先日のインファントクラスでのこと。
この日は、2歳の男の子が二人、お母さまたちは廊下で見ています。
最近、二人とも果物や野菜が入っているかごを持ってきます。
精巧にできていますが、本物とは違うことはわかっている様子で、
名前がわかるものは言葉に出して言っています。
「これは、りんご」「バナナ」…と言語のお仕事をします。
知らない食べ物もありますし、そういうときは、あまりピンと来ない様子です。
この日は、一人の男の子が、この野菜や果物を投げようとしました。
瞬時に止めましたが、何度も投げようとします。
最終的には、投げずに、片づけることができました。
でも、やっぱり、本物じゃないからかなぁ…
「おうちで本物を触らせてあげてください」とお願いしていますが、
なかなか機会がないとのこと。
それなら…と、うちにあるものを急遽、用意することにしました。
かごに、りんご、レモン、ブロッコリー、たまねぎ、にんじんを入れて、
お部屋に持っていきました。
それを見たとたん、子どもたちの目が真ん丸になり、キラキラとしていました
投げようとしていた子は、大きなブロッコリーの株をおそるおそる触ったり、
りんごやレモンの香りをかいだり、そっと触ったりしていました。
投げようとはしませんでした。
横から見ていたもう一人の子は、りんごを私の手から取ると、廊下に走っていきました。
どこに行くかのかと思ったら、洗面所。
「洗うの?」
「うん」
「食べるの?」
「うん」
おやつ食べた後だけど、食べさせても大丈夫かな?とお昼を心配したのですが、
お母さまたちのOKが得られたので、またまた急遽用意しました。
↓当日の写真は撮れなかったので、雰囲気だけでも…
研修で教えていただいてから、いつか使いたいと思っていたりんごカッター。
初登場です。
こどもの道具やさんで購入しました。
丸いりんごを包丁で切るところも見せました。
二人とも横に座って、真剣に見ていて、
切れた瞬間、「わぁ!!!」と喜びの声が。
りんごの甘い香りが漂います。
初めてなので、一緒にりんごカッターを使ってみました。
薄く輪切りにしたりんごをまな板において、リンゴカッターを当てて、
上からサクっと押すと、あっという間に8等分に切れます。
息子モデルですが、こんな感じです。
息子は、りんごの皮むきに挑戦。くし切りにしたものより、むきやすいみたいです。
りんごを食べた二人のお子さんは、おなかもいっぱい。
満足した様子でした。
やっぱり、本物は違いますよね。
大きさもですけど、触ったら冷たいし、重いし、香りもするし、
食べれるし、五感フル活動ですね!!
モンテッソーリ教育の5分野で言うなら、
「日常生活の練習」でもあり、
「言語教育」でもあるのです。
この体験をしたお子さんたちは、
「りんご」という言葉を聞いたら、りんごのおもちゃや切ったりんごだけでなく、
りんごを持った感触、りんごの匂い、切ったときの香り、感覚…
いろんなことをイメージできるでしょう。
お母さまたちも、お子さんたちの様子を見て、
「本物を…」と言っていることに納得していただけたのではないでしょうか。
早速、りんごカッター注文されていました
他の食べ物でも同じですよね。
これこそ、家庭でしかできないことだと思います。
毎日、食事はするのですから。
今日のご飯の材料は…から始まって、材料を洗ったり、
皮をむくのをやってもらったり、混ぜたり、切ることも用意次第でできます。
子どもに教えたいけど、どうやったらいいのか分からないという方は、
こちらを参考にしてみてください。
坂本廣子の台所育児―一歳から包丁を
子どもがつくるほんものごはん―生きる力がつく「食育」レシピ
「一緒に料理してみて全然知らないことに気づきました」の記事でも書いていますが、
物の名前が一致していないお子さんは、幼稚園のお子さんでも結構いらっしゃいます。
「うちの子は、知っていると思ってた」という方がほとんどです。
特に、野菜の名前は、料理されているものはわかるけど、
本物は見たことないから分からないのですね。
最近、他のお母様からもメールいただきました。
「メールありがとうございました。
あれから早速、じゃがいも・さつまいもを見せて教えました。
発音して言葉を伝えるように気をつけるようになりました。
そうしてみると、今までホントにしっかり教えるということをしてなかったな…と感じました。
そして、言葉を教えるのって楽しいなと感じました。新しい発見です
先生の言われたように、一緒にいる時間が長い今の時期に色々教えたり、
一緒に体験させてあげれたらなと思ます。
春になったらベランダ菜園をやりたいなと思いました。」
言葉を話したい時期に突入されたお子さん。
たくさん、お話ししてあげてくださいね。
ベランダ菜園も、いいですね♪
自分が植えて育てて、それを調理して、食べる。
食べることは基本ですから。
先日も研修がありましたが、
「便利になりすぎて、人間、退化してしまいますね…」と話していたら、
先生が「子どもは、退化どころか、進化しないですよ」と。
気をつけておかないと、子どもは最初からこの便利な環境にいるので、
自分の力を使わないで過ごせてしまいます。
動かずして、何でも知ることができてしまいます。
自分で環境を選べない小さい頃だからこそ、
大人は意識して、たくさん動ける環境を用意してあげたいものです。
余談ですが…
息子が小さい頃に一緒に見た映画です。
ウォーリー [DVD]
息子は、ロボットのウォーリーとイヴが好きだったようですが、
私は、このまま便利な環境を追求していったら…と考えさせられた映画です。
機会があったら、ご覧ください。
ぜひ、こちらもお読みください。
モンテッソーリ教育を初めて知る方へ
マリア・モンテッソーリ
モンテッソーリに関する書籍
モンテッソーリ子どもの家アイアイ クラスのご案内