東日本大震災 現地復興支援センター

・・・真宗大谷派(東本願寺)の東日本大震災による被災地での支援・復興活動ブログ・・・

2019年3月12~14日 大阪大谷大学/宮城県名取市・仙台市・気仙沼市・石巻市【視察】

2019-04-03 11:50:34 | 活動日記

大阪府富田林市にある大阪大谷大学の人間社会学科・岡島ゼミの先生と学生4名による被災地視察です。

大阪大谷大学では、これまでほぼ毎年1回、復興支援センターを通じた活動を行ってきました。これまでは仮設住宅での炊き出し活動なども行っていましたが、今回は被災地の震災遺構の視察や、語り部のお話を聞くということに重点をおいた活動となりました。今回の活動に際しては、仙台教区仏教青年会に移動車両や被災地説明のご協力をいただきました。 

初日は大阪から新幹線で仙台駅へ。その後、震災遺構荒浜小学校(仙台市若林区)へ。震災当日の資料映像などを見ました。その後、名取市閖上地区の「閖上の記憶」へ。そこでは、語り部の丹野祐子さんからお話をお聞きしました。その後は、東北別院に戻り、本堂内で木ノ下秀俊現地復興支援センター非常勤嘱託から、原発事故による福島のことをお話いただきました。

   

2日目(13日)は、朝から気仙沼市に向けて出発。まずは、オープンしたばかりの「東日本大震災遺構・伝承館(気仙沼向洋高校旧校舎)を見学。建物内には流された車などがそのまま展示されているほか、校舎にある津波の傷跡もそのままです。映像資料もたくさんあり、じっくりと見学しました。

    

昼食は、南三陸さんさん商店街でとり、そこでは南三陸町防災対策庁舎跡を遠くに見たり、商店街の中にある写真館の見学をしました。

その後は石巻の旧大川小学校跡へ。ここでは、児童遺族であり「小さな命の意味を考える会」の紫桃隆洋さんからお話をお聞きしました。今回の参加者の中には、今後教職を目指す学生もいましたので、先生になるということの責任を様々な角度から感じていたようでした。

  

その日の夕食は、「炊き出しシミュレーション」と題してBBQをしました。いざという時、すぐに火を熾すことができるか。着火剤がない時にどうしたら素早く炭に火を入れることができるのか。様々な説明を学生さんたちは真剣に聞いていました。途中で雪がちらちら…。ちょっと寒すぎました(笑)。

 

最終日(14日)は、「振り返り」と題し、フィードバックを行いました。3日前は3月11日の震災の日ということもあり、学生もいつも以上に各地でのお話しを「リアル」に感じていたようです。印象的だったのは「想像する」ということを、どの学生も大切だと感じてくれたこと。しかし、その想像をはるかに超えてくるのが災害だということ。だから物理的にも意識的にも普段からどのように備えるのかを真剣に考えなければならないということを感じ取っていたようでした。 

大川小学校跡で紫桃さんに投げかけられた質問が、今回の視察では印象的でした。それは、「みなさんは普段から学校、職場、地域で、災害時に進言し合える関係性を作っていますか」というものです。普段からマニュアルに従った訓練はできる。しかし大事なのは、非常事態の際に、マニュアルを超えて判断しなければならない時、周りの言葉を受け入れられるような人間関係が互いにできているのかということです。「ここにいては危険だから逃げよう」と、早くから進言した人間がいたかもしれない。それが、小さな生徒だったかもしれない、経験の浅い新任の先生だったかもしれない。その時、指揮を執るべき教職員が進言に耳を傾けられなかったとしたら…。社会では上司と部下の関係があるのは当たり前であり、指示系統などを否定するものでは決してありません。しかしながら、コミュニケーションをとり、お互いの人となりを知るということはそれとは関係のないことです。普段からの人間関係の構築が、災害時に命を守ることになるのかもしれません。

学生の新鮮な視点に、自分自身も「学び直す」大切な機会をいただきました。大阪大谷大学の学生の皆さん、岡島先生、ありがとうございました。 

大阪大谷大学HP掲載の視察の様子はこちらから


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