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『リモート・ボナール』まとめ

2020-11-19 19:53:05 | DQX リモート・ボナール

『DQX リモートボナール』

順路

『DQXリモート・ボナール』序

『リモート・ボナール』見物

『リモート・ボナール』マティス

『リモート・ボナール』カメラマン

『リモート・ボナール』人物のいる静物

『リモート・ボナール』画家とモデル

『リモート・ボナール』風景

『リモート・ボナール』プロヴァンスの水差し

『リモート・ボナール』暖炉の前の少女

『リモート・ボナール』ジャズ

『リモート・ボナール』白い下着の少女トルソ

『リモート・ボナール』小舟遊びーボナール夫人

『リモート・ボナール』ル・カンネ

『リモート・ボナール』浴槽にかがむ裸婦

 

 


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『リモート・ボナール』浴槽にかがむ裸婦

2020-11-11 00:58:00 | DQX リモート・ボナール

「次のシーンは二頭の牛と農家‥‥‥」

≪二頭の牛と農家・ボナール≫

「晩年のボナールはパリをはじめ、都会生活のわずらしさをきらい、カンヌ近くのル・カンネに住み。地味な生活と地中海の明るさを好んだ。この作品など、その地方の農民の生活を描いたもの。散歩などの途次、ふと見かけたらしい風物を記憶して、アトリエで描いている。他人の幸福を乱すまいとする心ずかいがうかがえないだろうか。それに鬼滅の牛と農家。いや、鬼滅の農家」

「鬼滅の農家?」

「襲いかかる牛たちとの格闘で‥‥‥」

「もういいです」

「おもしろそうじゃない」

「いや、次はおいらが撮るよ」

「その顔でですか?」

「バーカ」

「浴槽にかがむ裸婦?」

「うん。ちょっとバランスがくずれれば倒れるような裸体姿勢であり、あやうくバランスをとっている。その一瞬をとらえる。そのあたりはドガの影響もあるかもしれない」

「ドガ?」

≪たらい・ドガ 1886年≫

「ドガのたらい。ドガの場合は普通の意味で、その一瞬を意識的にとらえてるが、ボナールの場合、この危険な平衛感覚はもっと直感的で楽しげ」

「いい?」

「あ、うん……」

「ボナールの妻、マルトはとにかくお風呂が好きで、一日に何度もお風呂に入るので有名なのさ」

「ふーん」

「そのマルトを描いた絵画がボナールの代表作と言っても過言ではない。それは僕ときみとで描きたいんだ」

「そこに、かがんでくれないか」

「一見意識的には見えないが、識閾(しきいき)下の意識が自発的に動いてるように」

「点描主義に似た筆やアラベスク模様については、別に述べるとして」

「ドガは線によるデシナトゥールであり」

「ボナールは色彩の論理を再発見した画家である」

≪浴槽にかがむ裸婦・ボナール≫

「ドガの色彩にはいろいろの意味でかたさがあるのにくらべ」

「ボナールの色彩ははるかに柔軟なのさ」

≪浴後・ボナール≫

「おつかれさま」

「ふう‥‥‥」

「‥‥‥」

「あと、ないでしょ?」

「う、うん……」

「ボナールは柔軟なのよねーー」

「はー、はるかに柔軟さ」

『リモート・ボナール』完

 

『リモート・ボナール』まとめ


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『リモート・ボナール』ル・カンネ

2020-10-25 19:04:46 | DQX リモート・ボナール

≪ル・カンネ・ボナール≫

「キャーー!!」

ウゥゥーーーー

「なに!殺人事件か!」

「ナ、ナースステーションに入ったら、死体が」

「ここのナースは、何人いるのですかねー?」

「わたしを含めて3人です」

「1人目はあの方かー?」

「はい」

「あやしいーー」

「二人目はあの方?」

「はい」

「あやしいーー」

「どちらかが犯人だな。まずは遺体を仮装研究所で鑑定、検査してもらおうか」

「仮装研究所になにか」

「こちらが仮装研の女です」

「なにか?」

「遺体を鑑定、検査してもらいたのだが」

「よろしいわ」

「かぶってますねーー」

「仮装包茎ね」

「い、いや、まだ、それだとは断定できませんよ」

「かぶってるじゃん」

「は、はい・‥‥」

「鑑定結果がでましたか?」

「犯人はわかったわー」

「な、なんと!」

「犯人はあなた。あなたが犯人よ」

「あら、どうしてかしら?」

≪引き船のある風景・ボナール≫

「世の中は常にもがもな、なぎさこぐあまの小舟の綱手かなしも‥‥‥いわいる百人一首によい歌はほとんどないのに、この短歌は___あるいは、これだけは、と言ってもよいが、とびぬけてわたしは好きな歌である、‥‥‥と、いきなり、こんなことをもち出して、あなたはとまどうかもしれないわね、‥‥‥≪引き船のある風景≫から、わたしはなんとなく、この短歌を連想する。この歌びきと、人間のいとなみと、その合体を願う心がある。この絵の明るさにも、それとどこかよく似た感想をわたしはおぼえる。わたしの独断的偏見かもしれない。≪ル・カンネ≫の風景では画家は風景の中にいるが、≪引き舟のある風景≫はユニヴァーサルな大きさをもっている」

「で?なにが言いたいの?」

「ほほほほ。つまり、あなた以外、犯人じゃないからよ」

「証拠を立証しなさいよ」

「ほほほほ。証拠。証拠は仮装研で鑑定、検査をしたわ」

「被害者は前の晩からハロウィン用にしにがみの仮装をして寝ていた」

「そして翌日、鎌を持ってあなたを脅かしにナースステーションへ‥‥‥」

「しかし、その鎌が仇となって、あなたに返り討ちをうけたの。”なんで鎌まで持ってきたの!”ってね」

「被害者はあなたの返り討ちにあって、死んだふりをしたの。そしてあなたは!!」

「な、なによ?」

「あなたたちは、ナースのコスプレをしてるだけ!。ナースステーションなんてほんとは嘘。そして決定的な確証は‥‥‥」

「他のコスプレイヤーはみんなリモート。濃厚接触はできない‥‥‥」

「しかし、あなたと被害者だけは濃厚接触が可能な場所にいる‥‥‥」

「被害者はドジだから、自撮り用の撮影で、あなたまで映してた」

「これじゃ計画通りの完全犯罪までいかないわ。サスペンスにもならない。ドキュメンタリーってとこね。そして、あなたが犯人‥‥‥」

「死んだふりしてるだっちゃ」

「く、くくく‥‥‥」

「恐るべし仮装研の女」

「月に代わってお仕置きよーー!」

「カット!!おつかれさまでしたーー」

『リモート・ボナール』浴槽にかがむ裸婦

 


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『リモート・ボナール』小舟遊びーボナール夫人

2020-10-14 01:51:35 | DQX リモート・ボナール

「キャサオ?セーヌ上流の海はどう? 今流行りの舟遊び。たのしいでしょ」

≪小舟の舟遊びーボナール夫人・ボナール≫

ドン!!ドン!!  ドン!! ドン!!

「なに? キャー! あれが噂の巨大ウサギ!ウサズリーだわ!。な、鳴かないのね!そのかわりに地団駄踏んでる!」

ドン!! ドン!!

「やだ!こっちにくるわ!!」

「キャサオ!!あなたじゃ勝ち目ないわ!!」

ドン!! ドン!! ドン!!

「キャサオ!!」

「ドン!!ドン!!」

「ウサズリーを倒すなんて無理よ!キャサオ!!」

「ドン!!」

「ドン!! ドン!!」

カリガリガリ‥‥‥

「ウザズリーが痛がってる!!」

「ガリガリガリ!!」

「ウサズリーを倒したわ!でも、キャサオまで!キャサオ?!! キャサオ?おきてーー」

「キャサオは勇敢に戦って天国へ行ったのさ」

「お祈りしましょ‥‥‥」

「キャサオ‥‥‥」

「キャサオ‥‥‥」

「キャサオ。セーヌの海から、僕たちを見守ってくれよ」

「キャサオ‥‥‥」

「カット!!おつかれさまでしたーー」

「今日のは何?」

≪花束のある静物・ボナール≫

「モデルはなんということのない、そこにもここにもある花束のようであるが、『形態の倫理』と、それ以上に『色彩の倫理』を追求した、この心のやさしい画家ボナールにとっては、変質もないものに非凡なものを見る力があり、ルドンの花々の幻想性、神秘性は、むしろなんの変哲もなく、人生の片すみに置き忘れがちなものに、地上的な静けさと美しさ。そにに対して、ルドン対ゴジラ‥‥‥」

「ルドンじゃなく、ラドンじゃない?」

「きっと、ルドンからヒントをもらったんだよ‥‥‥」

「ええとーーなにか?」

「あ、続けてーー」

「ルドン対ゴジラといった時代の流行を取り入れて。かわいい動物と巨大化した狂暴な動物を出現されることによって、感動のスペタクル。すなわち、静物から動物。そして……」

「どうせお遊びでしょ」

「シーー」

「‥‥‥なんという哲学だ!」

「おつかれさま。さ、夕ご飯の支度ね」

「なんでだっちゃ!! おいら、ウサズリーやるだっちゃ!」

「言うこと聞かなかっただっち」

「巨大ウサギにしては小さいんです」

「今日は休日だっちゃ」

「別なものを撮影しましょう」

「ごめんねーー。これでいいかしら?」

「青っぽいのは、ありますでしょうか?」

「わかったわ。着替えてくるね‥‥‥」

「休日のところ、助かります」

≪踊り子、椅子。小石・マティス≫

『リモート・ボナール』ル・カンネ

 


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『リモート・ボナール』白い下着の少女トルソ

2020-10-07 15:55:26 | DQX リモート・ボナール

「ボナールはナビ派に接触する。なんでも受け入れ、影響されるなら、影響をおくさずうけようとする流暢(りゅうちょう)さ、そして何よりも、若さのためだろうね」

≪ゴーギャン《黄色のキリスト》≫

「ボナールはナビ派で有名だけど、ゴーギャンはどういう人?」

「ゴーギャンの作品は‥‥‥ もっともわかりやすい例をとって言えば、黄色の十字架上のキリストとそれをあがめる素朴な農民たちを描いた作品‥‥‥ ゴーギャンは農民たちがキリストを信仰するさまに感動しているのであって、ゴーギャン自身が同じようにキリストを信仰してるわけではない。といって言い過ぎなら、ゴーギャンは知識人過ぎて、農民たちの素朴な信仰に同情を示しながら、彼自身はそれを客体としてとらえてる。ゴーギャンにとって、それは追憶的、記憶的または理論的なものであった。ゴッホとの仲違いも、おそらくそのあたりにあったが、ボナールもまた、そうしたゴーギャンの心情に対しては、ゴッホとは別の意味で、正反対である。ボナールは無意識に感得したことを意識にまで昇華させる天分を持っているのさ」

≪白い下着の少女トルソ・ボナール≫

「もう。あたしのいないところで‥‥‥」

「ばら色のほとんど平塗りの裸婦が、白いチェックのある濃い青の下地の上にのびのび横たわってる。裸婦はヴォリュームがある」

「全体の構成のため顔は物理的に小さいが、それを感じさせない大きさがある」

「平塗には違いないが、先にも言った一筆描きのデッサンが少し離れて見ると十分な奥行きをみせるように‥‥‥」

「この構成はすぐれている」

「デッサンという言葉をひろくとって、色によるデッサンといってもよかろう」

≪ばら色の裸婦・マティス≫

「カット!!‥‥‥あ!ライン、ライン‥‥‥【カットです(スタンプ)】」

「ッたく‥‥‥」

「‥‥‥」

『リモート・ボナール』小舟遊びーボナール夫人

 


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