東日本大震災 現地復興支援センター

・・・真宗大谷派(東本願寺)の東日本大震災による被災地での支援・復興活動ブログ・・・

2018年6月11日~12日 東京教区東京7組坊守会「はちす会」/宮城県・福島県【視察】

2018-07-05 09:35:00 | 活動日記

東京教区東京7組坊守会「はちす会」の皆様が、研修として視察に来てくださいました。

今回は、一日目に宮城県沿岸部、二日目に福島県を視察されました。

一日目は、東北別院にてお参りしていただいた後、仙台市若林区の荒浜地区へ。あいにくの雨の中、慰霊碑とモニュメントを視察し、閉館日により残念ながら中には入れませんでしたが震災遺構荒浜小学校の外観を見ました。

その後、海楽寺様へ。前坊守の大友宮子さんからお話をお聞きしました。何度かお聞きする方も、初めてお話をお聞きする方も、震災当日の状況をお聞きすると心が締め付けられる思いになります。大友さんは、庫裏の窓を開けながら、震災当日に実際にどのように津波が家に迫ってきたのかということもお話しくださいました。

昼食は閖上さいかい市場です。魚貝類がおいしいということで、「赤貝をぜひ食べてください」と東北の方に勧められて来たとのことでしたが、今年は貝毒が猛威をふるっているため、この日も貝類は仕入れがないとのことでした…。本当に残念でしたが、お魚は絶品でした!

その後は閖上の記憶に伺いました。ここでは語りべの丹野祐子さんのお話をお聞きしました。息子さんを亡くされたあの日。最後に目にした息子さんの姿。なぜあの時、助けられなかったのか。いろいろな思いの中で7年を過ごされてきた丹野さん。街はどんどん変わっていく中で、息子がここに確かに生きていたことを忘れないでいたい。そんな思いで、語りべを続けておられることをお聞きしました。

二日目は、福島を視察しました。はじめに、相馬市の津波伝承鎮魂館をうかがいました。前日には、天皇皇后両陛下が慰問に訪れた場所です。その後、原町別院、浪江町の正西寺様と東日本大震災慰霊碑を視察しました。福島では、原発事故による放射能汚染の影響で今も自分の故郷に帰ることのできない現実があることを改めて認識しました。

今回の視察研修に際して、はちす会の一人の方に視察前に聞いていたことが印象に残ります。それは、「何か問題がおこると、すぐに解決してしまいたい。すぐに終わらせてしまいたいと思ってしまう私。抱え続ける、考え続ける、問い続けるということの難しさを思わされます」ということでした。今回の視察で、いろいろなことを見て・聞いて「本当に行ってよかった」と後にメールをいただきましたが、震災で失ったものは人の命や大切な家だけであったのか、今でも苦しい・悲しいのはなぜなのか。私自身がそのことを考え続け、問い続けることが大切なんだと教えていただくきっかけとなった視察になりました。


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