広重と出会う
金澤ひろあき
美は誰のものか。
大阪の南の和泉市にある久保惣美術館で、ふとこんなことを考えた。
久保惣さんは和泉市で成功した企業で、初代から美術品蒐集をされた。そうして集めた集めた中国の青銅器、印象派の絵や古地図、浮世絵などを土地ごと地元に寄贈された。だから今は和泉市立となって、オープンにされている。
猛暑の中、しかも遠いが訪れてみた。和泉中央駅からバスに乗り換えるが、本数が少ない。しかもけっこう駅から離れている。駅から離れた古い町の雰囲気の中に、静かにたたずんでいる。
広い敷地の中に、蔵も残っている。かと思うと、近代的なガラス張りを基調とした展示館が二つある。
奥の展示館で広重の浮世絵を見た。広重の浮世絵は風景画が多い。名所も多いが、何気ない旅籠の旅人たちのようす、そこに暮らしている人達の表情、風土の中に、ハッと驚くような美しさを感じてしまった。
美人画の美女、ギリシャ彫刻のような均整のとれた至高の美。それらとは違う。美男美女や至高の存在ではないもの。無名の道行く人や風景を慈しむように描き、色で染め上げて行く。それが何と美しいのだろう。
そういう美しさに気づかされてしまった。そうして彼らが生きていた時代と場所が好きになった。
美は誰のものか。
出会ったあなたのものだ。
金澤ひろあき
美は誰のものか。
大阪の南の和泉市にある久保惣美術館で、ふとこんなことを考えた。
久保惣さんは和泉市で成功した企業で、初代から美術品蒐集をされた。そうして集めた集めた中国の青銅器、印象派の絵や古地図、浮世絵などを土地ごと地元に寄贈された。だから今は和泉市立となって、オープンにされている。
猛暑の中、しかも遠いが訪れてみた。和泉中央駅からバスに乗り換えるが、本数が少ない。しかもけっこう駅から離れている。駅から離れた古い町の雰囲気の中に、静かにたたずんでいる。
広い敷地の中に、蔵も残っている。かと思うと、近代的なガラス張りを基調とした展示館が二つある。
奥の展示館で広重の浮世絵を見た。広重の浮世絵は風景画が多い。名所も多いが、何気ない旅籠の旅人たちのようす、そこに暮らしている人達の表情、風土の中に、ハッと驚くような美しさを感じてしまった。
美人画の美女、ギリシャ彫刻のような均整のとれた至高の美。それらとは違う。美男美女や至高の存在ではないもの。無名の道行く人や風景を慈しむように描き、色で染め上げて行く。それが何と美しいのだろう。
そういう美しさに気づかされてしまった。そうして彼らが生きていた時代と場所が好きになった。
美は誰のものか。
出会ったあなたのものだ。
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