「さんしょ」185号を読んで
金澤ひろあき
「さんしょ」185号、ありがとうございます。
今、若い人逹の間で、1970年代頃がブームになっているそうです。私もユーチューブ上で見てみました。月着陸、最初の大阪万博。女性のミニスカート、ホットパンツ、パンタロン。男性のジーンズと長髪。歩行者天国で初めて登場したカップ麺、学生運動の様子など。
スマホもパソコンもなく、今よりも貧しかったはずですが、当時の若者の表情が、今に比べて遥かに明るいのです。
自分達の意志で社会が動くという手応えと未来が明るいという予想。そして好景気。それらが当時の若者を明るい表情にさせていたのかもしれません。
そしてその明るさを、五十年後の若者が「素敵だ」という。今の自分にない物を見つけ、憧れているような気がします。
「さんしょ」を読んでいると、当時の若者の五十年後の「今」も浮かび上がってきます。生き方の記録であり、貴重な証言であると思うのです。
義援金今ポケットで温めています 鈴木和枝
私も三月に三十三間堂へ詣でた時、義援金の箱に少しながら入れました。この句の「ポケットで温めた」気持ちが、回復への力になることを願っています。助け合う生き方に価値がある。これは生き方の進歩だと思うのです。
なかなか炎えない気難しいストーブ 山川遊狐
新品の頃はすぐに火がついていたのでしょう。古いストーブ同様、私もなかなか炎えない年令になったのかなと実感します。
自画像として読んでみました。
日なたぼこ蘭と私の特等席 山口美代子
平和に過ぎたひととき。お金などでは計れない豊かさです。地球上の全ての人が、こんな平和な時を過ごせるように。そんなことを思います。
「見たよ 読んだよ」温い友人 土田美穂子
ひと声が嬉しいことがあります。心が繋がったり、広がったり。この句、二人のいい関係が素直に出ています。
亡父とのんだ芋焼酎やっぱりうまいな 松本克行
思い出の味。人それぞれにありますね。同じ物を味わった時に思い出がよみがえります。
深酒しそうです。