失せればゆったり牛になる ひ 裸 白
59 ゴミ袋膝にかかえて銀杏剥き 巡 加 智
60 ゴミ袋まだまだ次は栗をむく
61 一〇八の煩悩よりも多い嘘  須 白 硯
62 閻魔さまわたしのことも許してね
63 あーたいくつ欠伸をするのはいつの日か
64 めずらしく小雪の散った大阪市
○青島巡紅
65 人が振るサイコロだから面白い  須 硯
66 朝寒や飛行機音の響くこと    加
67 冬の木々真っ直ぐ空に向かってる 硯 藤 智
68 白い肌灯を消して水になる   裸 真
69 寺の鐘間延びしている夏の午後 ひ 藤
70 同じ時同じ場所のない人生の一本道 須 智
71 自分と語ることが若い頃よりも増える 須 ひ
72 どちらが飼い主か解らなくなる散歩  白 加 真
73 チョコを一口サイボーグ「お頭の栄養」裸 智
74 奴隷から信長の家来となった黒人侍  ひ
75 上善若水猫の液体化をお手本にしろ?
76 大友跡(吉井勇の歌碑)記念撮影後絶えず
77 地球を見守る星の糸電話 (特 裸)(特 真)白 智
78 神功皇后鮎釣りて勝利確信す    硯 
79 脇目も振らず犬の飛び込む落葉の山  ひ 清 真
○野原加代子
80 孫達と七草粥に願い込め  巡 ひ 白 清
81 冬の虹輝き滲み寒からん  真
82 初詣今年も福とおみくじや
83 降り積もる故郷の雪望郷や 辰
84 柚子風呂に孫入りして喜びし
85 初夢や縁起の良い日祈りして 辰
86 初詣階段登り手を合わせ
87 雪国やふるさと想い帰りたし 清 辰 藤
88 夕飯におでん囲みて団欒や  清
89 年賀状懐かし友の活字見る  巡 白 清 藤
○白松いちろう
90 葉のグラデーションに息を呑む 須 裸 真
91 寂しそうに渋柿の朱      須 ひ 裸
92 犯人はどこ?コロナ終息見えず
93 接触者「0」に不安が募る   ひ 裸 硯
94 風邪薬が売れないコロナ効用
95 カラスの鳴き声まで変調  裸 加
96 釣り堀に並ぶマスクマスク 真
97 寒さ一入蝋梅一段と香る  須 硯 清 辰
98 動かなでの声が届かない
99 新しい年を耕す「蜜」の刃 真 智
○三村須美子
100 コロナ禍に耐えるを語る枇杷の花 ひ 清
101 大掃除勢いこんで肩パンパン
102 冬至十日充電増して日の伸べり
103 冬晴や臘梅ほのかに葉を落とし   加
104 凍てついた葉脈とりもどす昼間かな 裸
105 お尻まで炬燵にめり込み寝正月  巡 ひ 清 加 真 藤
106 初詣堂を一巡お賽銭     白 加
107 初詣のぞむ三川合流点    巡
108 網食わえゴミの猟する初ガラス 硯 藤
109 厚氷上にマンモス子のはからい 裸
110 水鳥や等間隔で日向ぼこ   ひ 加 真 辰 藤