尻尾が欲しい

今朝家を出てすぐ、白っぽい何かが目の前を横切りました。
黒白ちゃんでした。
かなり急いでいるようでしたが、思わず『おはよー！』と声をかけると、立ち止まって振り向いたと思った次の瞬間、足元を頭突きされていました。
時間がないので、カリカリのスティックを開けようとしますが、手がかじかんでいてなかなか破れません。
その間も、ひっきりなしに手元を頭突きする黒白ちゃん。
やっと袋を破ることができ、カリカリを一心不乱に食べる黒白ちゃんに『おばさん、もう行くからねー』と言うと、カリカリを食べながら尻尾で返事してくれました。
行くからねと言いながらも立ち去り難く『車に気をつけてね』と言うと、また尻尾で返事してくれました。
楽しくなってしまい、『あったかくするんだよー』と言うと、またまた尻尾をポンポン。
これ以上引っ張ると黒白ちゃんが怒るかもしれないので、振り向き、振り向き、駅へ急ぎました。
猫はいいなぁ。
言葉を発しなくても、尻尾で返事ができるのです。
その振り方で、感情表現もできる。
二足歩行の邪魔になるからといって、尻尾をなくした人間は、なんだかとってもうらやましく思ったのでした。