<だれかさん>
1980年4月から9月まで放送されたテレビ(学園)ドラマ『1年B組新八先生』。
1980年といいますと、いろんなブームがありました。漫才ブームを皮切りに『俺たちひょうきん族』や『Drスランプアラレちゃん』が放送され始め、山口百恵の引退や松田聖子のデビュー。甲子園では、荒木大輔がデビューし、第一次『大ちゃんブーム』がおきました。当時はフィーバーと呼ばなかったかもしれませんが、流行語では『ナウい』が定着し、『なめんなよ』『ツッパリ』『ぶりっ子』といったのが流行しました。79年から年跨ぎで『3年B組金八先生』が話題になり、その第二弾で『1年B組新八先生』が放送されました。主役は岸田智史で、ほんとは金八先生をやる予定が、スケジュールの都合で武田鉄矢に代わり、武田鉄矢主演『3年B組金八先生』シリーズから始まったようです。これを機に武田鉄矢と西田敏行は天狗になったそうです。
『3年B組金八先生』第一弾は、私の姉がちょうどそのとき中3でした。なので姉と両親は高校受験勉強の合間によく見てました。
1980年、姉が高校に入学し、僕は中学に入学しました。『1年B組新八先生』の放送が開始され、金八先生の後番組と言っても、金八先生ほど関心がなかったようで、僕は見る気満々でしが、家族は他の番組に興味がゆき、チャンネル主導権の関係で毎週は見れませんでした。
たぶん、野球中継がないときに観てたかもしれません。ああ、原辰徳ブームも、なんか篠塚に変えて原を入れてから云々もめて、原をサードにして篠塚が打つようになって、ぐちゃぐちゃしてたんで、しばらく巨人はみないことにしてました。僕はプリンスホテルから入った石毛が気になってました。母親は大正琴ブームでよくお稽古事で夜はいませんでした。
僕は新八先生のドラマがないときは、友達から録音したYMO(イエローマジックオーケストラ)を聴いてました。それも80年からです。声変わりはまだ、その時点はしてませんでした。
『1年B組新八先生』でのテーマは不登校の生徒や今でいうマイノリティーといった感じの内容だったかと思います。金八先生第二弾は不良生徒から校内暴力を取り扱い話題に。翌年の『2年B組仙八先生』では、生徒が全員で教科書を燃やしてしまう事件から始まります。女子では三田寛子が一番人気で、シブがき隊も『2年B組仙八先生』から人気になりました。
仙八先生役のさとう宗幸が宮城県の鬼首に課外授業で生徒を連れていったのを覚えてます。その後『3年B組貫八先生』が放送され、僕はその時それどころじゃなくて、あんまりみなくなりました。たしか用務員から教師になって、教師の地位がテーマなようなきがしました。やがて僕の母校でも遅い校内暴力ブームになるのですけど・・・
で、中学1年にもどりますが、中1生活の中でテレビドラマで新八先生と出会い、それと同時に篠原久美子役(遥くらら)先生と出会いました。新八先生役の岸田智史さんは『きみの朝』でヒット曲をだしてたシンガーで、遥くららさんも番組中にレコードをだしました。
僕はこの年に買ったレコードが、数あるレコードの中で『遥くらら『だれかさん』でした。それまでの人生で、自分ひとりで買ったのが『いとしのエリー』『燃えろいい女』3枚目が曖昧なのですが、おそらくこれです。
遥くららさんもすてきな方だったのですが、僕は『1年B組新八先生』のドラマで気にいった生徒が中にいました。
丸く書いた生徒に夢中なりました。手前の丸い生徒じゃないですよ。そのむかって左から二番目の席に座ってる女子生徒に惚れました。ちなみにまだ声変わりは完全ではなかったので純粋無垢に追っていました。セリフもそんなにない役柄だったので、このジャケット写真が唯一じっくり見れる写しであります。
ドラマは毎週見ることはできませんでしたが、当時、学年誌というものがありまして、『中1時代』だったか?『中1コース』だったか?は忘れました。お名前も忘れてしまいましたけど、その雑誌に『1年B組新八先生生徒名簿』みたいのが特集されまして、好きな生徒にファンレターを送ることができました。
内容は各生徒のプロフィール。芸能活動や生年月日などが紹介していました。中1という設定なので、せいぜい上は中2ぐらいで、小学生はいなかったと思います。
学年誌からファンレターならぬラブレターを人生で初めて書こうと決めたわけですが、なにせ字が下手なのを自覚してましたので、字の上手い友達を家に呼び、手紙を書いてもらうことにしました。
その友達は同じクラスの男子生徒で、「好きなんで」とお願いしました。そして友達の隣りで口頭で伝え、便箋に書いて住所も書き封筒に入れて送りました。
内容は直で『好きです』とかは、恥ずかしくて伝えられなかったので、あのシーンの表情がどうのこうのとか、しぐさがどうのこうのとか「演技が上手い」とか、遠回しに好意を伝えました。
そして、返事は待っても待っても来ませんでした。まあ、「いつか来るんだろうな・・・」と思いつつ、中1を過ごしました。
9月の『1年B組新八先生』が最終回の日は、マイク付きカセットデッキで音声録音をしました。時々、その生徒の声が聴こえたときはうるっとしました。今でもそのカセットは探せばどこかにしまってあります。レコードもどこかにしまってあるかと思いますが、どこにしまったか?は思いだせません。
そのレコードなのですが、番組が終了してから翌年に同級生の女子生徒と付き合うことになりまして。その頃だったのかな?と、思うのですが、
ある日、ジャケットに写っていた彼女の顔をマジックで塗りつぶしていました。理由はなんなんだろう?忘れたかったのかな?照れ隠しみたいな感じで塗ったのか?気持ちが尖ってたのかは?定かではありませんが、他人がみたらいじめてるようにみえますよね。彼女だけ見れるようにするならまだしも、自分も中学生だったとはいえ、バカだったなー。
『遥くらら だれかさん』はYouTubeで見れました。提供元様に確認してませんが、僕もこのレコードを買ってあるので許してもらえるのなら幸いです。