カエルの子はカエル…。

　今日は公立高校の入学式…本来なら合格おめでとうで気分晴れ晴れ…のはずなのだが…dove-3姉にとってここは第二志望校…。
目出度さも中くらい也おらが春…の気分らしく…いまいち元気がない…。

　それは他の同級生たちも同じで…トップ校からはみ出た生徒が半分…ここを第一志望として合格した生徒が半分…。
前者は未だ立ち直れずどんより…後者は希望達成で晴れやか…。

先生方には…入学してきた生徒の顔を見れば…どっちの子か分かるんだそうだ…。
その不満と落胆を引き摺らないように…学校でも注意はしているが家庭でも気をつけてあげて欲しいとの話があった…。

　そりゃぁね…希望がかなわなかったのは残念だけど…これで人生終わりってわけじゃない…。
まだこれからなんだ…。
これが始まりなんだから…次を目指せばいいじゃない…。

…なんてことを言えない事態が…実はその時発生していた！
dove-3姉に元気がないのは…それだけじゃなかったのだ…。

それは昨日の夕方こと…。

doveさん…明日提出のこの書類なんで三枚あるの…？

そう言って持ってきたのは三枚つづりの引き落としの依頼用紙…。
それは…はるか前にdoveが記入してハンコもついたものだった…。

学校へは二枚提出なんだけど…。

一緒に持ってきたのは記入例の書かれた冊子…。
よく見ると…反対側のページに銀行に行って手続きをした上で下の二枚を持って来いと…。

ほげげ～っ！　
手続きしてないじゃん！

どうしよう…。　
提出日は明日じゃ…。

さあ大変…doveはうっかり記入例だけを見て反対側のページを読んでなかった。
記入して学校へ提出…だとばかり思い込んでいた…。

考えてみりゃ…大間抜け…相手は学校で業者じゃないんだから…手続きは親がやるに決まってんだよね…。

　四月五日中…に提出…とある…。
学校のすぐそばに銀行…。
しかも…そのあたりはオカンの縄張り…。

よっしゃぁ！

即オカンに電話…。

オカン…ボケかましたわ…！
悪いけど入学式の間に近くの銀行で手続きしておくれんかい…？

おしっ！　行ったる！　まかせい！

式が始まる前に記入済みの書類を渡し…近くの銀行に走って貰った。

理由を話して帰り際まで提出を待って貰っていたdove-3姉…ご同類が他にも何人か居たようで…ちょっとほっとしたらしい…。

　何とか無事に提出し事なきを得たものの…dove反省…。
思い込みと読み落とし…あまりにも子供任せにし過ぎた結果…doveの注意力の方が衰えたか…。
何の…このそそっかしさは…生まれつき…何しろ血が…血。

いつも私のことをお笑いあそばすが…おまえさまも相当なもんだな…。

オカンがぎゃははと笑う…。

今回ばかりはぐうの音も出ない…。

　何でもかんでもdoveに任せて安心しとると危ないぞ…ちゃんと自分で気をつけて見なかんぞ…ここぞとばかりにオカンがdove-3に言って聞かす…。

あんたに言われたないわ…。