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旧える天まるのブログ
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ヨミガエルガール<ALONE>

2018-10-21 21:06:15 | ヨミガエルガール
初回ヨミガエルガール傘がない

前回
ヨミガエルガール窓











「やっぱりデキてた、五月の連休のときかな」

「今、9月の半ばだろ、4か月は過ぎてる」

「気づいたら堕ろすとか思ってた?」

「そんなこと考えたことないさ、産むんだろ?」

「休学する」
「あてがある、わたしに」

「モデルの面接があるんだろ?」

「このままじゃできない」

「二次面受かったのに、ごめん」

「産んでからもできる」



「あの家?」

「うん」



「子供頃、お父さんの仕事で、ここに住んでて」
「粘土が沢山とれるところだったんだけど、お父さんとお母さんが別れてしまって…」
「その後引っ越して、お父さんがここの家を売ろうとしてたけど」
「ちょうどよかった、まだ売れてなくて」

「ベーコだけで住むのか?」

「近くにシスターもいるし、両親と仲は良くなかったけど、叔母さん叔父さんも近くにいるし」

「僕も休学して、仕事をみつけて一緒に暮らすよ」

「ローファ」



「ハイスクールでいっこ下の彼」

「そのあと、どうしたんですか?」

「うーん…喋りたくないなーあんまし…」





中森明菜 ALONE

ALONE
クリエーター情報なし
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「単位とれた?」

「あーやっと」



「やるじゃん」

「サンキュ」





「その色にこだわるわねぇ」

「また頼むよ」

「まいどありー」



「単位がとれて一安心だ」
「でもまだ、カレッジの単位はある。頼むぞローファ」



「父さん、ジュジュを連れて休暇を過ごしたいんだ」

「それはいい考えだねぇ」

「よかろう、ジュジュと出かけてもいいぞ」

「よかったね、ジュジュちゃん」

「うん」



「カット!」



「おつかれさまでしたー」

「おつかれさまでしたー」



「よかったぞ」

「おつかれさまMJ」



「着替えたら、このあとに打ち上げがあるそうだ」

「わかったわ、着替えたら行く」





「あの塔に登ってみようか?ジュジュ」

「うん」



「ベーコ」



「ローファ」



「ベーコ!」



「ベーコ!会いたかったよ」

「ローファ!」



「ジュジュ!」
「ごめんね」



「MJ、打ち上げが終わったら、宿はわたしが決めるわ」
「ローファに会えたの」

「自由にしたらいい、俺の自由はキミの自由だ」



「ジュジュは寝たの」

「お帰り」
「さっき寝たばかりだ」



「あなたのご両親には頭が上がらない」

「ジュジュをベーコから引き離したのは僕の家族だ、ベーコは何も悪くないよ」

「カレッジまで進んだの?」

「単位がやっと取れた。今度は医者になるための単位だ」

「あの家に帰ってもいい?」

「あーうん、そうだね」








「ローファ」









「はーい いいねー」
「コロモちゃん、今度は着ぐるみに着替えてみるー?」

「はいですー」



「はーい OK」

「おつかれさまですー」

「今日はあとフリーで、撤収」



「あら、おひさしぶり」

「おひさしぶりですー」

「お泊り?」

「はいですー」



次回
ヨミガエルガールハリウッド・スキャンダル



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恋愛合戦

2018-10-17 11:21:05 | 雑記の宿

恋愛合戦
猛暑に冷房
残暑に冷房
10月の休戦
暖房に火をつけ
あなたは敗北




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灯の果て夢の果て<竜宮>

2018-10-14 15:41:20 | 灯の果て夢の果て


<竜宮>

 宮古市へ向かって旅に出たマッチ棒。高速道路を北上していると、左手に衣川城がちらっと見え、その先に前沢パーキングの入り口が見えた。そこで車を止め休憩所へ向かうと、大きな岩手県の地図が飾ってあった。

「盛岡はずいぶんと上だなー」

 地図を見ると盛岡は下から見ると半分より上の位置にあり、ちょうど半分ぐらいの位置に花巻市があった。そして花巻市から東へ通じる釜石線を通ると海岸沿いには釜石市があり、そこから北上しても宮古市に行けることを確認した。

「花巻かー」
「まだ降りたことないな…」

マッチ棒はまだ花巻市を通ったことがないのに気づき、花巻から釜石へ抜けるルートに変更した。

 高速道路から花巻インターで降りたマッチ棒は、市街地から釜石方面と書かれた看板に沿って車を走らせた。昼食にラーメン店に入り、ラーメンを頼んだマッチ棒。いつもながら感じることは岩手のラーメン屋はどこの店でもラーメン屋の質が高い。『普通のラーメン屋でも旨く感じる』宮城では普通のラーメン屋は旨いと思わないのが普通だが、岩手に入ると、どこの店も仙台では行列ができそうな旨さの店が普通に営業している。『さすが麺の国わんこそばの国』と思わせるほど、ラーメンでも岩手と宮城では味の質が違う気がしてならなかった。宮城では『半ライスサービス』の店が流行るが、岩手では半ライスは無用だった。その店の○○ラーメン一品を頼めばそれだけで満足をした。

 1月、花巻市内からは外は雪景色だった。そこから東に釜石線を通ると雪の山々に覆われ、いつ何時、運転するレパードが雪に包まれ動けなくなのか!という不安を過ぎらせながらも海岸に通じる難所を越え、”釜石市”と書いてある看板を通り抜け、海岸沿いの道路までレパードは走った。

「釜石と言えば新日鉄釜石だよな」
「松尾だよな」

 新日鉄釜石ラグビー部が日本選手権7連覇のときの立役者の”松尾雄治”のことを思い出していたマッチ棒。最近は”独占スポーツ情報”でへらへらしているか、ビートたけしと一緒になって悪ふざけしているイメージしかない”松尾雄治”だが、”無敵の新日鉄釜石”時代の顔は鮮烈だった。ラグビーのイメージしかない釜石市を走っていると、”釜石大観音”という案内板があちこちに見えるようになった。海岸線を北上中、右側には太平洋が見え、その手前先には”釜石大観音”の案内板が手招きをしているようにも見え、マッチ棒は吸い込まれるように”釜石大観音”の敷地内に入り観音様を拝むことにした。

 駐車場から大観音があるところまで徒歩通路があり、その通路の脇には土産物店が何軒も立ち並び、そこの店員のおばさんたちが一斉にマッチ棒を歓迎する視線を浴びせてきた。

「いらっしゃいませー」

「どうぞ、お茶」

「あ、ありがとうございます」

「お兄さん、こっちもあるよー」

「え、あ、はい」

「いらっしゃーい」

「お茶、お茶、飲んでってぇー」

「こっちも飲んでってぇー!」

「!!」

 お土産屋の前を素通りする度に浴びせられる「いっらしゃーい」とお茶の嵐。そのおばさんたちの口調は”松尾雄治”がバラエティー番組に出ているときの口調とそっくりで、前のめりになって喋る語り声とパッション。お土産屋のおばさんたちが立ちはだかる大観音への道は、一歩一歩が受難だった。
 行きで寄って買ったお土産のスルメイカと宮古のパブで会った時に渡すつもりで手にしたオシャレな感じのお菓子。そして”釜石大観音”を拝観したあとに、再びお土産屋で買った佃煮と日本酒とその他の数々。いずれにせよ、宮古のバブのママに向けて買った上納品の数々が”釜石大観音”からのお利益に繋がることを信じ、マッチ棒は釜石から宮古へと向かった。

 ”釜石大観音”から出た頃はすでに日は傾き、辺りは薄暗く太平洋の波だけがキラキラと輝いていた。マッチ棒は宮古市に入り、バブがどこにあるのかもわからずに、まず初めは宮古駅を目指した。市内をあちこち巡回していると”宮古駅”の案内板が見え、その道を辿ってレパードを走らせた。

「駅に駐車場があれば、そこで車中泊でもするか」
「駅前で夕食を食べたあと、公衆電話からお店に電話して訊いてみようかな」

 マッチ棒は”宮古駅”がある場所を確認したあと、途中で見かけたフランチャイズのラーメンショップまで走らせ夕食もラーメンにした。

「やっぱ岩手のラーメンは旨いな」
「どさん娘ラーメンも一味違う…」
「県民性かなー?ラーメン作りが上手いの…」
「岩手県人から見れば、旨いマズイもあるんだろうけど、岩手の人は知ってるのかなー基本的にラーメンが旨いの…」
「というか宮城県人がラーメン作りが下手なのか」
「ラーメン食べに山形行ったり福島行ったりするからな」
「地元のラーメンがマズイからか!そっか」

 岩手で宮城県人のラーメン作りは下手だと悟ったマッチ棒。昼、夜とラーメンを食べたあとは、バブでお酒でも飲もうとフランチャイズのラーメンショップの駐車場に止めていたレパードの中で煙草を吸い、時間が過ぎるのを待っていた。煙を外へ出すために窓を開けると、真っ暗になった外の景色から潮風の匂いが漂い、今、海辺の街にいることを実感していた。
 
「8時かー」

 ラーメンショップの駐車場で時間を潰していたマッチ棒。時計は夜8時を過ぎていて、そろそろ一度連絡してみようと宮古駅まで訪ねて行った。レパードを宮古駅の駐車場に止め、公衆電話へと歩いて向かい、大切に持っていた連絡先が書いてあるマッチ箱を手前にし、公衆電話のプッシュダイアルから宮古のバブの電話番号を押した。

「もしもし?」

「はい」

「パブ、うすけぼさんですか?」

「パブは、今はやってないんですよ」
「フィリピン人がみんな盛岡だの、仙台だの行っちゃってさー」

「もうやってないんですか?」

「バーならやってるけど…」

「あ、あのー、失礼ですが池袋の妹さんご存じですか?」

「池袋?あーあたしが姉です」

「すみません、その池袋の妹さんから紹介していただいて」
「今、宮古駅にいるんですが、場所はそこからは遠いですか?」

「駅からなら、タクシーで来るといいよ、そんなに遠くないから」

「住所は○○でよろしいでしょうか?」
「電話も今、手元にあるお店のマッチ箱に書いてあるのを見てて、かけているので…」

「住所も変わってないから、ただ、女の子が入るのが遅いよ、観光ホテルのコンパニオンで今出てるところだから」

「えっと、何時だと開いてますか?」

「あたしだけなら、10時過ぎに来たらいいよ」

「10時ですか、わかりました」

「すみません、お客さんのお名前教えてくれますか?」

「えっと、町野です」

「町野さん、はい、じゃーお待ちしてますから」

「はい」

 マッチ棒は、二時間ほど待つことにして、寒くなった宮古の夜に身体を温める為、再びフランチャイズのラーメンショップまで走らせた。

「いらっしゃい」

「何時まで開いてますか?」

「10時までかな」

「じゃーどさん娘味噌ラーメンください」

そして、今日、三杯目のラーメンを頼んだ。





オートコインなスマッシュ人妻純情: える天まるのブログ連載”灯の果て夢の果て” (灯の果てノベルズ)
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ヨミガエルガール<窓>

2018-10-10 19:47:21 | ヨミガエルガール
前回
ヨミガエルガール東京砂漠



「キレイだっちゃなー」



「ねえ?」

「なんだっちゃ!」



「ここなんて言う島なの?」

「ジュレー島だっちゃ!」

「あーまだジュレー島か」
「よかったら一緒に歩きませんか?」

「悪いがだっちゃ、おいらこれから商売だっちゃ」
「お嬢さんどこから来ただっちゃ?」

「宇宙の月島」「エリアンって言うの」

「おいら、フルニエだっちゃ」
「若い娘が気軽に男に話しかけちゃ、ダメだだっちゃ!」
「悪い男もいるだっちゃ」

「おっちゃんは、やさしいのねー」

「まだ、おっちゃんじゃないだっちゃ!」



「じゃーねーフルニエさーん」

「ここは宇宙じゃないだっちゃ!」



「あれ!」
「どうしたんだろう?動かない」





「どうしたでごわす?」

「ちょっと動かなくなってー」

「どれどれ、あーこれはガス欠でごわす」
「街の知り合いに行けば、すぐにまた動くでごわす」



「街まで送るでごわす」「さあ、乗ってだごわす」

「助かりますー」



「今夜の材料だっちゃ」



「この辺でごわす」

「なにかあるのー?」



「ここでおいどんとディナーでごわす」

「え!」



「そのつもりで、ごわすだろ?」

「いや、やめてぇー!!」

「タコしか見てないでごわす」



「いやー」
「なに言ってるかわかんねぇんだよ!」



「タコさん、助けてー」

「待てで、ごわす」



「なんだっちゃ!」

「!!」

「音量を上げろだっちゃ!」

「タコ!」



「覚えてろでごわす」



「宿はこの辺だっちゃか?」

「うん」
「フルニエさん、ついてきてくれてありがとう」



「今日はイベントでごわす」
「儲けるでごわすよ」

「はい、若旦那さん」



「ここだっちゃか」

「!!」

「え!!」

「あらまー!」



「警察に行かなくちゃ!」

「すぐに捕まえてもらうだっちゃ!」



「それは勘弁してでごわす」
「おいどんがここの宿の若旦那でごわす」

「お部屋はあるの?」

「ちゃんとしたのが無かったら、警察だっちゃ!」



「お部屋はこちらでごわす」

「エリアンさん、何かあったらすぐに警察だっちゃ!」

「お代のほうは、その、サービスするでごわす」





「フルニエさーん!」

「あわわわ!チリーはん!」

「近くまで来てたの?」

「商売できただっちゃ」



「よかったー」
「今夜はイベントでフォーク歌謡ショーがあって」

「おいらは屋台だっちゃ」



「じゃー会場が同じね」
「そこでまた会えるわね」

「屋台でタコのみ焼き、作ってるだっちゃ」

「わー楽しみー」

「楽しみだっちゃ」



「タコのみ焼きだっちゃー」
「おいしいだっちゃー」



「フルニエさん」

「チリーはん」

「タコのみ焼き、ちょうだい」

「あいだっちゃ」



「お待ちどうだっちゃ」

「もう少しでフォーク歌謡ショーが始まるから、観にきて」
「フルニエさん」



「あいだっちゃ」
「いくだっちゃ」





中森明菜 窓

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フレンズ・センリン&ヒヨリ



ふたつの十字架







「旅にでるだっちゃ」

「ちょっとまって、フルニエさん」



「達者でだっちゃ」

「フルニエさん」



「フルニエさーん!!」



「フルニエさーん!」

「なんだっちゃ!」



「フルニエさーん」
「わたし結婚するのー」

「あらまー」



「わたし結婚するのー」
「それでフルニエさん、仲人してちょうだい」

「えー」

「なこうどってなんだっちゃ?」

「仲人お願いできるよね、ね?」
「あーおふたりでーね?」

「え、えー!!」

「なこうどってなんだっちゃ?」









「え!子供がいたんですか!」

「ええ」

「つまり、お母さんってことですか?」



「内緒にしておくほどでもなかったのだけれど」
「デビューが早かったから、あの娘」

「そ、そうですかー」



次回
ヨミガエルガールALONE


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灯の果て夢の果て<年明け>

2018-10-08 06:49:22 | 灯の果て夢の果て


 <年明け>

 東京出張に出かけ、東京で仕事を辞めて帰って来たマッチ棒。正月休みから無職になって実家に帰宅するとは両親は知らず、笑顔で迎えられた。

「おかえり、どうだった?」

「あーよかったよ」

「こっちもよかったよ、あんたが居なくて」

 毎月送られていた仕送りと息子の世話をしなくてもよい気軽さは、今までどこか重たい空気が家庭内にはあった。マッチ棒が居ない間、軽い空気の家庭で両親たちは過ごしていたように思えた。

 マッチ棒が子供の頃から見ていた夫婦喧嘩。マッチ棒が成人し、数か月起きに勃発する親子喧嘩。そして、息子が東京にいる間に平和な暮らしをとりもどした両親たち。
 しかし、無職になって帰って来たマッチ棒の脳裏には、また、父親とは子供の頃にテレビでよく見た”寺内貫太郎一家”の西城秀樹と小林亜星の取っ組み合いの喧嘩が再び起きるのではないか?という不安が父親が正月番組を見ている横顔から想像してやまなかった。

「正月休みはいつまでなんだ?」

「あー…」

しばらく無言になったあとに「しばらく休みだね…」と、マッチ棒は会社を辞めたことを遠回しに伝え、二階の部屋へと逃れて行った。

 部屋に入り、コタツの中で今後どうするか?を考えていたマッチ棒。仕事を辞める度に父親からは『休むときはしっかり休め』と言われ続けていたが、いつも慌てて再就職を決めていて、そして疲労心労を積み重ねては、退職を繰り返したことに身に染みたマッチ棒は『親に合わせる顔がない』とまで、今更ながら後悔をした。
 東京に出かける前に車を親に譲ったマッチ棒は、大型車のレパードに乗り換えたあとに東京に旅立った。帰宅後、まず買わなければいけなかったのが”スタッドレスタイヤ”だった。正月3日が過ぎた頃に自動車関係の初売りが始まり、マッチ棒は個人で営んでいる暇そうなタイヤショップに”スタッドレスタイヤ”を求めた。

「中古のスタッドレスタイヤありますか?」

「中古?」

「この車に履かせるんで、次の車検で買い換えるつもりなので、中古品があれば丁度いいかなーと」

つなぎ服姿のタイヤショップのおやじは、マッチ棒のレパードの足回りをしばらくみていた。

「その大きさのならあるな」

「メーカーは何ですか?」

「ミシュラン」

「ミシュラン?」

「ミシュランは性能がいいよ、あとは新品になるがどうします?」

「あ、じゃー、そのミシュランので」

 レパードにミシュランのスタッドレスタイヤを履かせ、雪が降ってもこれで安心だと思うと無性にどこか遠くへ出かけたくなった。部屋の戻り、東京の事を思い出していたマッチ棒は、池袋のファッションヘルスのママから告げられた宮古市にあるパブのことが気になった。
 地図をひろげると、盛岡から東に向かい太平洋側に宮古市があることに気づき、まずは盛岡に行くことから考えた。

「盛岡だと、雫石か安比高原でスキーができるな」

マッチ棒はスキーのプランも考えつつ、宮古市に行く支度を始めた。
 
「会社はいつからなの?」

旅支度をしていて、正月が過ぎも会社に行く様子のないことに母親が心配しだした。

「出稼ぎ期間が終わったから、しばらくは休みだから…」
 
「毎月のお金はどうするの?」

 東京にいる間、毎月仕送りをしていたお金のことを訊かれ、銀行から二か月分の仕送り代を降ろすと母親に手渡した。「ちょっとスキーに行って泊まってくるから」と言い残し、翌日、支度を終えてレパードで宮古市へ旅立った。





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