水難事故:駒大生2人水死 合宿中、
野尻湖に飛び込み
毎日新聞 2013年05月03日 21時14分
(最終更新 05月04日 01時17分)
3日午後5時20分ごろ、長野県信濃町野尻の
野尻湖で、合宿中の駒沢大(東京都)の吹奏楽
部の学生から「水遊びしていた仲間2人がおぼれた」
と110番があった。県警長野中央署や長野市
消防局が同大3年の矢田拓也さん(20)=横浜市
金沢区=と同大1年の野呂千賀子さん(18)=
千葉県市川市=を午後6時までに引き上げ病院に
搬送したが、2人とも死亡が確認された。
同署などによると、2人は同日午後5時前に仲間
約30人とボートで湖岸から約300メートルの
琵琶島(びわじま)に渡り、服を着たまま湖に
飛び込んでいたところ、水没したまま姿が見えなく
なったという。「(飛び込みは)部の恒例行事だった」
と説明した学生もいるという。
同消防局によると、周辺の深さは約5メートル。
水温は5度程度。
大学関係者によると、2人は、同湖近くの同大の
施設に4月29日から部員約70人で合宿をして
いた。今月5日に長野市のイベントで演奏する
予定だったという。
3日深夜に駒沢大の施設を訪れた同大吹奏楽部の
石原孝哉部長は「約5年前に部長に就任したが、
(湖への)飛び込みが恒例になっていたことは
把握していない。大事な学生を預かっていて、
親御さんになんとおわびしたらよいか」と話した。
・・・
まず、吹奏楽部の部長は、「知らなかった」で
は済まないですね。
あと、気になるのは、部員の半数近くが飛び込み
をしたという他の記事もありましたが、
「やりたくないのに、その場の雰囲気で仕方なく
飛び込まざるを得なかった」という状況は無かった
のか、ということです。
大学生の新入部員のアルコール一気飲みでの
死亡事故と同じように、「周りの雰囲気」でやら
ざるを得なかったというのは、周りに居た者にも
罪があります。
生きていれば、60歳は超えていると思いますが
私の親戚も剣道等で身体を鍛え、運動も得意だった
という親族が東京の大学(ここも歴史のある大学)
へ行き、溺れて亡くなったという話があります。
明治生まれの(故)祖母が、生前、幼いときから
「あの子は、溺れて死ぬような子ではなかった」
とよく言っていました。
昔の大学などは、もっと上下関係、先輩後輩関係
部活の流儀はキツく厳しかったことと思います。
しかし、伝統ある大学では、このように文化系の
吹奏楽部でも「恒例」と称し、野尻湖で飛び込み
などをしているとは驚きました。
しかも大勢で。
・・・
一瞬、一時の馬鹿騒ぎで、「命を落とす」
これはいつの時代でもあることですが、私が一番
気になるところは、「本人は、服を着たまま、
本当に自分の気持ちから飛び込みをしたかったの
か否か」の点です。
周りの先輩や同期生が飛び込んでいるのに、私だけ
しないというわけにはいかないなど何か目に見えぬ
プレッシャーを与えていなかったかどうかが最大の
焦点だと思います。
・・・
生きている者は、学生生活を過ごし、そして卒業
して社会人となり、やがて結婚して自分の人生を
歩んで行きます。
私も、同級生がガンで亡くなったり、当時同じ職場
(銀行)で同期生だった関西大学出身の友人が自殺
してこの世を去って行ったなど色々な別れがありま
した。
しかし、生きている者は、たまには故人を思い出す
こともありますが、日々の齷齪した生活の中で、いつ
も思っているという状況では無くなっていきます。
これは、私自身、最愛の亡き彼女の関してもそう
です。いつ、何時でも、ずっと思っているという状態
かと問われると、目の前の期日が迫った仕事や行事
ごとに追われて、考えていないときも多々あります。
・・・
しかし、亡くなった本人は、その時点、その場所、
その瞬間で全てが終わり止ってしまいます。
そこまで生きてきた、そしてこれまで頑張ってきた
全てが止まり、そして、この世では「その後の人生」
というものは全く無くなります。
そこまで、考えると「他人にあれこれ危険な行為は
強要できない」
「その人が、もし万一死んでしまったらどう責任を
取るのか」
「絶対安全」「安全専一」「安全第一」なのか。
と、この点については、今の会社で仕事をしながら
常に会社側も、そして役職者も、本人も、周りも
気に留め、仕事を指示したり、注意喚起を行ったり
KYK(KY活動)を行ったりしています。
まともな会社では、「安全が何より優先」は言葉
だけでなく本当にそう思い、そう考えて日々の業務
を行っています。
私の会社でさえそうです。
・・・
これだけ多くの部員が居て、そして今回の水死事故。
今までやってきたことだし・・・
今まで何事も無かったし・・・
「大丈夫『だろう』」
この根拠の無い『○○だろう』が一番危険で、一番
無責任な考えの代名詞です。
まともな会社では、安全具、保護具、測定器など
ありとあらゆる方法や用具を用いて、万全を期して
います。
「考え付く全てを揃えた。これで大丈夫だ」
しかし、それでも事故は起ります。
私の会社でも過去に何度か死亡事故がありました。
例えば、硫化水素。
掘削した穴の中に入る際、きちんと測定器で濃度測定
をして入りました。
硫化水素だけでなく、酸素濃度もしっかり測り、
大丈夫だと確信を持って穴の中へ。
しかし、作業中、出てきた汚泥を取り除くため、かき
混ぜるような作業をした途端、硫化水素がその汚泥から
出てきて数名の社員が即死しました。
局所(口元・鼻など顔周辺)に噴出したガスがかかっ
ただけで、呼吸困難、そして倒れて、痙攣、意識不明、
その場で倒れると床面に溜まってきた硫化水素を吸って
まだ何とか生命があったにも関わらず、それで死亡。
硫化水素は空気や酸素よりも重たいですから。
空気1に対して、酸素は、1.1、硫化水素は1.18
の比重。
未だに命日には黙祷をしています。
・・・
「忘れてはいけない日」として、会社では会社が存続
する限り、安全宣言と黙祷は続けています。
それは、会社で起きた事故ですので、組織だって意識
を高めているからこそ出来ることです。
・・・
しかし、大学の部活での事故は、1年、2年、そして
社会人となり日々の仕事に追われて、いつしか事故
現場に足を運ぶという部員は減っていくでしょう。
心の中では思い出し、そしてなぜあの時・・・と考える
ことはするかも知れません。
・・・
しかし、それだけ、周囲にいた人は同じ部員の者に
「無責任な行為をさせた」ということです。
一生涯背負っていく気持ちで生きなければ、亡くなった
部員、部活を通して出会った2人に、いつしかあの世で
合わす顔がないでしょう。
自分は何も言ったり、強要していない。。。
自分も飛び込んだが死んでいない。。。
という考えで「他人事」にできるものでもありません。
・・・
人は、死んでしまったら、その時点でその人の人生は
終わります。
自分が水死した本人だったなら、親はどう思うか、
自分自身それで人生が終わってよかったと言えるのか、
色々と事故を通して考えるべきだと強く感じました。
20歳で3回生、18歳で今年女子大生になったばかり
の1回生、人生これからじゃないですか。
体育会系のようには思えません。
無理をさせたということはなかったのか。
徹底的に解明して欲しいと願います。
野尻湖に飛び込み
毎日新聞 2013年05月03日 21時14分
(最終更新 05月04日 01時17分)
3日午後5時20分ごろ、長野県信濃町野尻の
野尻湖で、合宿中の駒沢大(東京都)の吹奏楽
部の学生から「水遊びしていた仲間2人がおぼれた」
と110番があった。県警長野中央署や長野市
消防局が同大3年の矢田拓也さん(20)=横浜市
金沢区=と同大1年の野呂千賀子さん(18)=
千葉県市川市=を午後6時までに引き上げ病院に
搬送したが、2人とも死亡が確認された。
同署などによると、2人は同日午後5時前に仲間
約30人とボートで湖岸から約300メートルの
琵琶島(びわじま)に渡り、服を着たまま湖に
飛び込んでいたところ、水没したまま姿が見えなく
なったという。「(飛び込みは)部の恒例行事だった」
と説明した学生もいるという。
同消防局によると、周辺の深さは約5メートル。
水温は5度程度。
大学関係者によると、2人は、同湖近くの同大の
施設に4月29日から部員約70人で合宿をして
いた。今月5日に長野市のイベントで演奏する
予定だったという。
3日深夜に駒沢大の施設を訪れた同大吹奏楽部の
石原孝哉部長は「約5年前に部長に就任したが、
(湖への)飛び込みが恒例になっていたことは
把握していない。大事な学生を預かっていて、
親御さんになんとおわびしたらよいか」と話した。
・・・
まず、吹奏楽部の部長は、「知らなかった」で
は済まないですね。
あと、気になるのは、部員の半数近くが飛び込み
をしたという他の記事もありましたが、
「やりたくないのに、その場の雰囲気で仕方なく
飛び込まざるを得なかった」という状況は無かった
のか、ということです。
大学生の新入部員のアルコール一気飲みでの
死亡事故と同じように、「周りの雰囲気」でやら
ざるを得なかったというのは、周りに居た者にも
罪があります。
生きていれば、60歳は超えていると思いますが
私の親戚も剣道等で身体を鍛え、運動も得意だった
という親族が東京の大学(ここも歴史のある大学)
へ行き、溺れて亡くなったという話があります。
明治生まれの(故)祖母が、生前、幼いときから
「あの子は、溺れて死ぬような子ではなかった」
とよく言っていました。
昔の大学などは、もっと上下関係、先輩後輩関係
部活の流儀はキツく厳しかったことと思います。
しかし、伝統ある大学では、このように文化系の
吹奏楽部でも「恒例」と称し、野尻湖で飛び込み
などをしているとは驚きました。
しかも大勢で。
・・・
一瞬、一時の馬鹿騒ぎで、「命を落とす」
これはいつの時代でもあることですが、私が一番
気になるところは、「本人は、服を着たまま、
本当に自分の気持ちから飛び込みをしたかったの
か否か」の点です。
周りの先輩や同期生が飛び込んでいるのに、私だけ
しないというわけにはいかないなど何か目に見えぬ
プレッシャーを与えていなかったかどうかが最大の
焦点だと思います。
・・・
生きている者は、学生生活を過ごし、そして卒業
して社会人となり、やがて結婚して自分の人生を
歩んで行きます。
私も、同級生がガンで亡くなったり、当時同じ職場
(銀行)で同期生だった関西大学出身の友人が自殺
してこの世を去って行ったなど色々な別れがありま
した。
しかし、生きている者は、たまには故人を思い出す
こともありますが、日々の齷齪した生活の中で、いつ
も思っているという状況では無くなっていきます。
これは、私自身、最愛の亡き彼女の関してもそう
です。いつ、何時でも、ずっと思っているという状態
かと問われると、目の前の期日が迫った仕事や行事
ごとに追われて、考えていないときも多々あります。
・・・
しかし、亡くなった本人は、その時点、その場所、
その瞬間で全てが終わり止ってしまいます。
そこまで生きてきた、そしてこれまで頑張ってきた
全てが止まり、そして、この世では「その後の人生」
というものは全く無くなります。
そこまで、考えると「他人にあれこれ危険な行為は
強要できない」
「その人が、もし万一死んでしまったらどう責任を
取るのか」
「絶対安全」「安全専一」「安全第一」なのか。
と、この点については、今の会社で仕事をしながら
常に会社側も、そして役職者も、本人も、周りも
気に留め、仕事を指示したり、注意喚起を行ったり
KYK(KY活動)を行ったりしています。
まともな会社では、「安全が何より優先」は言葉
だけでなく本当にそう思い、そう考えて日々の業務
を行っています。
私の会社でさえそうです。
・・・
これだけ多くの部員が居て、そして今回の水死事故。
今までやってきたことだし・・・
今まで何事も無かったし・・・
「大丈夫『だろう』」
この根拠の無い『○○だろう』が一番危険で、一番
無責任な考えの代名詞です。
まともな会社では、安全具、保護具、測定器など
ありとあらゆる方法や用具を用いて、万全を期して
います。
「考え付く全てを揃えた。これで大丈夫だ」
しかし、それでも事故は起ります。
私の会社でも過去に何度か死亡事故がありました。
例えば、硫化水素。
掘削した穴の中に入る際、きちんと測定器で濃度測定
をして入りました。
硫化水素だけでなく、酸素濃度もしっかり測り、
大丈夫だと確信を持って穴の中へ。
しかし、作業中、出てきた汚泥を取り除くため、かき
混ぜるような作業をした途端、硫化水素がその汚泥から
出てきて数名の社員が即死しました。
局所(口元・鼻など顔周辺)に噴出したガスがかかっ
ただけで、呼吸困難、そして倒れて、痙攣、意識不明、
その場で倒れると床面に溜まってきた硫化水素を吸って
まだ何とか生命があったにも関わらず、それで死亡。
硫化水素は空気や酸素よりも重たいですから。
空気1に対して、酸素は、1.1、硫化水素は1.18
の比重。
未だに命日には黙祷をしています。
・・・
「忘れてはいけない日」として、会社では会社が存続
する限り、安全宣言と黙祷は続けています。
それは、会社で起きた事故ですので、組織だって意識
を高めているからこそ出来ることです。
・・・
しかし、大学の部活での事故は、1年、2年、そして
社会人となり日々の仕事に追われて、いつしか事故
現場に足を運ぶという部員は減っていくでしょう。
心の中では思い出し、そしてなぜあの時・・・と考える
ことはするかも知れません。
・・・
しかし、それだけ、周囲にいた人は同じ部員の者に
「無責任な行為をさせた」ということです。
一生涯背負っていく気持ちで生きなければ、亡くなった
部員、部活を通して出会った2人に、いつしかあの世で
合わす顔がないでしょう。
自分は何も言ったり、強要していない。。。
自分も飛び込んだが死んでいない。。。
という考えで「他人事」にできるものでもありません。
・・・
人は、死んでしまったら、その時点でその人の人生は
終わります。
自分が水死した本人だったなら、親はどう思うか、
自分自身それで人生が終わってよかったと言えるのか、
色々と事故を通して考えるべきだと強く感じました。
20歳で3回生、18歳で今年女子大生になったばかり
の1回生、人生これからじゃないですか。
体育会系のようには思えません。
無理をさせたということはなかったのか。
徹底的に解明して欲しいと願います。
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