6月16日(金)、JA雲南地区本部が開催している菜園講座で鳥獣対策研修会を行いました。
今回のテーマは「鳥獣対策を栽培技術の一環とする」です。
病害虫対策と同じように鳥獣被害対策を栽培計画に組み込み、これから野菜作りを始める農家の皆様に対策技術を身につけてもらうために、
JAの営農指導員と連携して今回の研修会を開催することにしました。
はじめに、JAの営農指導員から「鳥獣被害は収穫直前に発生するため、本当に心が折れる。そのときに農家の話を聞き、我々が心の添え木になっていかなければならない」という話がありました。
また、被害が発生した農家と話をする中で、動物の被害対策技術をまず私たちが身につけ、農家に具体的な対策を提案して対策技術の普及に努めていくことがとても大切だと思います。
研修会では、菜園講座の受講生25名と一緒に、タヌキ・アナグマ対策の被害防止柵を設置しました。特にアナグマに関しては農家には認知度が低く、被害はそこまで出してないと思われがちですが、
実はアナグマによる被害は認識されていないだけで、被害は結構発生しています。
アナグマやタヌキなどの被害対策は電気柵を使用する場合、地面から10cmの高さで設置しなければアナグマ・タヌキの鼻に電線が当たらず効果がありません。
しかし、地面からの高さを10cm間隔で設置すると、すぐ草が生えてきて、電線に当たり漏電してしまうため、草刈りの労力が増えてしまいます。
そこで今回試すのは埼玉県農業技術センターが開発した防止柵、通称「楽落くん」。
「楽落くん」はトリカルネットと電気柵を組み合わせた防止柵で、詳しくは埼玉県農業技術センターが設置マニュアルを公開しています。
被害防止柵「楽落くん」
研修では、受講生の皆さんと一緒に「楽落くん」を設置したほか、カラス対策として「極細黒テグス」も見ていただきました。
皆さん熱心に取り組んでいただき、また質問もたくさんあったので、充実した研修会になりました。
受講生の方から、「今年はトウモロコシ被害が出てしまい、来年はトウモロコシを作るのをやめようかと思っていた。今回の研修で動物の被害対策の話が聞けるとは思わなかった」という話もあり、今回被害対策の研修会を開催して良かったです。
来年もう一度トウモロコシを作っていただき、収穫できるように今回の研修を生かしていただけたらと思います。
設置の様子