①<傘がない>
②踊り子
③愛はかげろう
④スローなブギ―にしてくれ
スローなブギにしてくれ | |
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⑤夜霧よ今夜もありがとう
夜霧よ今夜も有難う | |
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⑥東京砂漠
⑦窓
男はつらいよ 翔んでる寅次郎 HDリマスター版(第23作) | |
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⑧ALONE
続・フレンズ―ポールとミシェル (ハヤカワ文庫) | |
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早川書房 |
⑨ハリウッド・スキャンダル
⑩恋の予感
NO MORE ENCORE前編
ヨミガエルガールNO MORE ENCORE後編
歌姫3~終幕~ | |
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初回ヨミガエルガール傘がない
前回
ヨミガエルガールNO MORE ENCOE前編
「あのですねー」
「腐女子しか入れないみたいですー」
「ど、どういうこと?」
「またおいでだっちゃ」
「ありがとうだっちゃ」
「ん、どうかしただっち?」
「忘れ物だっちゃか?」
「コロモちゃんにだっち」
「ノートだっちゃか?」
「コロモちゃん読んでみるだっちゃ」
(私は、ベーコと言います)
「ベーコさんがノートに書いて、コロモちゃんに渡したんだ」
「はいですー」
「で、内容が今起きてることと、関係あることなの?」
「はいですー」
「わたしたちも知ってることかな?例えば、ベーコさんの子供と彼氏の事とか?」
「書いてたですー」
「MJという人がですねー」
(私はいつ頃からか、死んでも生き返る身体になっていたんです)
(死後、誰からの目に触れずにいても、二週間後には生き返るのです)
(ただし、生き返った後、死んだ直前の記憶が無く、なぜ私が死んだのかは、覚えてなかったのです)
(愛する彼と、彼の間にできた愛する我が子が井戸に落ちた事故で亡くしてしまい)
(私もその井戸で死に、生き返り、その後に声帯と聴力を失いました)
(ただ、愛する家族がなぜ、井戸で亡くなったのか?思い出せませんでした)
(ただただ、誤って井戸に落ちたということだけを知らされました)
(しかし、私はあることをきっかけに、井戸に落ちた当日のことを思い出しました)
(あの日、私の仕事の世話をしていた、『MJ』という男が井戸に隠れていたのです)
「ローファさんとカレッジで知り合ったサーリーさんがグルで無理心中を図ったのかも」
「MJという男とサーリーさんが、何かかしらの接触があって」
「無理心中を計画した」
「でも、ベーコさんが今になってなぜ、そのことを思い出したの?」
「それがですねー」
(MJという男は、イラストレーターなども行っていて)
(子供用のトイレの御虎子(オマル)のデザインなども行っていて)
(私の娘のオマルなどもMJがデザインしたキャラクターなどの絵が書いてありました)
(私は家族を亡くした後、日が経ち三人で暮らしていた住まいをかたづけていたときに、家のオマルにうんちが入ったままなのに気づきました)
(井戸に落ちる前、娘はオマルにうんちをしていたのです)
(便が終わると、私たちは共同トイレにオマルの汚物を流しに出かけていました)
(住まいにはトイレがなく、外にある共同トイレを私たちは使用していました)
(いつも仕事が終わると、MJに家まで送ってもらっていました)
(何の疑いもなく、それを繰り返していました)
(MJには中絶のことまで知っていました)
「MJは隠れて」
「オマルの汚物を流しに共同トイレに行くことも把握してたのね」
(しかし、その日のMJは用事があると言って、私を送らず先に帰りました)
「サーリーさんが家に尋ねることを計画し、先回りして井戸に隠れてたのね」
「サーリーさんとMJは、ジュジュちゃんがオマルに便をした後に、ローファさんとジュジュちゃんを井戸に誘いこむ計画を企てたのよ」
「オマルのうんちを流しに外の共同トイレに行くのをわかっていて」
「けど、なぜ?そのことを思い出したんだろ?」
「それはですねー」
(MJのデザインしたキャラクターなどが、あちこちで見かけるようになり、私はそれを見るたびに、あの日のことが蘇ってくるのです。)
(その度に私はMJを追いかけ)
(MJに殺され、2週間前までの記憶が消されてしまうのです)
(生き返るとそこには、いつもお金が置いてあり、私はそのお金で旅をしていたのです)
(MJを倒さなければ、私は逝き続け、蘇りが終わらないのです)
(また、MJがあらわれました)
(わたしはいきます)
「コロモちゃん、腐女子の他に入れる条件とか知ってる?」
「賢者ですー」
「賢者じゃないわー」
「姉さんは無理か」
「語り姫さんが賢者ですー」
「おまたせ」
「いきましょー」
「ノートの内容、聞かせてもらったわ」
「書いて伝えたほうが」
「そうですね、語り姫さん」
中森明菜 NO MORE ENCORE
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「逝った!」
「これで愛する家族がもどってくることはなかったわね」
「彼女は蘇る現実を生き続けるのよ」
(私は排卵日が22日で訪れたことを忘れ、その誤差を安全日だと勘違いしてしまいました)
(彼は私の身体のことを気遣ってくれたのに、危険日を安全日だと言って身体を許してしまったのです)
「くそ、悪魔めー」
「予報があたったわ」
「悪魔はあなたでしょMJ」
「逃がさないから」
「殺人容疑で、あなたを捕まえます」
「ほんとは無理心中じゃないんだ」
「井戸に引きずり落とすのは、ローファとジュジュの二人だけでな」
「二人が井戸水を使うところまで把握してたんだが」
「余計な女がきやがって」
「三人まとめて沈めたんだよ」
涙ズウズウ
ヨミガエルガール 完
ヨミガエルガール まとめ
初回ヨミガエルガール傘がない
前回
ヨミガエルガール恋の予感
「息子は初め演奏家志望でな」
「その科目のハイスクールに通わせたんだが」
「彼女とかけおちしてしまってな」
「お互いに休学届けを出し、家出をしてジュジュという女の子を出産したのじゃ」
「行方不明になったわたしらは、やっとのこと、二人の居場所をみつけてな」
「二人を説得した」
「わたしらの親とローファが子供を預かり」
「ローファが一人前になるまで会わぬよう」
「説得した」
「しかし、わたしらの雑音が大きすぎた」
「ふたりの誓いの言葉をもう少し、よく聴こえるようにしてあげなければいけなかった」
「誓いの言葉が小さかったんじゃろう」
「…」
「…」
「ふたたびふたりは再会をし、暮らし始めた」
「だが…」
「MJ」
「ベーコ」
「キミは永遠だ」
「キミは永遠の自由を手に入れる」
「なんのこと?MJ」
「ジュジュとローファはどこなの?」
「会わせて!」
「見てるがいい」
「ジュジュ!」
「サーリー」
「ジュジュをかえせ!」
「ローファ」
「三人で永遠に暮らしましょ」
「う!」
「この井戸の下で」
「永遠に、永遠に」
「愛情を奪い」
「永遠に、ここに沈むの」
「済んだか?」
「さあ、わたしたちだけにして」
「ローファ!ーーーーーー」
「ジュジュ!ーーーーーー」
中森明菜 傘がない
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「キミの自由だ」
「ローファとジュジュ」
「そして、カレッジで知り合ったサーリーまでもが誤って井戸に落ち」
「死んでしまった」
「そこには彼女もいて、命だけは助かった」
「だが、意識をもどしたときには」
「言葉と耳が使えなくなってのう」
「声帯と聴力を失っていたのじゃ」
「それで、ベーコさんは本を書くようになったんだ」
「わたしらが目にするのは、彼女の書いた本と写真雑誌ぐらいでな」
「あの日以降、会ったことがなくてのう」
「ベーコさんがどこにいるか、わかりませんか?」
「最近、妙なことを聞いて」
「彼女が訪ねにきてるようなことを耳にしたんじゃ」
「いつもよりクルクル回ってるだっちゃー」
「狼が走ってるだっちゃー」
あの後
「今日は祈りの宿に泊まりましょ」
「そうね」
「え!」
「なに?」
「コロモちゃん!」
「知り合い?」
「う、うん」
「あのですねー」
「なんかあったの?」
「輪っか付けただっち」
「追いかけるだっちゃ!」
「入れなかったみたいですー」
「ど、どいうこと?」
「ちょっと詳しく聞かせてくれる?」
「はいですー」
ヨミガエルガールNO MORE ENCORE後編
前回
ヨミガエルガールハリウッド・スキャンダル
「やあー」
「MJ」
「キミがカレッジ医学生のローファ君か」
「よろしく」
「ローファです」
「よろしく」
「X線グラビアの依頼が入った。ベーコ」
「そう」
「いまから引っ越すところ」
「それでMJ」
「なんだい?」
「わたしたち」
「ここにいるローファとジュジュの三人で暮らすことにしたから」
「新居も、もう決めてある」
「自由にしたらいい」
「俺の自由はキミの自由だ」
「仕事場で会おう、ベーコ」
「ベーコ、あの人が?」
「あの人がMJ」
「仕事のお世話をしてもらってるの」
「日が暮れるわ、急ぎましょ」
「そこに冷凍庫の物をぶら下げてくれ」
「はい」
「重いぞ」
「だいじょぶです」
「お疲れみたいねー」
「仕送りが無くてもやっていけるー?」
「ジュジュちゃんは元気ー?」
「キミには感謝してるよ」
「ジュジュ」
「もうすぐママが帰ってくる、先に食べてよう」
「うん、パーパ」
「X線グラビアはいつ頃、発売?」
「それがちょっと気になるところがみつかっちゃって、ベーコちゃん」
「どうかした?」
「X線でベーコちゃんの身体が透けてみえちゃうんだけどね」
「なんか怪しい影が見えてるんだよ」
「ベーコちゃん心あたりない?」
「どの辺なの?」
「読者がもっとも気になる部分なんだよ」
「肺の辺りは問題なかったんだけど」
「その、骨盤のあたりというか、その…」
「ローファなら、今日の授業は無いはずよ」
「カレッジ病院のことは俺たちにまかせな」
「なんとか都合、つけてやるぜ」
「おまたせ」
「分娩室が空いたわ」
「ドクター教授の奴らは?」
「ドクター教授には適当に誤魔化しておいた」
「彼女はカレッジ医大生でも一目置かれているんだ」
「ドクター教授が食事をしてる間にすましましょ、おいでベーコさん」
「はい」
中森明菜 恋の予感
恋の予感 | |
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リュウセイ
「落ち着いたら帰してもいいわ」
「ただ、今夜一晩は辛いかも」
「あとはよろしく」
「おつかれ、サーリー」
「うーうーんんーー」
「ハアーハアー」
「どうした?ベーコ!」
「ちょっと苦しくて」
「何があったんだ?」
「ハアーハアー」
「ちょっとまって、もうじき落ち着くから」
「今日、中絶をしたの」
「ど、どういうことだよ!」
「僕の子をか?」
「あなたの子かも、わからなくて」
「僕はベーコに産んでもらいたいんだ、そのためにカレッジで医学を学んでるんだ」
「ベーコとふたりで過ごしたあの家で、ジュジュは生まれた」
「僕はあの日のことを今でも忘れない」
「わたしたちは、まだ早すぎたの」
「わかって、ローファ」
「愛してる、だからわかって」
「ベーコ、僕に何をわかれって言うんだ?」
「ローファ」
「もう一度、あなたを信じたい」
「あなたなら、あなたなら、きっと…」
「わかったよ、今日は静かにしていよう」
「ローファ」
「サーリーがベーコを診てくれたのか」
「まあー何事も経験よ」
「ローファもここからカレッジに通うなんて、偉いわ」
「ねえジュジュちゃん、パパは偉いですねえー」
「ベーコおかえり、ちょうど、サーリーが来てくれたんだ」
「ベーコ!」
「追いかけたら?ローファ」
「ベーコ!」
「サーリーごめん」
「ひどい」
「ベーコ」
「わたしに恨みでもあるの?」
「ベーコ」
「ベーコ、悪かった、すぐにサーリーを帰すべきだった」
「ベーコの言うように、もう一度、お互い信じ合うべきだ」
「ジュジュが待ってる」
「ジュジュ?」
「ジュジュがいない!」
「ジュジュ?」
「おもてに出たのかも」
「僕は、あっち側を探す」
「わたしは向こう側を探してみるわ」
「ジュジュ!」
「サーリー!」
「この井戸に降りていった」
「MJ」
「なんでここに!」
「ベーコ」
「サーリー!」
「ジュジュをどこにつれていくんだ!」
「MJ」
次回
ヨミガエルガールNO MORE ENCORE前編