私も、今勤めている会社に中途入社したときは、
「契約社員」でした。
契約内容は、3ヶ月更新というものでした。
2年近くの契約社員を経て、正社員になりました。
雇用体系は、契約社員(パートタイマーに近いような)
でよいという人もいるでしょう。
毎日新聞の記事を読みましたら、非正規労働者
1,962万人いるそうですが、不本意就労は、
331万人ということですので、83.2%の人
は、「非正規雇用」を自らの生活スタイルに合わせて
選んでいるということも読み取れます。
「不本意就労331万人」
これが、記事では、多いような表現で書かれて
いますが、私は「思っていたよりも、とても
少ない」と感じました。
大半、または半数以上の非正規労働者は、正社員
を希望しているものだと思っていました。
・・・
「働き盛りの25~44歳の男性非正規では不本意層
が4割を占める」
これは、大きな問題だと思います。
・都合の良い時間で働きたい
・家計や教育の補助 など
という、考え方で非正規雇用を選んでいる人とは違い、
「生活の基盤」「家庭の柱」として、稼がないといけ
ない人が、正社員になれずにいるということですね。
・・・
「正社員」
正規雇用と非正規雇用を対比して議論されますが、
今の社会では、果たして
「これが、この待遇で『正社員』なの?」
「正社員と呼べるの?」
「正社員と非正規との違いは?」
という会社も多くあります。
正社員と非正規(契約社員、パート、アルバイト)と
の区別がつかなくなってきています。
どういうことか。
私が今まで見てきた社会、私が今勤める会社、私が住ん
でいる街、そして働いていて目にするところからでさえ、
「これで正社員???」
と思うことを、たくさん見聞きしています。
確かに、正社員であれば、すぐには即契約打ち切りや
一方的な解雇は出来ません。
配属していた業務が無くなっても、社内のどこかに
配置変えして雇用継続しなければいけません。
しかし、契約社員であっても、働いている職場の仕事
が続いている限りは、継続して雇用している場合、
正当な理由が無いと、「はい、もうお終い」とは言え
ません。
それが「正規(正社員):安定雇用」と「非正規:不安定雇用」
との違いだということは誰しも知っていますよね。
・・・
しかし、
私が、どこが「正規?」「非正規?」
「正社員?」「契約社員?」「パート?」「アルバイト?」
と区別がつかないと思う点は、
まず①としては
「(実態は)賞与が無い」「退職金制度が無い」という会社
での正社員です。
これって、「正社員なの?」と思いませんか?
私は、正社員は「賞与があるので、非正規との所得差
があり、優遇されている」という格差があるのが1つ
の違いだと考えています。
そして、長年勤めた年数によって、退職金が支給される
というのも正社員のメリットだと考えています。
それが、賞与に関して言えば「もう10年近く賞与なんて
出ていない」という会社も多くあります。
退職金制度が無いという会社もあります。
いわゆる中小零細企業には多いですが、最近では、大手企業
(上場企業)でも退職金無しという会社もあります。
これって「正社員なの?」「呼称だけで、どこが正社員
なのか」と思いますね。
そして②としては、
「日給月給制」を採用している会社での正社員。
1日いくらで計算して月でいくら、という正社員です。
もちろん、労働基準監督署に届け出ている所定労働時間
を満たすように、また月単位でも、祝日が多い月(祝日
は休みと就業規則で決めている会社)では、その月も
収入に変動が無いように、出金日数を多くして(土曜日
出勤を増やすなど)調整は、会社側もしていますが、
「月給制」とは謳わず「日給月給」としています。
会社側に何かしらのメリットがあるからこそ、
「日給月給制」を取り入れているのでしょうけど、
少しでも多く出勤させて働かせようという意図が見え隠
れしていますよね。
例えば、土日祝休みとしていると、5月などは出勤日
が非常に少ないですよね。
そして「月給制」にしていると、労働者が働いた日数が
少ないにも関わらず、他の月と同額の給料(固定給部分)
を払わないといけません。
なので、定休日は日曜日と祝日にしておき、土曜日で
調整できるようにして、祝日が多い月には、土曜日出勤
が多くなる(祝日の無い月は土曜日出勤は2回なのに、
祝日が多い月は、3回、あるいは4回全てなど)に
しています。
また、日給月給でも、日給の計算を時給まで掘り下げて
計算しています。
ようは、「あなたは1日、7・5時間出勤で1万1250円」
と日給を決めている根拠は、この社員は時給で1,500円
あげようと決めているところから日給が計算されている
ということです。
ですので、実態は、
「時給日給月給制」ということですね。
そう考えると、「どこが正社員なの?」「アルバイトと
同じじゃないか!?」という声も聞きます。
②は、私が勤めている会社も当てはまります。
ですので、事務系社員も、現場作業員も、運転手も
給与確定通知書を1年に1回、ちょうど今の時期に受け取る
のですが、時給単価まで書いていますので、
「時給だったら○○○○円。俺らは、アルバイトかい」
という人も少なくありません。
そして③としては、
「交通費の支給が無い」「支給があっても全額ではない」
という会社。
ようは福利厚生が悪く、何ら非正規雇用と
雇用条件で変わりがない会社の正社員のことです。
これは、下請の会社さんの正社員に多いです。
中小零細企業の中でも、従業員数が十数名、50名以下の
小規模零細の会社によく見受けられます。
「交通費くらい出せよ」と思いますね。
私の勤める会社では、私は勤務先まで車で15分程度です
が1万円以上の交通費が出ています。
この点は、良い会社だと思っています。
そして、いくら住まいと勤め先が離れていても「上限1万円」
「上限5千円」という小規模零細企業も多いです。
実際に、隣街から通っている下請さんの会社の正社員と話して
いますと「交通費は無い」と聞きました。
・・・
=民間企業の現代の仕組み=
大手企業→1次下請(まだ賞与も出る)→2次下請(賞与無し)
→3次下請(もっと待遇が悪い)・・・
ですので「正社員」「正規雇用」というフレーズは
よく耳にしますし、社会問題として取り上げられますが、
「何が正社員なの?」
と思うわけです。
クビ(解雇)にされるのが遅いか早いかくらいの差しか
無い、たったそれだけが「正社員」の定義なのかと思って
しまいますね。
そして④としては、
「正社員も契約社員も給料(体系)が同じ」という会社。
「契約社員のときのほうが、正社員2年目、3年目より
も賃金が割高で、正社員のほうが低い」
これは、私の勤める会社がそうです。
ですので「賃金が低い正社員を2年、3年と続けない
と、契約社員のときよりも給料が低いまま」「契約社員
のほうが気楽でよい。正社員にはならない」
という社員もいます。
長い目で見ると、昇給や賞与で大きく差が出てくるのですが
「目先の給料の高さ」「毎月の給料の金額」だけで判断
すると、正社員になったら「給料が下がる」ということで
正社員にならない人も結構います。
ホント「目先の給料額」だけを追っている、生活は日々
困窮なので正社員となって低い給料では2年も耐えれない
ということのようです。
貯金(貯蓄)など何も無いようです。
・・・
そこで、「正社員」「契約社員」「雇用不安定」
という議論や記事を見て感じるのは、
「正社員」「正規雇用」の議題の中心は、労働組合もあり、
労働基準法、労働協約、就業規則、労働契約が揃っている
「大手企業」の『正社員』のみを、正社員として定義づけ
して、それを「正社員」という表現をしている、中小零細
企業の正社員が世の中大半であるのに、それら全てをひっ
くるめて、大手企業で正社員と非正規雇用との差が歴然と
している会社と同列に扱い「正社員」と呼称していること
自体に違和感を感じました。
「待遇の悪い中小零細企業の正社員は、
果たして『正社員』『正規雇用』と呼べるのか」
「『正社員』と一言で、一括りにして報道されるが、大手
企業(旧財閥系や製造業・化学メーカー等)の正社員と
中小零細企業の正社員とでは明らかに賃金も待遇も違う」
「大手安定企業で働く契約社員のほうが、数名、十数名、
数十名の中小零細企業の正社員よりも、年間所得も大手
契約社員のほうが多い」
そういう、実態も含めて「正社員・正規雇用」と「非正規
雇用」を表現すべきだと強く感じますね。
結論から言いますと、
「大手安定企業の正社員は、まさに『正社員』であり、
非正規雇用の者と比較すると、所得に大きな格差が生まれて
いる」と言えます。
「しかし、経営に四苦八苦している中小零細企業の正社員は、
不安定さ、賃金の低さ、労働条件の悪さ、どれを取っても、
契約社員等の非正規雇用と何ら変わらない」
というのが、今の現実の社会だと思います。
今の世の中、もう「正社員」という1つの雇用体系で、一括り
にして非正規雇用と対比して議論するなど出来ないのではない
でしょうか。
もっと、奥が深い問題ですよね。
・・・
そして、
「正社員として採用されない」
「正社員の求人募集で希望に合った求人が無い」
と、よく言いますが、
「大手企業で、収入も安定していて、成果・ノルマに日々
追われず、雇用条件も良い正社員の募集(営業職以外で)」
などは新卒採用か、若い年齢層20代から30代前半まで
しかあるわけないですね。
そのような優良企業に、35歳を超え、また40歳を超えて
中途採用で入れた人というのは、相当な努力をしています。
経営が不安定で、賞与も退職金も、月々の交通費でさえも
支給が無く、給料も低賃金という「正社員」の募集は
たくさんあります。
そういう会社は、「正社員」の求人募集をしていても
求職者からは見向きもされず、また入社があったとしても、
すぐに辞められて、いつも人手不足。
こういう会社の「正社員」の募集は、正社員として、
求職者の求める求人像のカウント(正社員の求人が増えた)
には入っていないでしょう。
求職者にとっては、正社員の求人募集が無いのと同じ
ということですね。
また、大手企業でも「飛込・訪問の『営業職』」や土日
祝日は休みがないサービス業界の営業職なら、人手不足
で即正社員の募集がたくさんあります。
生保、自動車販売、不動産販売、その他自社取扱商品
を売り込んで販売する「営業」の仕事全般ですが、
大手企業であっても、いつも正社員の求人募集をしています。
日々、接客と営業成績・ノルマに追われて、成績未達なら
上司から怒鳴られて、会社の偉いさんからは喝を入れられ
るような、最前線の営業職なら「経験不問・学歴不問」で
いくらでも正社員の求人募集があります。
しかし、そういう求人募集には応募せずに、「正社員の
募集が無い」
ようは、『勤めやすい会社』『成績に追われ続けるような
仕事ではない職業の正社員の募集が無い』ということが
本音の「正社員の募集が無い」という言葉ばかりが、正規
雇用・非正規雇用、正社員になれないという表現に繋がって
いるだけだと思いますね。
・・・
人は、誰しも「落ち着いた職場環境」「雰囲気の良い職場」
「ノルマに追われない仕事」「安定した会社」「長く勤め
ることが出来る仕事」を希望しています。
今の世の中、世知辛い、そして激しい競争社会ですから
尚更です。
みんな、より安定した職場や会社、落ち着いて働ける場所、
明るい雰囲気の職場等、色々と欲しいなという条件を付け
て、求め続けています。
・・・
家電量販店で、スマホで価格.comの最安値の価格を店員
に見せて、「最低、この金額まで下げてくれないと買わない」
という人も多くいる世の中です。
店員の人件費、店舗運営の賃料や電気代、そんなものは
関係なしです。度外視。
田舎の倉庫に製品を保管していて、ネット注文が入ると、
そこから直送している格安ネット販売店と見比べて
「おたくは、高いね」「ネットで買うよ」
「現物は、家電量販店で触ってみて、購入はネット」
というのが今の現実の社会です。
「全く同じ物」
それは、出来るだけ安く、そして、一番良いのは、今
持って帰ることが出来るですので、ネット価格を見せて
「最安値まで値下げさせて(これは当たり前)」かつ
「今日、製品を持って帰る(これが購入者のメリット)」
というシビアな時代。
そのような社会の中で、求人募集が圧倒的に多い、
営業職や接客業を避けたい、「思う(希望する)ような
正社員」になりたいのであれば、技能習得や実務経験の積
み重ね等、人一倍、人十倍の努力をしないと「当たり前」
のような生活でさえ送ることは難しい世の中ですので、
努力するほかありませんね。
ですので、世の中「『正社員の募集』はたくさんあります」
特に販売実績、成果、成績等のノルマのある営業職は大手でも
中小零細でもたくさん求人募集を出しています。
正社員になれないのではなく、あれこれ今自分が持っている
能力以上の条件をつけて、ノルマの無い、安定した職場や会社、
給料もある程度よい条件で正社員になりたいと思い、そのような
会社のみに絞って応募するから、正社員になれないのです。
・・・
地元でもたまに見かけます。
「現場作業員 正社員募集」
そして募集したのは大手製造業。
そうなると、数百名の応募者が殺到します。採用人数は若干名。
現場作業員でも、大手企業となると、大人気です。
「高所(工場の煙突)から、定修工事の際には
中に入って、煤落とし等の作業もあります」
と書いていても、か弱そうな大卒の若い女性でさえ、一次選考の
筆記試験を受けていたと、友人から聞きました。
高卒でも20年間作業員として勤めて年収は650万円。
地元では、みんな知っている大手企業です。
「安定企業で正社員」
これがみんなの本音で、またみんなが求めている場所なん
ですよね。
あれこれ条件を付けるのであれば、そのために自分自身も
努力しなければ、そんなオイシイ正社員の道は手に入り
ません。努力しなくても簡単に入れる優良企業があるなら、
私も入りたいものです。
ただ「正社員」になりたい、ということだけが目的・目標
なら、営業ノルマがありますが、営業職ならいくらでも求人
募集がある、売ってなんぼ(成果を出して給料をもらう)の
世界では、いくらでも「正社員」の募集はある、というのも
現実ですね。
結局のところは、雇用の安定と不安定は、
「権利(望むような好条件の正社員の募集・採用)」を主張
するのではれば「義務(自らの努力で技を身につけ、経験を
積んで『売り込める人財になる)」のように、権利と義務の
関係と同じことのように感じます。
これからの世の中、高度経済成長期のような昔の時代などは、
二度と訪れません。会社側が求める人材も、より高度で
マルチな人材を求めています。
「無口だけど、真面目にコツコツ働いていたら、貯蓄も
貯まり、住まい・持ち家も購入でき、ゆとりのある老後が過
ごせる」という時代は、今60歳を超えている世代で終わり
ました。
今後、ますます「安定した雇用を手に入れる」ためには、相当
大変で、どんどん厳しくなっていくのは間違いありません。
例えば、ただの事務職でさえ、経理事務員なら日商簿記1級や
税理士資格を持っていて、そして実務経験も積んでいて当たり
前、勤怠業務担当者なら、社会保険労務士の資格を持って
業務をしているのが当たり前、それで総支給額22万円~
23万円という時代が来るのも、そう遠くはないことと
感じています。
大昔は、学校の先生というと「大学を出ている」という人
が少なく、「この辺りの地域には先生くらいしかいなかった」
「生徒の親の中で大学を出ている人などほとんどいなかった」
わけですが、今は先生よりも難易度の高い大学を出ている
親が大勢いる。大学を出ている親の比率も50%以上。
どう考えても、親も知恵をつけていますので、やりづらく
なりますよね。
そういう時代です。ですので、
自分には「コレ(この武器)がある」というものを持って
いなければ、間違いなく、営業職や接客業の「未経験でもOK」
と門戸の広い募集がある仕事しか道はありません。
それが向いている人は、どんどん稼いで、幸せを掴んでいく
ことでしょう。
「話し好き」「ノルマがあるほうが気合いが入る人」
「話法、コミュニケーション力に長けている人」
これが得意でない人が「技を持たず」「手に職を持っていない」
状態で、職業を転々としていると、そのうち、営業職や
接客業の仕事さえ採用されなくなってしまいます。
厳しい世の中ですが、やはり、出来る限りの努力が必要
ということですね。
<非正規社員>不本意就労331万人
毎日新聞 4月5日(日)9時30分配信
有効求人倍率(1.09倍)がバブル期以来の高水準に回復し、完全失業率も4年連続減少している。安倍政権は雇用の改善を強調し、アベノミクス効果を高らかにうたう。しかし、希望する正規の職がなく、やむなく非正規雇用を選ばざるを得なかった労働者は国内で300万人以上に上る。政権の後ろ盾となっているデータ通り、果たして就労環境は改善されているのだろうか。非正規社員の職場を歩くと、悲鳴の声が上がっていた。
「正社員にする」。企業や学校の送迎運転を請け負う会社で契約社員として働く福岡県内の30代の男性は昨年、上司からそう言われた。2歳上の交際相手との結婚に踏み切るきっかけになった。しかし、その後「約束した」上司は異動。正社員の話は宙に浮いたままだ。
かつては運送会社に正社員で勤めたが、過労で倒れるなどして退職。その後、契約社員で勤めた別の会社ではガソリン高騰が経営を直撃して契約を打ち切られた。今の仕事は体を壊さずに運転手経験も生かせると選んだ。だが企業や学校の休みが多い月には出勤日が減るため収入は不安定だ。月20万円を割り込まないよう、手当がつく遅番を意識的に増やしている。
近く結婚式を控える男性は「子供ができてもやっていけるのだろうか。年金とか後々を考えると正社員がいいよなと思う」と語った。
総務省の労働力調査によると、2014年の非正規労働者は1962万人で5年連続の増加となった。10年前の04年に比べると400万人も増えている。一方、正規労働者は3278万人で7年連続の減少。04年に比べると130万人少なくなった。
14年の非正規労働者約1962万人の働き方を選んだ理由は「都合良い時間に働ける」(25.2%)▽「家計の補助・学費を得たい」(21.4%)--など自発的な理由が挙がる一方、「正規の職員・従業員の仕事がないから」という、望んで非正規に就いたわけではない不本意層が約331万人いた。特に、働き盛りの25~44歳の男性非正規では不本意層が4割を占める。
14年の有効求人倍率(1.09倍)はバブル期以来の高水準で、完全失業率(3.6%)も4年連続で好転。だが、不安定な非正規層に支えられた雇用指標の「改善」に、専修大の高橋祐吉教授(労働経済学)は「良い仕事があったら変わりたいと考える不本意な労働者は『隠れた失業者』とも言える。そうした労働力に頼ったビジネスモデルが定着しても、社会の安定は生まれない」と懐疑的だ。
政府は今国会で労働者派遣法の改正案成立を目指している。現在は一部の専門職を除き、企業が同じ職場で派遣労働者を使える期間を最長3年に制限しているが、労働者を入れ替えれば継続的に雇えるようになる内容だ。人件費を削りたい経営側に都合良く利用される懸念も指摘されている。人口も減少する中、高橋教授は「疲弊して将来設計を描けない働き方を広げるような成長戦略では、行き詰まる」と警告する。
◇アベノミクス、実態は非正規拡大
安倍晋三首相は就任した2012年から2年間の「アベノミクス」の成果として「100万人の雇用を生み出した」と強調する。だが2年間で正規労働者は約50万人減り、非正規労働者は約150万人増えた。首相が言う「100万人の雇用創出」の実態は非正規の拡大だったことになる。
13年の総務省の調査によると、非正規の男性の78%は就労収入が年間300万円に届かない。厚生労働省の別の調査では、結婚に対する意識も正規労働者より低い。非正規労働者などの相談を受ける連合福岡ユニオンの担当者は「抜本的な解決は直接雇用の正社員を原則にすること」と訴える。
「契約社員」でした。
契約内容は、3ヶ月更新というものでした。
2年近くの契約社員を経て、正社員になりました。
雇用体系は、契約社員(パートタイマーに近いような)
でよいという人もいるでしょう。
毎日新聞の記事を読みましたら、非正規労働者
1,962万人いるそうですが、不本意就労は、
331万人ということですので、83.2%の人
は、「非正規雇用」を自らの生活スタイルに合わせて
選んでいるということも読み取れます。
「不本意就労331万人」
これが、記事では、多いような表現で書かれて
いますが、私は「思っていたよりも、とても
少ない」と感じました。
大半、または半数以上の非正規労働者は、正社員
を希望しているものだと思っていました。
・・・
「働き盛りの25~44歳の男性非正規では不本意層
が4割を占める」
これは、大きな問題だと思います。
・都合の良い時間で働きたい
・家計や教育の補助 など
という、考え方で非正規雇用を選んでいる人とは違い、
「生活の基盤」「家庭の柱」として、稼がないといけ
ない人が、正社員になれずにいるということですね。
・・・
「正社員」
正規雇用と非正規雇用を対比して議論されますが、
今の社会では、果たして
「これが、この待遇で『正社員』なの?」
「正社員と呼べるの?」
「正社員と非正規との違いは?」
という会社も多くあります。
正社員と非正規(契約社員、パート、アルバイト)と
の区別がつかなくなってきています。
どういうことか。
私が今まで見てきた社会、私が今勤める会社、私が住ん
でいる街、そして働いていて目にするところからでさえ、
「これで正社員???」
と思うことを、たくさん見聞きしています。
確かに、正社員であれば、すぐには即契約打ち切りや
一方的な解雇は出来ません。
配属していた業務が無くなっても、社内のどこかに
配置変えして雇用継続しなければいけません。
しかし、契約社員であっても、働いている職場の仕事
が続いている限りは、継続して雇用している場合、
正当な理由が無いと、「はい、もうお終い」とは言え
ません。
それが「正規(正社員):安定雇用」と「非正規:不安定雇用」
との違いだということは誰しも知っていますよね。
・・・
しかし、
私が、どこが「正規?」「非正規?」
「正社員?」「契約社員?」「パート?」「アルバイト?」
と区別がつかないと思う点は、
まず①としては
「(実態は)賞与が無い」「退職金制度が無い」という会社
での正社員です。
これって、「正社員なの?」と思いませんか?
私は、正社員は「賞与があるので、非正規との所得差
があり、優遇されている」という格差があるのが1つ
の違いだと考えています。
そして、長年勤めた年数によって、退職金が支給される
というのも正社員のメリットだと考えています。
それが、賞与に関して言えば「もう10年近く賞与なんて
出ていない」という会社も多くあります。
退職金制度が無いという会社もあります。
いわゆる中小零細企業には多いですが、最近では、大手企業
(上場企業)でも退職金無しという会社もあります。
これって「正社員なの?」「呼称だけで、どこが正社員
なのか」と思いますね。
そして②としては、
「日給月給制」を採用している会社での正社員。
1日いくらで計算して月でいくら、という正社員です。
もちろん、労働基準監督署に届け出ている所定労働時間
を満たすように、また月単位でも、祝日が多い月(祝日
は休みと就業規則で決めている会社)では、その月も
収入に変動が無いように、出金日数を多くして(土曜日
出勤を増やすなど)調整は、会社側もしていますが、
「月給制」とは謳わず「日給月給」としています。
会社側に何かしらのメリットがあるからこそ、
「日給月給制」を取り入れているのでしょうけど、
少しでも多く出勤させて働かせようという意図が見え隠
れしていますよね。
例えば、土日祝休みとしていると、5月などは出勤日
が非常に少ないですよね。
そして「月給制」にしていると、労働者が働いた日数が
少ないにも関わらず、他の月と同額の給料(固定給部分)
を払わないといけません。
なので、定休日は日曜日と祝日にしておき、土曜日で
調整できるようにして、祝日が多い月には、土曜日出勤
が多くなる(祝日の無い月は土曜日出勤は2回なのに、
祝日が多い月は、3回、あるいは4回全てなど)に
しています。
また、日給月給でも、日給の計算を時給まで掘り下げて
計算しています。
ようは、「あなたは1日、7・5時間出勤で1万1250円」
と日給を決めている根拠は、この社員は時給で1,500円
あげようと決めているところから日給が計算されている
ということです。
ですので、実態は、
「時給日給月給制」ということですね。
そう考えると、「どこが正社員なの?」「アルバイトと
同じじゃないか!?」という声も聞きます。
②は、私が勤めている会社も当てはまります。
ですので、事務系社員も、現場作業員も、運転手も
給与確定通知書を1年に1回、ちょうど今の時期に受け取る
のですが、時給単価まで書いていますので、
「時給だったら○○○○円。俺らは、アルバイトかい」
という人も少なくありません。
そして③としては、
「交通費の支給が無い」「支給があっても全額ではない」
という会社。
ようは福利厚生が悪く、何ら非正規雇用と
雇用条件で変わりがない会社の正社員のことです。
これは、下請の会社さんの正社員に多いです。
中小零細企業の中でも、従業員数が十数名、50名以下の
小規模零細の会社によく見受けられます。
「交通費くらい出せよ」と思いますね。
私の勤める会社では、私は勤務先まで車で15分程度です
が1万円以上の交通費が出ています。
この点は、良い会社だと思っています。
そして、いくら住まいと勤め先が離れていても「上限1万円」
「上限5千円」という小規模零細企業も多いです。
実際に、隣街から通っている下請さんの会社の正社員と話して
いますと「交通費は無い」と聞きました。
・・・
=民間企業の現代の仕組み=
大手企業→1次下請(まだ賞与も出る)→2次下請(賞与無し)
→3次下請(もっと待遇が悪い)・・・
ですので「正社員」「正規雇用」というフレーズは
よく耳にしますし、社会問題として取り上げられますが、
「何が正社員なの?」
と思うわけです。
クビ(解雇)にされるのが遅いか早いかくらいの差しか
無い、たったそれだけが「正社員」の定義なのかと思って
しまいますね。
そして④としては、
「正社員も契約社員も給料(体系)が同じ」という会社。
「契約社員のときのほうが、正社員2年目、3年目より
も賃金が割高で、正社員のほうが低い」
これは、私の勤める会社がそうです。
ですので「賃金が低い正社員を2年、3年と続けない
と、契約社員のときよりも給料が低いまま」「契約社員
のほうが気楽でよい。正社員にはならない」
という社員もいます。
長い目で見ると、昇給や賞与で大きく差が出てくるのですが
「目先の給料の高さ」「毎月の給料の金額」だけで判断
すると、正社員になったら「給料が下がる」ということで
正社員にならない人も結構います。
ホント「目先の給料額」だけを追っている、生活は日々
困窮なので正社員となって低い給料では2年も耐えれない
ということのようです。
貯金(貯蓄)など何も無いようです。
・・・
そこで、「正社員」「契約社員」「雇用不安定」
という議論や記事を見て感じるのは、
「正社員」「正規雇用」の議題の中心は、労働組合もあり、
労働基準法、労働協約、就業規則、労働契約が揃っている
「大手企業」の『正社員』のみを、正社員として定義づけ
して、それを「正社員」という表現をしている、中小零細
企業の正社員が世の中大半であるのに、それら全てをひっ
くるめて、大手企業で正社員と非正規雇用との差が歴然と
している会社と同列に扱い「正社員」と呼称していること
自体に違和感を感じました。
「待遇の悪い中小零細企業の正社員は、
果たして『正社員』『正規雇用』と呼べるのか」
「『正社員』と一言で、一括りにして報道されるが、大手
企業(旧財閥系や製造業・化学メーカー等)の正社員と
中小零細企業の正社員とでは明らかに賃金も待遇も違う」
「大手安定企業で働く契約社員のほうが、数名、十数名、
数十名の中小零細企業の正社員よりも、年間所得も大手
契約社員のほうが多い」
そういう、実態も含めて「正社員・正規雇用」と「非正規
雇用」を表現すべきだと強く感じますね。
結論から言いますと、
「大手安定企業の正社員は、まさに『正社員』であり、
非正規雇用の者と比較すると、所得に大きな格差が生まれて
いる」と言えます。
「しかし、経営に四苦八苦している中小零細企業の正社員は、
不安定さ、賃金の低さ、労働条件の悪さ、どれを取っても、
契約社員等の非正規雇用と何ら変わらない」
というのが、今の現実の社会だと思います。
今の世の中、もう「正社員」という1つの雇用体系で、一括り
にして非正規雇用と対比して議論するなど出来ないのではない
でしょうか。
もっと、奥が深い問題ですよね。
・・・
そして、
「正社員として採用されない」
「正社員の求人募集で希望に合った求人が無い」
と、よく言いますが、
「大手企業で、収入も安定していて、成果・ノルマに日々
追われず、雇用条件も良い正社員の募集(営業職以外で)」
などは新卒採用か、若い年齢層20代から30代前半まで
しかあるわけないですね。
そのような優良企業に、35歳を超え、また40歳を超えて
中途採用で入れた人というのは、相当な努力をしています。
経営が不安定で、賞与も退職金も、月々の交通費でさえも
支給が無く、給料も低賃金という「正社員」の募集は
たくさんあります。
そういう会社は、「正社員」の求人募集をしていても
求職者からは見向きもされず、また入社があったとしても、
すぐに辞められて、いつも人手不足。
こういう会社の「正社員」の募集は、正社員として、
求職者の求める求人像のカウント(正社員の求人が増えた)
には入っていないでしょう。
求職者にとっては、正社員の求人募集が無いのと同じ
ということですね。
また、大手企業でも「飛込・訪問の『営業職』」や土日
祝日は休みがないサービス業界の営業職なら、人手不足
で即正社員の募集がたくさんあります。
生保、自動車販売、不動産販売、その他自社取扱商品
を売り込んで販売する「営業」の仕事全般ですが、
大手企業であっても、いつも正社員の求人募集をしています。
日々、接客と営業成績・ノルマに追われて、成績未達なら
上司から怒鳴られて、会社の偉いさんからは喝を入れられ
るような、最前線の営業職なら「経験不問・学歴不問」で
いくらでも正社員の求人募集があります。
しかし、そういう求人募集には応募せずに、「正社員の
募集が無い」
ようは、『勤めやすい会社』『成績に追われ続けるような
仕事ではない職業の正社員の募集が無い』ということが
本音の「正社員の募集が無い」という言葉ばかりが、正規
雇用・非正規雇用、正社員になれないという表現に繋がって
いるだけだと思いますね。
・・・
人は、誰しも「落ち着いた職場環境」「雰囲気の良い職場」
「ノルマに追われない仕事」「安定した会社」「長く勤め
ることが出来る仕事」を希望しています。
今の世の中、世知辛い、そして激しい競争社会ですから
尚更です。
みんな、より安定した職場や会社、落ち着いて働ける場所、
明るい雰囲気の職場等、色々と欲しいなという条件を付け
て、求め続けています。
・・・
家電量販店で、スマホで価格.comの最安値の価格を店員
に見せて、「最低、この金額まで下げてくれないと買わない」
という人も多くいる世の中です。
店員の人件費、店舗運営の賃料や電気代、そんなものは
関係なしです。度外視。
田舎の倉庫に製品を保管していて、ネット注文が入ると、
そこから直送している格安ネット販売店と見比べて
「おたくは、高いね」「ネットで買うよ」
「現物は、家電量販店で触ってみて、購入はネット」
というのが今の現実の社会です。
「全く同じ物」
それは、出来るだけ安く、そして、一番良いのは、今
持って帰ることが出来るですので、ネット価格を見せて
「最安値まで値下げさせて(これは当たり前)」かつ
「今日、製品を持って帰る(これが購入者のメリット)」
というシビアな時代。
そのような社会の中で、求人募集が圧倒的に多い、
営業職や接客業を避けたい、「思う(希望する)ような
正社員」になりたいのであれば、技能習得や実務経験の積
み重ね等、人一倍、人十倍の努力をしないと「当たり前」
のような生活でさえ送ることは難しい世の中ですので、
努力するほかありませんね。
ですので、世の中「『正社員の募集』はたくさんあります」
特に販売実績、成果、成績等のノルマのある営業職は大手でも
中小零細でもたくさん求人募集を出しています。
正社員になれないのではなく、あれこれ今自分が持っている
能力以上の条件をつけて、ノルマの無い、安定した職場や会社、
給料もある程度よい条件で正社員になりたいと思い、そのような
会社のみに絞って応募するから、正社員になれないのです。
・・・
地元でもたまに見かけます。
「現場作業員 正社員募集」
そして募集したのは大手製造業。
そうなると、数百名の応募者が殺到します。採用人数は若干名。
現場作業員でも、大手企業となると、大人気です。
「高所(工場の煙突)から、定修工事の際には
中に入って、煤落とし等の作業もあります」
と書いていても、か弱そうな大卒の若い女性でさえ、一次選考の
筆記試験を受けていたと、友人から聞きました。
高卒でも20年間作業員として勤めて年収は650万円。
地元では、みんな知っている大手企業です。
「安定企業で正社員」
これがみんなの本音で、またみんなが求めている場所なん
ですよね。
あれこれ条件を付けるのであれば、そのために自分自身も
努力しなければ、そんなオイシイ正社員の道は手に入り
ません。努力しなくても簡単に入れる優良企業があるなら、
私も入りたいものです。
ただ「正社員」になりたい、ということだけが目的・目標
なら、営業ノルマがありますが、営業職ならいくらでも求人
募集がある、売ってなんぼ(成果を出して給料をもらう)の
世界では、いくらでも「正社員」の募集はある、というのも
現実ですね。
結局のところは、雇用の安定と不安定は、
「権利(望むような好条件の正社員の募集・採用)」を主張
するのではれば「義務(自らの努力で技を身につけ、経験を
積んで『売り込める人財になる)」のように、権利と義務の
関係と同じことのように感じます。
これからの世の中、高度経済成長期のような昔の時代などは、
二度と訪れません。会社側が求める人材も、より高度で
マルチな人材を求めています。
「無口だけど、真面目にコツコツ働いていたら、貯蓄も
貯まり、住まい・持ち家も購入でき、ゆとりのある老後が過
ごせる」という時代は、今60歳を超えている世代で終わり
ました。
今後、ますます「安定した雇用を手に入れる」ためには、相当
大変で、どんどん厳しくなっていくのは間違いありません。
例えば、ただの事務職でさえ、経理事務員なら日商簿記1級や
税理士資格を持っていて、そして実務経験も積んでいて当たり
前、勤怠業務担当者なら、社会保険労務士の資格を持って
業務をしているのが当たり前、それで総支給額22万円~
23万円という時代が来るのも、そう遠くはないことと
感じています。
大昔は、学校の先生というと「大学を出ている」という人
が少なく、「この辺りの地域には先生くらいしかいなかった」
「生徒の親の中で大学を出ている人などほとんどいなかった」
わけですが、今は先生よりも難易度の高い大学を出ている
親が大勢いる。大学を出ている親の比率も50%以上。
どう考えても、親も知恵をつけていますので、やりづらく
なりますよね。
そういう時代です。ですので、
自分には「コレ(この武器)がある」というものを持って
いなければ、間違いなく、営業職や接客業の「未経験でもOK」
と門戸の広い募集がある仕事しか道はありません。
それが向いている人は、どんどん稼いで、幸せを掴んでいく
ことでしょう。
「話し好き」「ノルマがあるほうが気合いが入る人」
「話法、コミュニケーション力に長けている人」
これが得意でない人が「技を持たず」「手に職を持っていない」
状態で、職業を転々としていると、そのうち、営業職や
接客業の仕事さえ採用されなくなってしまいます。
厳しい世の中ですが、やはり、出来る限りの努力が必要
ということですね。
<非正規社員>不本意就労331万人
毎日新聞 4月5日(日)9時30分配信
有効求人倍率(1.09倍)がバブル期以来の高水準に回復し、完全失業率も4年連続減少している。安倍政権は雇用の改善を強調し、アベノミクス効果を高らかにうたう。しかし、希望する正規の職がなく、やむなく非正規雇用を選ばざるを得なかった労働者は国内で300万人以上に上る。政権の後ろ盾となっているデータ通り、果たして就労環境は改善されているのだろうか。非正規社員の職場を歩くと、悲鳴の声が上がっていた。
「正社員にする」。企業や学校の送迎運転を請け負う会社で契約社員として働く福岡県内の30代の男性は昨年、上司からそう言われた。2歳上の交際相手との結婚に踏み切るきっかけになった。しかし、その後「約束した」上司は異動。正社員の話は宙に浮いたままだ。
かつては運送会社に正社員で勤めたが、過労で倒れるなどして退職。その後、契約社員で勤めた別の会社ではガソリン高騰が経営を直撃して契約を打ち切られた。今の仕事は体を壊さずに運転手経験も生かせると選んだ。だが企業や学校の休みが多い月には出勤日が減るため収入は不安定だ。月20万円を割り込まないよう、手当がつく遅番を意識的に増やしている。
近く結婚式を控える男性は「子供ができてもやっていけるのだろうか。年金とか後々を考えると正社員がいいよなと思う」と語った。
総務省の労働力調査によると、2014年の非正規労働者は1962万人で5年連続の増加となった。10年前の04年に比べると400万人も増えている。一方、正規労働者は3278万人で7年連続の減少。04年に比べると130万人少なくなった。
14年の非正規労働者約1962万人の働き方を選んだ理由は「都合良い時間に働ける」(25.2%)▽「家計の補助・学費を得たい」(21.4%)--など自発的な理由が挙がる一方、「正規の職員・従業員の仕事がないから」という、望んで非正規に就いたわけではない不本意層が約331万人いた。特に、働き盛りの25~44歳の男性非正規では不本意層が4割を占める。
14年の有効求人倍率(1.09倍)はバブル期以来の高水準で、完全失業率(3.6%)も4年連続で好転。だが、不安定な非正規層に支えられた雇用指標の「改善」に、専修大の高橋祐吉教授(労働経済学)は「良い仕事があったら変わりたいと考える不本意な労働者は『隠れた失業者』とも言える。そうした労働力に頼ったビジネスモデルが定着しても、社会の安定は生まれない」と懐疑的だ。
政府は今国会で労働者派遣法の改正案成立を目指している。現在は一部の専門職を除き、企業が同じ職場で派遣労働者を使える期間を最長3年に制限しているが、労働者を入れ替えれば継続的に雇えるようになる内容だ。人件費を削りたい経営側に都合良く利用される懸念も指摘されている。人口も減少する中、高橋教授は「疲弊して将来設計を描けない働き方を広げるような成長戦略では、行き詰まる」と警告する。
◇アベノミクス、実態は非正規拡大
安倍晋三首相は就任した2012年から2年間の「アベノミクス」の成果として「100万人の雇用を生み出した」と強調する。だが2年間で正規労働者は約50万人減り、非正規労働者は約150万人増えた。首相が言う「100万人の雇用創出」の実態は非正規の拡大だったことになる。
13年の総務省の調査によると、非正規の男性の78%は就労収入が年間300万円に届かない。厚生労働省の別の調査では、結婚に対する意識も正規労働者より低い。非正規労働者などの相談を受ける連合福岡ユニオンの担当者は「抜本的な解決は直接雇用の正社員を原則にすること」と訴える。
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