『当たれ宝くじ』序③
「精子バンク?」
「そ、登録してみない?」
俺はヒヨリからサービスを受けたあと、精子バンクの話しを持ちかけられた。
「高学歴のひとには需要があるのよ」
「俺そんな高学歴じゃないぜ。そもそも就職決まんなくて偏差値の低い大学に入ったんだし」
「あたしもよ。なーに、大学名なんて誤魔化しちゃえばいいのよ。あたしはあんたの精子ほしいし」
「すぐにバレるだろ」
「あたしがついて行ってあげるよ。精子冷凍するだけでお金になるんだよ。こんなチョロい話しないわ」
俺はヒヨリの話しを聞いてまんざらでもないと思った。
「どうだった?チョロいもんでしょ‥‥‥」
「う、うん‥‥‥」
「ジェヌ」
「呼んでるよ‥‥‥」
「誰なの?ジェヌ」
「う、いいや。キミとは別れたはずだ!」
「そこにいる彼女と付き合い始めたんだ‥‥‥」
「そ、そうだ」
「婚約指輪、お給料の3ヶ月分ね」
「まだそこまではいってない!」
「え、いってないの?」
「あゝーー‥‥‥」
「わたしあなたのことが忘れられない。約束してるわよねーー‥‥‥」
「キミにはお金が必要なんだろ!」
「お給料の3ヶ月分ね」
「ふ、バカバカしい‥‥‥」
俺は元カノには相手にはせず、ふり返らずにその場から立ち去った。
「あなたの元カレ?」
「う、いや。旦那がいるんで、元カレでもないです」
「じゃ、なんであんなことを言ったの?」
「彼には指輪を買ってほしくて‥‥‥」
「あなた何屋さん?」
「宝飾屋です。あのひとには買ってもらいたくて、ちょっとはいいとこ見たいじゃないですか。べつにわたしにじゃなくてもいいんです。店員やってると、指輪を求めてる姿の男性って素敵だなーーって思っちゃうんです‥‥‥」
DQX撮影 スライムレーズ・くじひき KAWAGANI DQX 紙芝居magNET 演目アイテム
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「ジェヌ?この頃いい噂を聞かないが。おまえを呼んだのはほかでもない」
「覚悟は出来てます。お裁きを待ってます」
「おまえは西の国に戦士がいるのは承知であろう」
「お父さんまた何を!」
「西の戦士を成敗するのですか」
「西の戦士は名の知れた強い者だが、勝手な振る舞いをして民たちを困らせておる。それを降伏させるのだ」
「お父さんまたバカなことを。この子は遊び人だよ」