ただただアメリカにすり寄るアベシ・・・・。消費税は上げ続け、子ども手当は来年から削減。国民の生活をどんどんレベルダウンさせながら、しかし在日米軍への「思いやり予算」は増額。
日刊ゲンダイと琉球新聞より転載します。
日刊ゲンダイ
5年で約1兆円…米軍基地「思いやり予算」のヒドい使い道
2015年12月18日

社会保障費を数千億円単位でバンバン削りながら、
米軍に差し出すカネは増額――。日米両政府が基本合意した「在日米軍駐留経費負担」(思いやり予算)。交渉が始まった当初、日本は米国に大幅減額を求めている、と報じられていた。ところが、フタを開ければ増額だからフザケている。
合意に至った2016~20年度まで
5年間の思いやり予算の総額は9465億円。15年度までの5年分(総額9332億円)よりナント、約130億円も多い。中谷防衛相は「適切な水準」なんて言っていたが、冗談じゃない。それでなくても、日本は米国から“未亡人製造機”のオスプレイを17機分、4000億円近いボッタクリ価格で購入するのだ。ただでさえ「安保法」が成立して自衛隊の負担は増すのに、米国の言うがまま「ヒト」も「カネ」も差し出すのは狂っている。
しかも「思いやり予算」の使われ方がメチャクチャなのだ。
「思いやり予算の中には、基地内の郵便局、歯医者、ジムの維持費に加え、バーやボウリング場、映画館などの
娯楽施設で働く従業員の労務費(毎年200億円以上)も含まれる。神奈川県逗子市にある米兵用の池子住宅は通称『池子ヒルズ』と呼ばれ、3DKで広さは約130平方メートル。最寄りの京浜急行神武寺駅には専用改札口もあります。
水道・光熱費も無料で、夏場につけっ放しにされているエアコン代もタダです」(防衛省担当記者)
日本人が真夏に窓を開け、うちわをあおいで必死に猛暑に耐えている中、在日米兵はキンキンに冷えた部屋で娯楽に興じているのだ。米国人のリラン・バクレー監督が「思いやり予算」のインチキを暴露したドキュメント映画「ザ・思いやり」に出演するなど、在日米軍の問題に詳しい呉東正彦弁護士がこう言う。
「本来は米軍住宅を造るよりも、
東日本大震災や福島原発事故で今も仮設住宅住まいを余儀なくされている被災者の住宅を整備する方が先です。それなのに豪華な米軍住宅を造り続けているのは許し難い。
横須賀では高層の米軍住宅に空きがあるのに、さらに低層住宅を建設する予定です。日本政府は誰のために政治をしているのでしょうか」
安倍政権が強調する「日米同盟の深化」なんてしょせん、こんなものだ。
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琉球新聞
<社説>思いやり予算増加 思考停止の病弊が表れた
2015年12月19日 06:02
こと米国に関する限り、
この国の外交は機能まひに陥り、腰砕けを連発する。安全保障が絡むと、途端に思考停止する。
この二大病弊がくっきりと表れたのが今回の在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)交渉であろう。2016~20年度の5年間の駐留経費負担を現行より増やす特別協定について日米が合意した。
毎年度平均1893億円、5年で9465億円の大盤振る舞いである。こんな合意は断じて容認できない。国会は承認を拒否し、交渉の抜本的な仕切り直しを求めるべきだ。 米軍が駐留する諸国と比べ、いかに破格の出費であるかを見れば、大盤振る舞いぶりがよく分かる。米国防総省の04年統計によると、米軍1人当たり支援額は
英独両国が2万1千ドル台、軍事衝突の危険が最も高い
韓国ですら2万1千ドル台なのに対し、
日本は10万6千ドルに達する。
駐留米軍経費負担率はイタリアが41%、
韓国が40%、
ドイツが33%だが、
日本のみ74・5%と突出している。しかも光熱水料など他国が支出していない経費まで差し出しているのである。
思いやり予算は37年前に始まったが、当初は62億円だった。今やその30倍以上だ。1千兆円に上る借金を抱える国がなぜこれほど急増させるのか。なぜ他国ならあり得ない支出をするのか。合理的な説明は不可能であろう。
外交が機能していないと見るゆえんだ。
思いやり予算の開始は、米国内で「日本は米国に防衛を依存し、軍事費に金を回さないで経済成長に注力した」との批判が高まったこと、いわゆるフリーライド(安保ただ乗り)論が背景にあった。だが集団的自衛権行使を可能にする安保関連法を成立させ、自衛隊の活動範囲を地球の裏側にまで広げて米国の戦争にお付き合いすると決めたばかりだ。
安保関連法は日本を危険にするが、これを成立させながら思いやり予算を増やし、辺野古で新基地を建設するのはまるでつじつまが合っていない。これが「思考停止」の結果でなくて何であろう。
しかも米軍のための支出はこれだけではない。
土地・施設の借り上げ、米軍再編や訓練移転の経費も含めれば年7250億円に上る。
この予算があれば、例えば貧困家庭の子の進学をどれだけ無償化できるだろう。
防衛費も初めて5兆円を突破する公算という。この国は財政の優先度を間違えている。