ヒゲ社長の徒然日記

(有)西工務店ヒゲ社長の、華麗で無謀なチャレンジ物語

トイレ空間での手摺   No162

2013年03月22日 | 住まい

初夏の陽気になった先日からは、想像もできないほどの今朝の寒さ。

しっかりと霜が降りて、路傍に咲くイヌフグリの花も、寒そうに震えていましたよ。

三寒四温を地で行きそうなこの天気に、身も心も翻弄されているヒゲ専務ですが、みなさんは翻弄されていませんか?

春の陽気にやっと芽を出したツクシも、寒さにやられて先端部分が黒ずんでしまいましたね。

でもでも、一週間前には野草大好きな母が、老いた身体に鞭打って、土筆を大量に収穫し、煮込んでくれたので、おいしくいただきましたよ。

しかし、この土筆がウマイことウマイこと!!

娘に一口食べさせたら「これ本当にツクシ??」と、余りのおいしさに感動していました。

「お婆ちゃんが生きてるうちに、レシピ聞いといてねお父さん!」と叫んでいたくらいですよ。

しかし、母に聞けば「時間をい~っぱい使わないとできないわよ!」とのこと。

忙しすぎる私たち現代人には、ちょっと苦手なレシピなのでした。

さてさて、それでは手摺りシリーズの続きを行ってみましょう。

前回までは階段に設置するお話でしたが、みなさん覚えていますか?

それでは階段以外で良く見る手摺はどこでしょうか?

最近ほぼ漏れなく付けるのが、トイレの手すりです。

こちらは単なる棒状のものを水平に取り付けるのではなく、縦と横とに付けることが多いですね。

さらに言えば、水平部分に付けるのは、丸い棒状の手すりではなく、板状の手すりとなります。

その板の下にはトイレットペーパーが設置でき、棚付手すりと一般的に呼ばれています。

手摺だからと言って、しっかり握らなければいけない決まりなんかないですよね。

トイレの中の便器までたどり着けば、そこで必要なのはつかまり歩くためではなく、立ったり座ったりの時に、体重を支えてくれるものなのです。

そんなときには、手のひらにかかる体重を、しっかり受け止めてくれる手すり板こそが、重要なのです。

便器から立ち上がるときにはしっかり握り、重力に逆らうだけのパワーをくれる、縦型の棒状手摺り。

この部分にはかなりの力がかかりますので、必ず下地板をしっかりと取り付けるようにしないといけません。

ついでですから、このトイレ空間での手すり以外の注意点を一つ。

それは、広すぎる空間にしないことなのです。

便器の両サイドに壁がないということは、介助等を考えた時には確かに良いのですが、介助者がいないときを考えてください。

一人で使うだけなら、両手を伸ばした時にその手の届く範囲に何もないより、壁があったほうが身体の安定は保てるのです。

もし広いトイレなら、はねだし式の手すりを考えておくことをお勧めしますよ。

さてさて、それでは又っ!!


手摺りそもそもの目的  No.161

2013年03月07日 | 住まい

今日の風は生暖かく、つくし達も一気に土の中から顔を出しましたね。

この暖かい風に吹かれて、どっかに飛んで行ってしまいそうなヒゲ専務ですが、みなさん飛ばされていませんか?

でもでも、啓蟄を迎え、風が緩み、心までゆるんでしまいそうな季節だというのに、怪訝そうな顔をしている人が一部にいます。

この風に乗って、様々な物質が飛んできているのが、その原因のようですね。

社内でも、数名が怪しいマスクマンとなり、様々な粉モン達との戦いを強いられているようです。

鈍感専務には、縁の無いのが、うれしいのやら悲しいのやら・・・?

でもやっぱり、丈夫な(鈍感な?)身体に生んでくれた母親には、感謝しなければいけませんよね。

などなどetc

さて、それでは前回からの続きです。

前回では、階段室に取り付ける手摺の高さの基準が段鼻から75センチであるとお話ししましたよね。

といっても、その高さは一般的な基準であり、個々に対応したものでないのは言うまでもありません。

実際に使う必要性のある人自身が、最も使いやすい高さこそが、最適な高さであるといえますよね。

私たちも取り付けの際には、お婆ちゃんやお爺ちゃんに立ち会ってもらい、確認をしてもらいます。

でも、その時こそ前回に問題視していた、設置の位置が重要になってきます。

ここで皆さんに問題ですが、階段に設置する手すりは昇りを重視するのか下りを重視するのか、どちらだと思いますか?

現場で立ち会っていただいた時によくある話が「上がるときにこの高さだと、楽に持てて良いわ!」と言われます。

それでは階段を降りるときにはどんな感じが良いのでしょう?と聞くと、ほとんどの方が困った顔をされます。

それは、上がる時とまったく違う高さや向きに変わるからです。

前回もお話ししましたが、階段に設置するのはどんな危険から身を守るためだったでしょうか?

そう、転落防止がそもそもの目的だったはずですよね。

昇りよりは、くだりの危険性が格段に上がることを考えれば、降りるときの最適な高さと位置を考慮して、手すりを設置すべきなのです。

えっ、両方に付ければいいんじゃないかって?

それはそうですが、一般的に階段の幅は90センチ以下。

手すりを取り付けた時の出寸法は約7センチ。

それが両方から来れば、階段の有効幅が14センチくらいも狭くなってしまいます。

広~い階段なら良いのでしょうが、普通のお家であればちょっと難しいのではないでしょうか?

ついでにもう一つお話ししておきます。

それは階段手すりをつける場合に、下地位置がうまく合わないといった時の対処法です。

手摺というくらいですから、人がつかまる事を前提に、かなりの重量にも耐えなければなりません。

その為にも、下地の板にしっかりとビスで固定する必要があります。

それなのに、欲しいところに下地の位置がないっていう時には、補助プレートを先に取り付けます。

1.5センチくらいの厚みは有りますが、手すり金具の取り付ける位置に階段の勾配なりに、先にビスなどで固定しておきます。

下地を気にせず、最適な位置に手すりを取り付けることができますので、お勧めですよ。

さて次回には、階段以外の場所での手すりの設置を考えてみましょう。

ではまたっ!!


「転ばぬ先の手すり」  No.160

2013年03月02日 | 住まい

きのう今日と、3月に入り再び寒さが戻ってきましたね。

先日の木曜日には「あっ、春が来た!」なんて思ってしまったひげ専務ですが、みなさん春の予感はありませんでしたか?

この前の日曜日には、近所の川べりで野草のセリを、寒風の中で一人ひたすら摘んでいましたよ。

一時間余りで、結構いっぱいとれたので、母におすそ分けを届けてあげました。

なぜか、親子そろって春を呼ぶ山菜(無料・タダ?)が大好きなのです。

届けたその場で、すぐに茹でてもらい食べてみましたが、この時期の野草のセリは特に香りが強く、とてもおいしく食べさせていただきましたよ。

これからは徐々に、木々が芽吹きはじめます。

冬が寒かった分、余計にこんな春の予感がうれしくなたりする、今日このころですよね。

そういえば今朝常務が、鶯の初鳴きを聴いたって言ってましたが、やっぱり春は、もうそこまで来ているようですね。

ん~~待ち遠しい~!

さてさて、なぜかこのところ、手すりの設置が頻繁に行われています。

単なる偶然ではあるのでしょうが、個人のお宅から介護施設までと連続して、幅広く取り付けをしています。

せっかくですので、手すりについて適材適所の使い方を、少しだけお話ししておきますね。

「転ばぬ先の杖」ならぬ「転ばぬ先の手すり」だと思いますので、元気な皆さんにも、ここで少し勉強しておいてくださいね。

いざという時に、きっと役立つと思いますよ。

さてそれでは、手すりが設置されている代表といえば、2階に昇るときの階段ですよね。

特に新築のお家で有れば、階段の手すり設置は義務化されていますので、必ずあるはずです。

これは、住人が若いとか年寄りだとかではなく、だれでも起こり得る、階段からの落下事故を防止する目的からの設置なのです。

そこにあるのはほとんどが木(集成材)で出来た丸い棒状の手すりで、直径3.5センチが主流となっています。

それを階段室の壁面に、専用の金具で取り付けられいますが、ここで重要なのは高さです。

廊下など平らな所の壁面についているのは、床面から75センチが基準だと思ってください。

それでは、ななめの勾配についている階段では、どこを基準として、どんな高さに取り付ければよいのでしょう?

それは、人によって若干違うかもしれませんが、私たちが基準とするのは、階段の踏板の先端部分、段鼻と呼んでいるその部分です。

特別問題さえなければ階段部分であっても、その段鼻から75センチの高さで取り付けています。

最近は階段も、上から下までがまっすぐに昇り降りするのではなく、途中に踊り場がある廻り階段が多くみられるようになりましたよね。

本当はそのほうが、コケた時に一気に下まで落ちるのではなく、途中で引っかかってくれるので、危険度が緩和されるということにはなります。

ただ、平面プラン上いつでも廻り階段が配置できるわけではなく、私たちの場合でも約半分の確率で、まっすぐで、ちょっと危険な階段を配置しています。

ようするに、まっすぐな階段であれば、家の新旧または老若男女問わず、手すりの設置は必須事項と言ってよいでしょう。

その階段に設置する手すりで、もう一つ大切なことは、どちら側に取り付けをするかということですが、長くなりそうなので、次回に続けます。

お楽しみに!