前回
ヨミガエルガール夜霧よ今夜もありがとう
「人食いザメがでたのはここだっちゃか?」
「あーそうだ」
「頭からがぶりとやられてな、顔は見れたもんじゃなかったよ」
「おいらが人食いザメを捕まえるだっちゃ」
「料理してやるだっちゃ」
「かかっただっちゃ!」
「やめろやめろー」
「そんなんじゃ捕まえられねーぞ」
「それより、祈りのママのほうが怖いんじゃねーか?」
「こんなことしてたら、叱られるぜ」
「怖くないだっちゃ!」
「フルニエさーん、今日のお客様への料理」
「見積もりとちがうんじゃないの?」
「注文分の材料で、作っただっちゃ」
「発注した食材より多いのよ、魚が追加してあって」
「フルーツ盛り合わせの会合だったのよ」
「配送業者さんが持って来たレシピ通りに作っただっちゃ」
「人数分は合ってるの」
「けど、魚が多いの」
「お客さんが考えた料理なのよ、食材配送まで決めてあって」
「あれじゃ注文通りじゃないわ」
「作り直しましょ」
「なんでだっちゃ、もったいないだっちゃ」
「多めに作った分はおいらが立て替えるだっちゃ!」
「ダメ」
「お金はいただいてるんだから調理し直しましょ」
「なんでだっちゃ、おいら人食いザメを捕まえに行かなきゃだっちゃ」
「ダメ、危ないし」
「お金をこちらで補填したからって、間違ったものを出すわけにはいかないわ」
「もし、それで食中毒が起きたらどうするの?」
「食中毒は怖いだっちゃ…」
「フルニエさんが神経をつかって調理をしているのはわかるわ」
「フルニエさんが立ち直れないくらいに料理が作れなくなったら」
「みんなが困るのよ」
「フルーツ盛り合わせの材料はまだあるだっち」
「気を取り直して、わたしも手伝うから」
「作り直すだっちゃ」
「あら、いらっしゃいませ」
「二週間ぶりかしら」
・・・
「お泊りですか、ありがとうございます」
中森明菜 東京砂漠
「空がないてるだっちゃー煤け汚されてだっちゃー」
「ひとはやさしさをだっちゃーどこに棄ててきたのだっちゃー」
蜜農場
蜜集め
蜜狩り
「明日はフジトモ姉さんに会うんだよな」
「そう、親分から一門ののれん分けにね」
「ルスイの親分、通称カミハルの番犬、犬神一家ののれん分けか」
「どんな通称になるんだろうな」
「フジ家は変らないけどね」
「ササ、フジトモ姉さんに会ったら…」
「ええ、わかったわ」
「いいかげん、家族で顔隠すのやめたら」
「姉さんと一緒のときは顔はみせたくない」
「よくもまーこれでバレないでいられるわね」
「お姉さんはメギのこと知ってる?」
「メギのことってなに?」
「防護提のミス設計の件」
「あー巨大生物が大発生して」
「崩しの廃墟になってしまって」
「それで新たに防護提を造ろうとしている最中に設計ミスがわかったけど、そのまま造っちゃったことね」
「メギ建設は世界でも優秀な都市なのにね」
「なんとかも筆の誤りでも、どうしちゃったんだろうね、仏さんが沢山でちゃったのに…」
「22センチの落差、それをかさ上げしてミス設計のまま建てちゃって」
「その22センチが怪しいと、うちのデスクが疑いはじめて」
「22センチ?…」
「22ってメギの大魔神の背番号にイメージつかない?」
「メギの大スターよ、あたしでもまだ覚えてる」
「その22をキーワードに、間接賄賂をやっちゃったんじゃ?ないかと」
「22センチ分の賄賂?」
「大魔神の背番号22は他に引き継がれてるのよ」
「永久欠番でもいいくらいなのに」
「そのことを書いた著書があるの知ってる?」
「知らない、誰が書いたの?」
「メギで出版された『メギを斬る』」
「メギに批判的な本だったから、まったく売れてなかったけど」
「ベーコ」
「お姉さん代役で仕事一緒にしてるでしょ?」
「旦那の代わりに出たやつね」
「役名もベーコだったけど、グラビアモデルから女優になって」
「突如、女優をしなくなって」
「たまに雑誌のグラビアで見たことはあるけど」
「今は文筆家なのか、すっかり雲隠れしちゃってさ」
百万Gとオガ筋女
「デスクが追ってるってこと?」
「会ってみたいと思わない?」
「またせたな」
「親分」
「さあ、いこうか」
「おまえの席は、入り口から一番手前の席だ」
「それでもおまえは一門一家のリーダーだからな」
「今日は土足でもかまわん」
「ユニホームを見せに来た、だから脱がなくてもかまわん」
「メメーズリーダー、フジトモ」
「はい」
「今日から『豹神』と名乗ってよい」
「はい」
「犬神から豹が産まれましたか、あははは」
「あなたがいればだっちゃーあなたがいればだっちゃー」
「陽はまた昇るだっちゃーこの東京砂漠だっちゃー」
次回
ヨミガエルガール窓
ヨミガエルガール夜霧よ今夜もありがとう
「人食いザメがでたのはここだっちゃか?」
「あーそうだ」
「頭からがぶりとやられてな、顔は見れたもんじゃなかったよ」
「おいらが人食いザメを捕まえるだっちゃ」
「料理してやるだっちゃ」
「かかっただっちゃ!」
「やめろやめろー」
「そんなんじゃ捕まえられねーぞ」
「それより、祈りのママのほうが怖いんじゃねーか?」
「こんなことしてたら、叱られるぜ」
「怖くないだっちゃ!」
「フルニエさーん、今日のお客様への料理」
「見積もりとちがうんじゃないの?」
「注文分の材料で、作っただっちゃ」
「発注した食材より多いのよ、魚が追加してあって」
「フルーツ盛り合わせの会合だったのよ」
「配送業者さんが持って来たレシピ通りに作っただっちゃ」
「人数分は合ってるの」
「けど、魚が多いの」
「お客さんが考えた料理なのよ、食材配送まで決めてあって」
「あれじゃ注文通りじゃないわ」
「作り直しましょ」
「なんでだっちゃ、もったいないだっちゃ」
「多めに作った分はおいらが立て替えるだっちゃ!」
「ダメ」
「お金はいただいてるんだから調理し直しましょ」
「なんでだっちゃ、おいら人食いザメを捕まえに行かなきゃだっちゃ」
「ダメ、危ないし」
「お金をこちらで補填したからって、間違ったものを出すわけにはいかないわ」
「もし、それで食中毒が起きたらどうするの?」
「食中毒は怖いだっちゃ…」
「フルニエさんが神経をつかって調理をしているのはわかるわ」
「フルニエさんが立ち直れないくらいに料理が作れなくなったら」
「みんなが困るのよ」
「フルーツ盛り合わせの材料はまだあるだっち」
「気を取り直して、わたしも手伝うから」
「作り直すだっちゃ」
「あら、いらっしゃいませ」
「二週間ぶりかしら」
・・・
「お泊りですか、ありがとうございます」
中森明菜 東京砂漠
東京砂漠 | |
クリエーター情報なし | |
Universal Music LLC |
「空がないてるだっちゃー煤け汚されてだっちゃー」
「ひとはやさしさをだっちゃーどこに棄ててきたのだっちゃー」
蜜農場
蜜集め
蜜狩り
「明日はフジトモ姉さんに会うんだよな」
「そう、親分から一門ののれん分けにね」
「ルスイの親分、通称カミハルの番犬、犬神一家ののれん分けか」
「どんな通称になるんだろうな」
「フジ家は変らないけどね」
「ササ、フジトモ姉さんに会ったら…」
「ええ、わかったわ」
「いいかげん、家族で顔隠すのやめたら」
「姉さんと一緒のときは顔はみせたくない」
「よくもまーこれでバレないでいられるわね」
「お姉さんはメギのこと知ってる?」
「メギのことってなに?」
「防護提のミス設計の件」
「あー巨大生物が大発生して」
「崩しの廃墟になってしまって」
「それで新たに防護提を造ろうとしている最中に設計ミスがわかったけど、そのまま造っちゃったことね」
「メギ建設は世界でも優秀な都市なのにね」
「なんとかも筆の誤りでも、どうしちゃったんだろうね、仏さんが沢山でちゃったのに…」
「22センチの落差、それをかさ上げしてミス設計のまま建てちゃって」
「その22センチが怪しいと、うちのデスクが疑いはじめて」
「22センチ?…」
「22ってメギの大魔神の背番号にイメージつかない?」
「メギの大スターよ、あたしでもまだ覚えてる」
「その22をキーワードに、間接賄賂をやっちゃったんじゃ?ないかと」
「22センチ分の賄賂?」
「大魔神の背番号22は他に引き継がれてるのよ」
「永久欠番でもいいくらいなのに」
「そのことを書いた著書があるの知ってる?」
「知らない、誰が書いたの?」
「メギで出版された『メギを斬る』」
「メギに批判的な本だったから、まったく売れてなかったけど」
「ベーコ」
「お姉さん代役で仕事一緒にしてるでしょ?」
「旦那の代わりに出たやつね」
「役名もベーコだったけど、グラビアモデルから女優になって」
「突如、女優をしなくなって」
「たまに雑誌のグラビアで見たことはあるけど」
「今は文筆家なのか、すっかり雲隠れしちゃってさ」
百万Gとオガ筋女
「デスクが追ってるってこと?」
「会ってみたいと思わない?」
「またせたな」
「親分」
「さあ、いこうか」
「おまえの席は、入り口から一番手前の席だ」
「それでもおまえは一門一家のリーダーだからな」
「今日は土足でもかまわん」
「ユニホームを見せに来た、だから脱がなくてもかまわん」
「メメーズリーダー、フジトモ」
「はい」
「今日から『豹神』と名乗ってよい」
「はい」
「犬神から豹が産まれましたか、あははは」
「あなたがいればだっちゃーあなたがいればだっちゃー」
「陽はまた昇るだっちゃーこの東京砂漠だっちゃー」
次回
ヨミガエルガール窓