2021年10月 京都童心の会 通信句会作品
この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。
特選句の選評をいただけるとありがたいです。
1 口の中はじく枝豆との自粛生活
2 メガネはずす女の子両手の栗まんじゅう
3 三日月背伸びする少年のかたち
4 秋霖の珈琲支える指先
5 淡い影化粧のあとの星月夜
6 影絵の五本の指はち切れている
7 へそ石に葉っぱの詰まる秋彼岸
8 診察の順入れ替る残暑かな
9 秋雨の舟屋の入江波も無く
10 秋雨の小さき輪に乗る舟屋の灯
11 秋晴れの舟屋往交ふ舟白し
12 黒谷の山門高し月今宵
13 年寄の車に秋の蚊のひそみ
14 由良の門を渡る鉄橋秋日和
15 秋晴の舟屋出る舟帰る舟
16 秋晴の雲追ふ雲の消えにけり
17 涼しやな梅雨の晴れ間の午後六時
18 満月や探せど見えず雲ばかり
19 夕焼けのあとの夕立涼々し
20 夾竹桃ああこの時期やったかと見直して
21 ああ秋だ白内障施術あと茫然と
22 青空白くも選挙カーだけが喚いてる
23 ああ鈴虫よ今日の疲れが癒される
24 道端の土かける亀川帰す
25 腰痛は四足歩行の遺産です
26 花の舞う相方なしのワルツかな
27 牛蒡抜き潰した望み熱に換え
28 去り際の女の背に咲くラフレシア
29 もう大人今も天使の心持つ
30 オリーブの花を咥えて戻る鳩
31 上羽織る眠たげに跳ぶカエルかな
32 地蔵尊手を合わす間の一休み
33 芒揺れ忘れた夢を思い出す
34 花咲く野トロッコに乗り何処までも
35 金が無いが口癖の友を病院に見舞う
36 発車ベル きのうの匂いあとにする
37 幽霊でもいいから会いたい月夜かな
38 いなびかりもう顔色に出ているよ
39 生活のたたかいも書いたノートだった
40 街の地図 九・一一以前以後
41 放生会放った鯉がまた戻る
42 九・一一回想録に火と煙
43 地震も来るコロナでガタガタの首都
44 いちだんと秋の深まる母の味
45 休日を取り消す十月カレンダー
46 私がお婆ちゃんにと若女将の瞳
47 右にも左にも光るアルコールの目
48 青いまま落ちた団栗の涙
49 実を結べない震える雄銀杏
50 桜葉散って透き通る青い空
51 落葉となり踊りだすハナミズキ
52 台風一過燃えだす候補の舌戦
53 孫の誕生日にSNS返事は「ハイ」
54 メスに託すしかない俎板の鯉
55 隣人も驚く秋萩の艶姿
56 十月半ばまだ咲いているひがん花
57 秋深しいつまで夏を引きずって
58 野辺の菊うすむらさきの愛らしさ
59 ご多分に漏れずわたしも骨粗しょう症
60 横向きもままにはならずコルセット
61 仲良しの同級生も医者通い
62 三度目はもうかんべんしてワクチン接種
63 秋の声孫と取りして草花や
64 フジバカマ蝶に見とれて孫走り
65 金木犀香りさそわれ近づきて
66 秋日よりネコ日向にてまるくなり
67 曼珠沙華母を想いて土手に咲き
68 耳鳴りや金魚浮いたり沈んだり
69 新聞の切り抜き料理干しズイキ
70 節々の熱だるい痛みの夜長かな
71 うろこ雲球の水槽人泳ぐ
72 距離とって背中合わせの栗弁当
73 三粒づつ配給のごと盛るぶどう
74 コスモスや座ればうつらうつらかな
75 新米やわずかな飯の塩むすび
76 天高し川面に映る家清か
77 金木犀マスク摘んで深い息
78 朝顔や野花をなめて青い淵
79 葉食べ尽くしさなぎの孤独待っていた
80 蛍のオーケストラが始まった限界集落
81 平和は力孕めば強き女性たち
82 みんな雑草と思えばほっとする
83 老いても百姓団結の歌などない
84 どんぐりころころ人間コロナで沈思黙考
85 いじめっ子が柱を抱いて泣いている
※今月は10月17日、久しぶりに句会ができそうで楽しみです。遠方の方は、引き続き通信句会のご参加をお願いします。
この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。
特選句の選評をいただけるとありがたいです。
1 口の中はじく枝豆との自粛生活
2 メガネはずす女の子両手の栗まんじゅう
3 三日月背伸びする少年のかたち
4 秋霖の珈琲支える指先
5 淡い影化粧のあとの星月夜
6 影絵の五本の指はち切れている
7 へそ石に葉っぱの詰まる秋彼岸
8 診察の順入れ替る残暑かな
9 秋雨の舟屋の入江波も無く
10 秋雨の小さき輪に乗る舟屋の灯
11 秋晴れの舟屋往交ふ舟白し
12 黒谷の山門高し月今宵
13 年寄の車に秋の蚊のひそみ
14 由良の門を渡る鉄橋秋日和
15 秋晴の舟屋出る舟帰る舟
16 秋晴の雲追ふ雲の消えにけり
17 涼しやな梅雨の晴れ間の午後六時
18 満月や探せど見えず雲ばかり
19 夕焼けのあとの夕立涼々し
20 夾竹桃ああこの時期やったかと見直して
21 ああ秋だ白内障施術あと茫然と
22 青空白くも選挙カーだけが喚いてる
23 ああ鈴虫よ今日の疲れが癒される
24 道端の土かける亀川帰す
25 腰痛は四足歩行の遺産です
26 花の舞う相方なしのワルツかな
27 牛蒡抜き潰した望み熱に換え
28 去り際の女の背に咲くラフレシア
29 もう大人今も天使の心持つ
30 オリーブの花を咥えて戻る鳩
31 上羽織る眠たげに跳ぶカエルかな
32 地蔵尊手を合わす間の一休み
33 芒揺れ忘れた夢を思い出す
34 花咲く野トロッコに乗り何処までも
35 金が無いが口癖の友を病院に見舞う
36 発車ベル きのうの匂いあとにする
37 幽霊でもいいから会いたい月夜かな
38 いなびかりもう顔色に出ているよ
39 生活のたたかいも書いたノートだった
40 街の地図 九・一一以前以後
41 放生会放った鯉がまた戻る
42 九・一一回想録に火と煙
43 地震も来るコロナでガタガタの首都
44 いちだんと秋の深まる母の味
45 休日を取り消す十月カレンダー
46 私がお婆ちゃんにと若女将の瞳
47 右にも左にも光るアルコールの目
48 青いまま落ちた団栗の涙
49 実を結べない震える雄銀杏
50 桜葉散って透き通る青い空
51 落葉となり踊りだすハナミズキ
52 台風一過燃えだす候補の舌戦
53 孫の誕生日にSNS返事は「ハイ」
54 メスに託すしかない俎板の鯉
55 隣人も驚く秋萩の艶姿
56 十月半ばまだ咲いているひがん花
57 秋深しいつまで夏を引きずって
58 野辺の菊うすむらさきの愛らしさ
59 ご多分に漏れずわたしも骨粗しょう症
60 横向きもままにはならずコルセット
61 仲良しの同級生も医者通い
62 三度目はもうかんべんしてワクチン接種
63 秋の声孫と取りして草花や
64 フジバカマ蝶に見とれて孫走り
65 金木犀香りさそわれ近づきて
66 秋日よりネコ日向にてまるくなり
67 曼珠沙華母を想いて土手に咲き
68 耳鳴りや金魚浮いたり沈んだり
69 新聞の切り抜き料理干しズイキ
70 節々の熱だるい痛みの夜長かな
71 うろこ雲球の水槽人泳ぐ
72 距離とって背中合わせの栗弁当
73 三粒づつ配給のごと盛るぶどう
74 コスモスや座ればうつらうつらかな
75 新米やわずかな飯の塩むすび
76 天高し川面に映る家清か
77 金木犀マスク摘んで深い息
78 朝顔や野花をなめて青い淵
79 葉食べ尽くしさなぎの孤独待っていた
80 蛍のオーケストラが始まった限界集落
81 平和は力孕めば強き女性たち
82 みんな雑草と思えばほっとする
83 老いても百姓団結の歌などない
84 どんぐりころころ人間コロナで沈思黙考
85 いじめっ子が柱を抱いて泣いている
※今月は10月17日、久しぶりに句会ができそうで楽しみです。遠方の方は、引き続き通信句会のご参加をお願いします。