今回は、震災後に東京教区の同朋社会推進ネットワークや仙台教区仏教青年会(以下、仙台仏青)と共に活動されている方(Tさん)が個人のお時間を利用して視察に来てくださいました。現地復興支援センター及び教区内寺族の方と視察のお手伝いをさせていただきましたので、一部をご紹介いたします。
4月30日は、石巻市雄勝の名振コミュニティーセンターにて念珠づくりを行いました。当日は10名程の方が集まってくださり、念珠作りをしながらいろいろなことをお話しました。
また、この地域では、仙台仏青が震災直後に仏青お風呂プロジェクト(以下、BOP)を行った場所であり、Tさんも一緒にお手伝いをしたことがあるそうです。一番の驚きは現地の倉庫に7年前に掲げたBOPの看板が残っていたこと!色褪せた看板を見たときに、嬉しいような、寂しいような、複雑な感情の中で7年という時間の経過を実感したそうです。
5月1日は、宮城県北部の沿岸から陸前高田までの視察を行いました。南三陸さんさん商店街では南三陸町旧防災庁舎跡を見てから、商店街にある写真館「佐良スタジオ」の常設写真展を見ました。この写真館は震災以前より南三陸町にある写真館で、震災当日もその様子を写真に収められています。津波が街を襲う直前の様子、海水が街に入ってくる瞬間、建物の上で必死に津波に堪える人、波が去り静かな夜に入っていく不安の様子など、様々な写真が展示されています。「決して忘れないために そして後世に伝えるために」という言葉が印象的でした。
その後、気仙沼の中島海岸・津谷川災害復旧工事現場を仮設の展望台から望みました。昼食は、気仙沼シャークミュージアムです。
その後は沿岸を北上し、陸前高田市に入りました。本稱寺でお参りをさせていただいた後、奇跡の一本松を視察。周辺の復旧工事が進み、訪れる度に景色が変わっていきます。帰りは国道45号線をとおり、徐々に開通している三陸自動車道で帰仙しました。
Tさんはこれまで個人で様々な活動に参加されてきたそうですが、このような形で視察に来ていただけることは現地復興支援センターとしても大変うれしく思います。時間も経ち、被災地に対する関心もだんだんと薄れていく時期でもありますが、是非ともいろいろな方にお越しいただきたいです。団体のみならず個人での視察も大歓迎です。視察コースの帯同もご相談いただき、日程調整していただければ現地復興支援センターがご案内いたします。観光で東北に来られ、半日だけ時間が空いているという場合でも場所によっては視察いただけます。とにかく現地の今を知っていただき、震災のときに何があったのかを学んでいただきたいです。次の津波災害はいつ、どこで起きるか分かりません。2011年3月10日以前に、ここまでの災害を想定できた人間が何人いるでしょうか。だからこそ、私たちは、現地の声を聞き、私自身の命を守る行動や防災・減災を考えなければならないのです。「決して忘れないために そして後世に伝えるために」の言葉の意味を、被災の地で考えていただければと思います。
※視察に関するご相談・お問い合わせは、現地復興支援センターまで。
〒983-0803 宮城県仙台市宮城野区小田原1丁目2-16 真宗大谷派仙台教務所内
TEL:022-297-2824 FAX:022-297-2827 MAIL:otaniha-f.s.center@watch.ocn.ne.jp
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