JUON NETWORK イベント報告

各地で行っているイベント・ボランティア活動を
紹介いたします。

熊野の棚田 田畑の楽校2011秋

2011-12-14 | 熊野の棚田 田畑の楽校
11月25日(金)~27日(日)に
和歌山県那智勝浦町で行われた
「熊野の棚田 田畑の楽校2011秋」の報告です。

参加者は5名。
今回は、色川の取り組みを視察・農作業体験
地元の方との交流などを行いました。

また、「棚田を守ろう会」の
しめ縄づくり体験に合わせて開催しました。



参加者・地元の方と記念撮影


和歌山県那智勝浦町色川地区は、
世界遺産でもある日本一落差の長い滝「那智の滝」の
西側に位置する自然に恵まれた集落です。

かつては3000人あった色川の人口は、現在420人。
しかし、30年前から有機農業をめざす若い家族が
ポツリポツリと色川に住み始め、
今や人口の約3分の1が新規定住者という全国でもめずらしい地域です。


1日目は、ワラ切りと溝の泥とりを行いました。






夜は、地元の方を交えての交流会
充実した交流を行うことができました。



2日目は、1日目に切ったワラを棚田にまきました。





3日目は、地元の方としめ縄・わら草履づくりを体験しました。






※事務局日記の
熊野の棚田 田畑の楽校(11/25~27)」にも写真・報告を掲載しています。
 また、他の参加者の声を「田畑の楽校日記」にも載せています。



参加者の声

紀州色川を訪ねて

紀伊勝浦駅で列車を降りると目に飛び込んできたのは、
咲き誇るブーゲンビリアにハイビスカス。

天気は上々、空は真っ青、太陽燦々。あれっ今の季節は
晩秋、あと数日で師走では?さすがは、南国紀州(?)…
と思いながら駅を出て、色川へ向かう町営バス乗り場を
探します。

停留所にはバスを待つ地元のおばあさんが一人。
ベンチの隣に座ると気さくに声をかけて下さいました。
おばあさんも同じバスに乗って村に帰られるとのこと。

「暖かいですね」
「あんたは今からどこに行くの?」
「色川です」
「あっちは寒いよ」

考えてみれば、ここから山の方に1時間も行くのですから、
温度差はあるのでしょう。おばあさんは、
「私は、どこどこまで」とおっしゃいましたが、
その時は聞き取ることができませんでした。

大きな薄荷飴を下さいました。3日間の滞在中、
宿泊していた集落、籠から棚田のある小阪までの
幾度かの往復や、最初に色川の概要をご案内いただき、
おばあさんが降りられたのは大野という集落だった
ことがわかりました。

和歌山県の南部に色川という集落があり、
新規移住者が多く有機農業が盛んな所だということを、
この8月に初めて知り、訪れてみたいと思いました。
9月に訪問を考えていた矢先、台風で勝浦地方が
大変な被害を受けました。

その同じ月に体験訪問の受け入れがあるとは
思いもよらず、稲刈りと、復旧ボランティアに
参加できなかったのは残念でしたが、それでも
思っていたよりも早く、色川を訪れる機会に
巡りあえ幸せでした。

今回の訪問で一番印象に残ったのは棚田での
作業です。村に向かう道すがら、台風から2カ月以上
たった今も個人のお宅の内部を修理されていたり、
被害にあった建物や家財道具が整然と分別され回収を
待っている復旧途中の光景を目にしました。

それでも、9月には棚田で今年のお米を収穫され、
今回は私たちはその稲藁を棚田に返す作業を体験する
ことができました。いつも自然や農業へのあこがれが
あり、農業に関わっていたいという気持ちから、
援農等に参加し、肉体労働にも慣れているつもり
でしたが、棚田での作業は今回が初めて。
その大変さを身を持って感じました。

と同時に、
急な斜面に地道に石を積み重ね、小さな田んぼを
たくさん、たくさん作ってくらしを立てていた、
この土地の先人の偉大さ、そしてそれを誇りとし、
耕作放棄されていた棚田の復元に7年前から取り組み、
忙しい日々の合間に時間を作ってお世話されている
現在の村の住人、棚田を守ろう会の皆さんに尊敬の
念を覚えました。

普通の作業でも田んぼを機械なしに進めるのは多大な
時間と労力を要します。しかし、普通の田んぼで機械
を使わないのは、強制されてのこととは限りません。
機械も使えるけれど、手でやろうと言う選択でもあります。

しかし、棚田では物理的に機械作業ができないことが多く、
また登り降りの苦労もあります。100枚以上の田を管理
するには本当に多くの労力を要することでしょう。

今後も守り続ける為には、やはりたくさんの人が関わる
ことが必要、会長さんから今後の課題も少しうかがいました。
私達が作業させていただいた日は、守ろう会の方々総出での、
石垣の草刈り、稲藁撒きで、棚田でたくさんの人が働いて
いる光景は「村が生きている」感じを与えました。

守ろう会の活動継続には課題も多いでしょうが、
こんな素晴らしい活動を継続するための良い方法が
みつかればと思います。今後も可能な時は作業に
参加したいですし、是非とも棚田に水のある
風景を見てみたいです。

最終日に地元の方から注連縄作りを教わりました。
縄1本満足に綯えない自分にひきかえ、83歳になると
おっしゃりながら限りなく身のこなしが軽やかで指先が
器用、丁寧に美しい注連縄を作り上げていく師匠に、
ひたすら見惚れていました。その日のお昼は、守ろう会の
方々の美味しい手料理を棚田を眺めながら戴いて至福の
ひとときでした。
 
3日間生活を共にした、他の3人の参加者の皆さんや
お世話いただいたスタッフの方との時間もとても楽しく、
充実したものでした。心より感謝申し上げます。
また是非お目にかかりたいです。

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