KAWAGANI DQX 紙芝居magNET【TOP】

旧える天まるのブログ
株式会社スクウェア・エニックスを代表とする共同著作者が権利を所有する画像を利用しております。

『エンドレス・ラブ』ホームルーム⑦

2020-04-12 19:02:12 | DQXエンドレス・ラブ

『DQXエンドレス・ラブ』①

前回

『エンドレス・ラブ』ストーブ⑥

<ホームルーム⑦>

「まだ稽古してたのか?」

「セリフ覚えか?」

「うーん、ちょっと納得できなくて…」

「どこが?」

「セリフとかじゃなくて原作が」

「原作?」

「僕たち、はじめは原作どおりに進めようかと思ってたんです」

「けど、納得できないシーンがあって…」

「ふーん、どのシーン?」

「どこだっちゃ?」

「クライマックスの場面で、ジェイドのお父さんのヒューがデヴィッドが原因で交通事故で死んでしまうシーンが納得できなくて…」

「あんなにいいお父さんだったのに…」

「パーティーのあとにジェイドが言うセリフ。「パパのフルート素敵だったわ。」あのシーンがわたし一番好き。それなのに…」

「家も失い、そして交通事故で死ぬなんて酷すぎるわ」

「原作を改ざんしてほかのシーンを盛りこんだらどうかな?と、思ったの」

「原作は原作だっち。事実としての資料も残ってあるだっち…」

「”光をくれた人”っていうお話し知ってる?」

「孤島にある灯台の仕事で、夫婦たったふたりでその島に住むようになったの。夫は灯台の仕事をしながら報告書を書いていたわ。そんな中、奥さんが何度も流産しちゃってね。ある日、乳飲み子の赤ちゃんが、船で漂流してきたの。赤ちゃんの父親とでね。その時、父親はもう死んでたわ。でも、赤ちゃんは生き残っていて、子供がいなかった夫婦はどうしてもその赤ちゃんを自分の子として暮らしたくなったの。それで、報告書を改ざんして、そのあとに嘘がバレて罰をうけ留置場に送られるっていうお話しなんだけどね…」

「原作どおりにやらないとダメかしら?」

「だれかほかにいい案はある?」

「少し考えさせてください」

次回

『エンドレス・ラブ』判決⑧

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『エンドレス・ラブ』ストーブ⑥

2020-04-02 00:02:41 | DQXエンドレス・ラブ

『DQXエンドレス・ラブ』①

前回

『エンドレス・ラブ』禁じ⑤

<ストーブ⑥>

アンとの約束のあと、ジェイドとデヴィッドは謹慎生活に入りました。

デヴィッドはジェイドへの愛は変わることなく、学校でもジェイドの姿を見つめていました。

ジェイドはデヴィッドの視線は感じつつも、家族の約束は守っていました。

ジェイドの面影だけをおくる時間は…

デヴィッドにはさみしい時間でした。

デヴィッドの教室にはキースがいました。

「ボブ、今夜パーティーに来ないか?」

「ジェイドもいるのか?」

「ああ、もちろんいるよ。あたりまえじゃないか…」

「恋人がいるんだろ?」

「もう別れたよ」

「チャンス到来だな、何時から?」

「おまえは親友なんだ、好きな時間に来いよ」

「じゃあ、あとで」

「じゃあ、待ってる」

キースとボブが話している姿は見えても、デヴィッドには何を話してたかは聞こえませんでした。

「いい考えがある。こうなったら彼女を誘拐するんだ。で、身代金をとる」

「バカ言うな」

「俺なら彼女の家を放火するね」

デヴィッドが友達に恋人との話しをしていると、そこにボブがやってきました。

「俺やったことあるぜ。8歳のときだ。」

「うそさ」

「うそじゃないさ。濡らした新聞紙に火をつけたんだ。すごい煙が出て怖かったよ。でも僕が第1発見者になって一躍ヒーローだ…おふくろは今でも俺が英雄だと信じてるアハハッハハ。頼むからおふくろには喋るなよ…」

「もういくよ」

「おい!どこ行くんだ!」

「デヴィッド…」

 

「まったく、デヴィッド?デヴィッド!近所から苦情がくるわよ!」

「たまらないわ!私が警察を呼びたいくらい!こんなことなら彼女と別れてほしいわ」

「親が口出しするな」

「そうはいかないわ」

「つき合う前にあの一家のこと、知るべきだったのよ!」

「またその話か…」

「マーガレットからもっと詳しい話しを聞いてたら、こんなことになる前にもっとはやく何かできたはずよ…」

「もう子供じゃないんだ。自分で解決するさ」

「いいえ、あの子は彼女のことで頭がいっぱい。あの一家は近所の笑いものなのよ!ドラッグにドンチャン騒ぎ!60年代のヒッピーね!」

「会ったこともないのに、そんな言い方はやめてくれ」

「会わなくても結構よ、その必要もないわ!」

「あの家族は素晴らしい家族だよ!みんな仲良くて理解しあってる!」

「もういいだろ」

「支え合ってる魅力的な人たちなんだ!仕事の話しだけの我が家とは大違いだ!」

「だったら、あの家に住めばいいわ!そのほうが、あなたはよっぽど幸せになれるんでしょ!」

 

 

デヴィッドは家を飛び出してジャイドの家の側まで行きました。

ジェイドの家ではパーティーが開かれていて、大勢の来客者で賑わってました。その様子はデヴィッドにも見えました。

その様子の中には、ボブとジェイドが仲良くしているところも見てしまいました。

「あんたキースと一緒なの?」

「今度デートしないか?きれいな景色を見に」

「どうしようかな…」

「いいところ知ってるんだ。きっとだよ」

「また明日…」

「じゃあね」

デヴィッドは動揺しました。パーティーが終わり、だれもいなくなったときに、窓を叩いてジェイドを呼びましたが気づいてはくれません。

そこで、濡れた紙に火をつけた話しを思い出しました。

デヴィッドはジェイドを呼びもどすために、濡れた紙に火をつけボヤ騒ぎを起こそうとして、家の側にあった紙に火をつけ草むらに潜んで待っていました。

しかし、ボヤでおさまるどころか!炎はどんどんと燃えひろがり、その炎の激しさに驚いたデヴィッドは、ドワを壊し家に入ってジェイドを呼びました。

「ジェイド!ジェイド!」

「デヴィッド!どうしたの?」

「火事だ逃げないと!」

「あッ!」

「ここじゃだめだ!裏口にまわろう!」

「お父さん!急いで!」

「キース!逃げるんだ!」

「デヴィッド!ここで何してるだっちゃ!?」

「何をしただっちゃ!!さっさと失せろだっちゃ!!」

怒ったキースはデヴィッドを突き飛ばしました。

キースに突き飛ばされたデヴィッドは火事の家の中で気を失いました。

「キース?はやく行け!」

「デッ!デヴィッド!…」

「家は全焼になっただっち。ここが火事になったジェイドの家の跡地だっち。気を失ったデヴィッドは、ジェイドのお父さんのヒューに抱きかかえられて助け出されただっち・・・」

次回

『エンドレス・ラブ』ホームルーム⑦

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『エンドレス・ラブ』禁じ⑤

2020-03-29 09:43:02 | DQXエンドレス・ラブ

『DQXエンドレス・ラブ』①

前回

『エンドレス・ラブ』コウモリ④

<禁じ⑤>

トントン

「どうぞ」

「今夜はいたのか。ジェイドは?」

「元気だよ。彼女は明日フランス語のテストなんだ。だから僕も…勉強するって決めたんだ」

「おまえは成績優秀だ。でも何年か経てば数学の成績など忘れてしまう。ほんとうに記憶に残るのはもっとべつのことだ」

「そうだろ?」

「まあな」

「…幸せか?」

「ああー」

「いいことだー。おやすみ」

「おやすみ」

リリリリリーン

「もしもし。ボン ソワ アンコール…」

「トレ ビアン エ トワ」

「”バスをワナにかける”ところまで訳したわ」

「バスをなに?」

「バスをワナにかける」

「”バスをワナに”だって?”それ、語訳だよ」

「バスに間に合う”が正解だ」

「もっと集中しなくちゃ…ジェイド、愛してる…」

「私もよ。フランス人って情熱的だから、バスにワナをかけることもあるかもしれない…」

「いつまで話してる!」

「なによ兄さん」

「もう1時間以上だ!いい加減にしてほしいね!」

「キースがうるさいから、もうそろそろ切るわね。愛してるわ…」

「僕もだ」

「じゃあね、また」

「おやすみ」

「おまたせしましたーどうぞ思う存分お使いくださいませ」

「電話でデートか?来ないと思えばこれだもんな」

「勉強がありますんで失礼するわ…」

「あばずれ…」

デヴィッドは電話のあと、ジェイドが恋しくなり勉強が手につかなくなりました。

そしてまた、ジェイドの家へに走って行きました。

デヴィッドは部屋に忍び込み、寝ていたジェイドの頬にキスをすると…

ジェイドは起き上がり、デヴィッドを抱きしめました。

そしてふたりは服を脱ぎ、お互いに唇を閉じたまま重ね合いました。

「星に君の名前をつけよう」

「そうだな」

「どれ?」

「わたしの胸って小さいかしら?」

「きれいだ」

「両目が近づき過ぎてない?」

「素敵だ」

「もし、シワシワで太ったら嫌いになる?」

「ずっと愛すよ」

「先のことなんて分からないでしょ?」

「僕にはわかるさ。はじめっから分かってた。どんなことがあっても愛し続ける。ほんとだよ、君は僕のすべてだ。永遠に…君のそばにいたいんだ」

「なんだか怖いわ…あなたへの想いがとまらないの。愛は渇きのようなものだと思っていたの…満たされるものだって…けど、もっと奥深いものだった」

「朝になるわよ。帰って眠らないと」

「離れたくない。ずっと一緒にいるんだ。帰りたくない…」

「…ん!」

「起きたの?」

「ああ」

「今何時?」

「さあね、まだ早いよ」

「なんの音?」

「まさか!」

「!!」

「何してる!何を持っているんだ!」

「なんでもない」

「よこしなさい!信じられん、どういうつもりだ!」

「眠れないのよ」

「睡眠薬はダメだ!」

「眠れないのよ」

「それはこっちが言いたいことだ!あいつのせいだ!」

「あなた、そんなに怒鳴らないで」

「睡眠薬を飲もうとしていた!」

「ただ眠りたいだけなのに!…」

「だからってこんな薬に頼るのか!」

「鍵をかけておかないからよ!お願いだから怒鳴らないで、薬を飲ませてあげてー」

「俺は医者だ!これは子供が飲むような薬じゃない!」

「だったらほかのをちょうだい!」

「だいたい、男を連れ込むなんて!俺は許さんぞ!」

「もう、うるさくて眠れないよー!」

「デヴィッドを家に入れるな!」

「そんなことイヤよ!どこがイケないの?私たちはもう子供じゃないわ!」

「あいつは身勝手だ、お前を大切にしない。自分の欲望を満たすためなら、だれでもいいんだ!」

「あいつは出入り禁止だ!」

「パパは私たちに嫉妬してるだけじゃない!パパのウソつき!物分かりのいいフリをして、本音は違うのね!」

「デヴィッドはやめとけ、ムカつく」

「あなたは黙ってて!」

「なんで?僕には連れてきた責任が…」

「いいから部屋にもどって!」

「出入り禁止だ、わかったな!」

「わたしはパパのお人形なんかじゃない!言いなりになんかならないわ」

「このヒステリー娘をなんとかしろ!頼む!」

「あなた医者でしょ?興奮してるだけよ」

「娘の肩を持つのか!そもそも甘やかしたのはおまえだろう!」

「じゃーあなたはどうしたいって言うの!落ち着いてよ」

「パパが私たちの仲を引き裂く気よ!」

「あいつは出入り禁止だ!」

「でも学校に行けば会える」

「だったら田舎の学校に転校させてやるまでだ!」

「あなた、もういい加減にして!」

ドタン!!

アンはジェイドの部屋に入りドワを閉めました。

「あいつのせいで口答えするようになった」

ドタン!

ヒューたちも自分の部屋へと入って行きました。

日曜日の朝、何も知らずにデヴィッドはジェイドの家の玄関前まで訪れていました。

「おはようございます」

「やあキース?キース?…」

キースは無言でデヴィッドを横切り家の中へと入って行きました。

「おい…デヴィッド?」

「家には入るな」

「なぜです?」

「しばらく娘には会わんでくれ」

「何?」

「これは、もう決まったことだ」

「そもそもきみに自由を与え過ぎたようだ。ジェイドの成績は下がる一方だし不眠症にもなってる」

「でも僕、ジェイドから何も聞いてません」

「だから今言ってる。学期末までの30日間だ、娘には会うな」

「そんなの無理です」

「きみは何か勘違いしているんじゃないのか?ジェイドは私の娘で、まだ15歳なんだぞ。30日経ったら先のことを考えよう。分かったな…」

「中にいるんでしょ」

「家には入るな」

「話しがあるんだ」

「私の家に近づくんじゃない!」

「イヤです」

「さっさと出て行け!」

「そんなのあんまりだ!会わせてください」

「あなた、バクスターさんに電話して。3回も連絡があったわ…ここは私に任せて…」

「ねえ、デヴィッド」

「ジェイドは?会わせてください…」

アンはデヴィッドの手を握り、庭の角に案内しました。

「私を信じる?」

「はい」

「ヒューを恨まないでほしいの」

「僕らの仲を裂こうとしている」

「それはね、一度冷静になってほしいだけなの。あなたたちは少し夢中になりすぎた」

「それじゃまるで子供扱いだ。もう親の指図をうける歳じゃない!お互い真剣なんだ」

「1ヵ月?期間は?」

「30日」

「たった30日よ。そんなのあっという間じゃない。あなたは卒業試験を受け、ジェイドには期末試験がある。やっだーまるで教育ママみたい。誤解しないで、母親ぶるつもりはないのよ…」

「約束して…お願いだから。でないと、主人が逆上して何をするかわからない。そうなってからだと遅いの…何も変わったりしないから…今でも家族の一員よ」

次回

『エンドレス・ラブ』ストーブ⑥

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『エンドレス・ラブ』コウモリ④

2020-03-27 10:56:07 | DQXエンドレス・ラブ

『DQXエンドレス・ラブ』①

前回

『エンドレス・ラブ』暖炉③

<コウモリ④>

「やあ、父さん」

「こんにちはー」

ある日、デヴィッドのお父さんは、ジェイドとふたり仲良く砂浜で歩いていたところを見ました。

その夜…

「デビッド帰るの?」

「帰ります。明日は朝5時に起きて、ヒューと狩りに行くんだ」

「そうだったわね」

「そうだ、あなたの小説読みましたよ。雑誌に載ってたでしょ、今度ゆっくり感想を」

「今度ね」

「べつに気を使わなくてもいいのよ。明日もヒューに気をつかって行くことにしたんじゃないか?って思ったから」

「キースの話しを聞いて、楽しそうだと思って」

「きっとヒューはごきげんね。だったら、キースともうまくつき合ってほしいの…」

「だってほら、あの子があなたを友達としてあたしたちの前にあらわれた。けど今はそうじゃないでしょ?…」

「…そろそろ帰らないとじゃーまた。おやすみなさい」

デヴィッドはアンの頬にキスをして、その後、帰ってゆきました。

「・・・・」

翌日、ヒューとキースとデヴィッドたちは狩りに出かけました。

「お見事!すごいな、どこで習ったのかな、陸軍?それとも空軍だったっけ?」

「僕の祖父にならった。我が家では代々父親が息子に狩りを教える」

「あの小屋も祖父が建てたけど、親父(おやじ)は放ったらかし。だからいつか僕が建て直す…」

「それはいい考えだ。大工仕事は得意だろ?僕にもぜひ、週末に手伝わせてよ?ジェイドも喜ぶ」

「ここで朝をむかえたいな…もちろん家族全員でね」

「なんだ!妹と寝たからって家族ずらするな!」

キースは不機嫌な顔つきで、デヴィッドと距離をとりました。

あくる日の夜…

「映画のあとって、かき氷がほしくなるわ…あなたも一緒にどう?」

「あーすぐ行くよ」

ヒューは二階のジェイドの部屋にデヴィッドが裸でいたのを見てしまいました。

「!!…」

次にジェイドがあらわれ…

「映画はどうだった?パパ」

「よ!よかったよ…」

「おやすみ」

「おやすみ!」

ジェイドは部屋に入りドワを閉めました。

「まずい!お父さんにバレたよ!」

「べつにどうってことないじゃない。パパは自分で理解があるって言ってるもの、ここはわたしの部屋なんだから文句は言わせないわ」

「つ、強気だな」

「どうするの?窓から飛び降りる?」

「僕、殺されるかもしれない!」

「死ぬときは一緒よ。ね?気にしないで」

そう言われたデヴィッドは、ジェイドの部屋で飛びかかるようにジェイドに抱きつきました。

「どうしたの?真っ青な顔して」

「デヴィッドがいた!ジェイドもだ!二人とも素っ裸でだ!」

「なんだ、もっと大事件かと思ったわ。大騒ぎすることじゃないわ…」

「完全にひらきなおってた!平然とね」

「でも、ウソをつかれるよりいいわ」

「それに、ずうっと前からなのよ。知らなかった?彼ったら私たちが寝るまで隠れていて、明け方になるとそおっと急いで帰るの。かわいいじゃない、まるでコウモリ」

「いったい、どうすればいい」

「あなたの子供たちにこう言ってたじゃないの…”セックスはちっとも悪いことじゃないって”」

「ふたりは愛を自由に表現しているのよ。今は見守ってあげるのが一番。今度ゆっくりと話し合いましょう…」

「部屋に忍び込むなんて!あの子がジェイドにふさわしいとはおもえん!」

「自由に愛し合うことでなにがいけないの」

「あんなガキにくれてやることはない!と、言ってるんだ!」

「ほかに誰かいい青年でもいるの?」

「…どんな?」

「どんな人?お金持ち?」

「くだらない御託(ごたく)をならべるな!ジェイドはまだ15歳なんだぞ!勉強時間も寝る時間も必要だ!」

「ちょっとまって、ジェイドは眠り過ぎだと言っていたのは誰?」

「娘が一人前になるのをあなたは喜んでやることができないの?眠れる美女を起こす王子が現れたって…」

「ふう…」

「誰でも通る道なのよ…」

「それでは歴史の授業を始めます。戦時下における軍の編成について」

「議会は、軍の編成という難題に直面しました」

「ジェイド?ジェイド!ちょっとなにしてるの…」

「!ねむーい…」

次回

『エンドレス・ラブ』禁じ⑤

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『エンドレス・ラブ』暖炉③

2020-03-26 00:05:55 | DQXエンドレス・ラブ

『DQXエンドレス・ラブ』①

前回

「エンドレス・ラブ」ジェイドの家②

<暖炉③>

「私の本はどこ?ジェイド、何してるの?」

「片づけよ」

「そう、でもそんなの明日でいいわよ」

「アン、まだ起きてるのか?そろそろ寝るぞー」

「誰が暖炉を?」

「僕らが…」

「寒かったのよ」

「暖炉の管理は私の仕事だぞ!この家では主人以外、暖炉の火をおこしてはならん!」

「それが我が家の掟だと忘れんでもらいたいねー」

「みんなおやすみ。私はクタクタ、早く寝ましょう」

「未成年はもう帰ったほうがいい」

「もうすぐひきあげます」

「この場合、おいとましますだ!」

「おいとまします」

「あなた、もういいから」

「よし、いいだろう。さっさと帰れよ」

「階段がキツイな…」

「パパのフルート、素敵だったわ」

「おお、ありがとう。練習不足だったけどな」

ジェイドの両親は二階の部屋へといきました。

「ああー疲れちゃった。いいパーティーだったわね」

「ああーほんとに」

「もう遅いから帰るよ」

「そうね、わたしも明日の学校は大変だわ。朝から生物学のテストよ」

「僕もフランス語のテストだ」

「じゃーまた明日ね」

「おやすみ…」

「おやすみ ふーんふーん」

「ラララー ラーラララー」

デヴィッドは帰ったふりをして、ふたたび暖炉のところへもどり、上衣を脱ぎ始めました。

そして、そおっとジェイドを待ちました。

ジェイドの両親の部屋では…

「やれやれ、若いつもりでいてもダメだな。パーティーは疲れる。もうくたくただ…何読んでるんだ?」

「彼に借りたの」

「彼って?」

「デヴィッドよ。このまえ、ゴーゴリについて話してたら、持ってきてくれたの。すごくいい子だわ」

「気にいってるんだろー。あいつのほおに、キスでもしたんだろー。俺はお見通しだぞ…」

「寝てちょうだい」

「ハッハハハ…」

二階の部屋にもどったはずのジェイドは、そおっと階段を下りて、デヴィッドのところへむかいました。

 

ジェイドとデヴィッドは見つめ合い…

そして…ジェイドも服を脱いで…

ふたりは、愛をたしかめ合いました。

ジェイドのお母さんのアンはふと、暖炉が気になりました。

そおっと階段から見た瞬間、驚きました。

「あらまー!」

「ジェイドとデヴィッドが、暖炉のそばで愛し合ってるだっちゃ!」

シー・・・・

シー・・・・だっちゃ

気づかずに、お互いの愛をたしか合っているジェイドとデヴィッド…

アンはふたりの姿を階段のかげからそおっと見ているうちに、思いふけり、ふたりを許してあげようと思いました。

アンはしばらくふたりを眺め…

やがてアンは部屋にもどり…

寝付けぬ夜が過ぎ、朝になっていました。

次回

『エンドレス・ラブ』コウモリ④

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブログトップ

える天まるのブログ