京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

松尾芭蕉 『笈の小文』 口語訳  九 夏の旅

2024-09-18 12:58:17 | 俳句
松尾芭蕉 『笈の小文』 口語訳 
        金澤ひろあき
九 夏の旅
 衣更
  一つ脱いで後ろに負ひぬ衣更
  吉野出て布子売りたし衣更   万菊
 灌仏(仏生会)の日は、奈良であちらこちら参詣しましたが、鹿が子を産むのを見て、この釈迦の誕生の日に生まれるのが素晴らしいので、
  灌仏の日に生まれあふ鹿の子かな
 唐招提寺鑑真和尚が日本に来られる時、船中で七十回余りの苦難をおしのぎになり、目の中に塩風が吹き入って、ついに目を失明なさった尊像を拝して
  若葉して御目の雫ぬぐはばや
 旧友と奈良で別れる
  鹿の角まづ一節のわかれかな
 大坂で、ある人の所で
  杜若語るも旅のひとつかな


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