きつねが やってきたのだ。
「こりゃ、ついてるぞ!」
きつねは うれしくて、はなを ひくひく させた。
「きょうの ばんめしと、 あしたの ばんめし ごちそうが かってに
ころがってるんだからな!」
あひるは よこめで がちょうを みていた。
がちょうは すこしも うごかない。
じゃ、あたしも まけられないわ、と あひるは おもった。
きつねは、がちょうと あひるを ふくろに いれて くちの ところを ぎゅっと しばった。
それから、 ふくろを おしたり ひいたりしながら もりを ぬけて かえっていった。
いえに つくと、きつねは がちょうと あひるを ふくろから だして、じめんに ならべた。
おおきな なべに みずを たっぷり いれて、ひに かけた。
じゃがいも、トマト、にんじん、セロリ、かぼちゃを きざんで ほうりこみ、まめも ひとつかみ いれた。 あじつけは にんにくと こしょうだ。
それから なべの なかみを よく かきまぜた。
きつねが くるりと ふりむいた。
がちょうは ぴくりとも うごかなかった、
ひとこえも ぐあっと こえを あげたり しなかった。
はねいっぽん もぞもぞ させなかった。
あひるも おなじように うごかない。
めを ぎらぎら ひからせながら、きつねは ふたりを じゅんばんに ゆびさして、こう いった。
「どちらに しようかな。おなかの いうとおり。
がちょうかな。 あひるかな。
こっちだ!」
きつねは がちょうを なべの そばに はこんでいった。
いくら がちょうさんだって、うごくはずだわ・・・・・
と、あひるは おもった。
けれど、がちょうは うごかなかかった。
きつねが なべの ふたを とると、ゆげが もくもく ながれてた。
がちょうさん、もう うごいて! おねがい!・・・・・あひるは こころの なかで さけんだ。 けれど、がちょうは うごかなかった。
ああ、もし、がちょうさんが うごけないんだったら? こわくて うごけなくなってるんだとしたら?・・・・・
きつねは がちょうを もちあげた。「さ、おまえの ばんだ。」
「ぐわあ~っ!あたしの ともだちを りょうりしちゃ だめ!」
あひるは きつねの しっぽを むしり はなさきに かみついた。
「ひゃあ、た、たすけて!」きつねは がちょうを おっことして もりの
おくへと すっとんでいった。 がちょうと あひるは きつねが にげていくのを、そろって けんぶつした。
あひるは、はあっと ためいきを ついて いった。
「ね、がちょうさん、うごいたら まけ きょうそうは あなたの かちだと
おもうわ!」
「まあね。」 がちょうは こたえた。
「だけどね、あひるさん、ほんとに ほんとの チャンピオンは、きみじゃないかとおもうんだ。」
「そう?」 あひるは がちょうを じっと みつめた。
それから にこっと わらって、 ふっくら はねを ふくらませた。
「うん、きっと そうね。」
がちょうは なべの なかを のぞきこんだ。
「ふうむ。いい におい。 しょくじに しない?」
それで、 ふたりは、きつねが つくった おいしい やさいの シチューを、なべいっぱい ごちそうに なったんだ。
~おしまい~
どう?おもしろかった?書いてるまさちゃんも、だんだん、力入ってきちゃったよ
絵本ってね、子供のための本だけじゃないんだよ
たまに、絵本、ゆっくり読んでみてよ
きっと、忘れかけてた気持ちを思い出すからね
ながながと読んでくれて、ありがとうね
また、あしたからガンバだよ
笑顔でがんばろうね
手に汗握るストーリーですな。
でも、二匹とも我慢しすぎだね。
体によくないよ。
ピンチの時は、ちょっと「タンマ」(一時休憩)でいいのにね。
あひるさん、あんたは偉い。あひるさんの勝ちを認めた、がちょうさんも偉い。
みんなでチャンピオンでいいんじゃない。
凄く含蓄が深いですね。
図書館の仕事って物流に潰されるって
面がありまして。
谷川俊太郎さん、今江祥智さんは好きです。
ワンパターンですが灰谷さんの作品でも
大泣きしました。
長々と読んでくれて、ありがとうね、KA-SAN!
え?体に悪いって?まだ、体なおってないんかいな?
そうやね、アヒルさんも、がちょうさんも偉いよね。。。
さぁ、今日から、また、頑張らなくちゃね
座敷わらしさん、コメントくれて有難う
嬉しかったよ
絵本って、絵も素晴らしいよね
まさちゃん、絵をながめるのも、楽しくて好きです
せな あいこさんをご存知だったのね。。。
灰谷さんの作品も、素晴らしい作品です
あんな、感じの大物作家って、今出てきてるのかなぁ、、、
KEんーSAN、コメント書きにくかったでしょうに、二つも書いてくれて、有難うね
嬉しかったです