兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などが文書で告発された問題で、県議会第2会派の「維新の会」が9日に斎藤氏に対し辞職と出直し選挙の実施を求める申し入れを行うことが8日、分かった。
疑惑を調査する県議会調査特別委員会(百条委員会)での斎藤氏の説明では、県民が納得しがたいことなどを理由に、会派幹部や日本維新の会幹部らが8日に対応を決めた。
産経新聞
8日午後4時20分ごろ、栃木県真岡市下籠谷の井頭公園の運動広場で開催された音楽イベント「ベリテンライブ」の会場で、10~20代の清掃スタッフの男女9人が足のしびれを訴え、うち6人が救急搬送された。いずれも命に別条はない。当時は強い雨が降っており、県警は落雷が原因の可能性があるとみている。
県警によると、ライブは午前10時開演。午後4時半ごろ中止が決まった。主催者発表の来場者数は約1万2千人。
産経新聞
中国海軍のシュパン級測量艦1隻が8月31日、鹿児島県口永良部島の南西の日本領海に侵入した。防衛省によると、測量艦は同日午前6時に日本の領海に入り、同7時53分ごろ領海を出て南に向かったという。海上自衛隊の掃海艇と哨戒機が警戒監視・情報収集にあたり、航行目的などを問いかけたという。
測量船が侵入した海域について、中国外務省の毛寧副報道局長は今月2日の会見でこう主張した。
「トカラ海峡は国際航行に利用される海峡であり、完全に合法的な権利の行使だ」
そもそも、日本政府はトカラ海峡を「国際海峡」とする主張を認めていない。にもかかわらず、この海域を中国海軍の測量艦が航行したのは昨年9月以来、10回目。異常な頻度といえる。
中国側の狙いは何だろうか。
測量艦は海底の地形や水深、海水温を調べることができる。中国軍は潜水艦の運用に役立てるため、こうした情報を収集している可能性が高いと筆者は見ている。
トカラ海峡は、中国の艦艇が西太平洋に進出する近道となる。あえて頻繁に日本の領海を侵入することで、「国際海峡」とする中国の主張を既成事実化する意図があるのだろう。軍事的・政治的に敵国の領土奪取を有利に進めるため、小さな行動を積み重ねる「サラミ戦術」といえよう。
他国の領海を通航する「無害通航」の権利は認められているが、今回のような測量活動は該当しない。中国軍の行為は明らかに違法といっていいだろう。
これに対し、海自艦艇は自衛隊法に基づき武器使用を認める「海上警備行動」の発令はなかったという。
この5日前、中国空軍のY9情報収集機が、長崎県五島市の男女群島沖の日本領空を侵犯した。前回の拙稿で解説したように、中国機は意図的に領空侵犯をしたと筆者は見ている。
日本政府関係者によると、Y9の航路や情報収集範囲を分析すると、自衛隊の防空レーダーや米軍佐世保基地の電波情報を収集していたという。また、Y9には少なくとも4人の乗務員が乗って飛行しており、戦闘機と比べて航路を外れる可能性は高くない。
中国軍の指揮系統から分析してみよう。
南シナ海や東シナ海における軍事行動については、習近平国家主席がトップを務める「共産党海洋権益維持工作指導小組」が統括するようになり、これまでよりも現場の独断や偶発事故が起こりにくい態勢となっている。同小組は2018年に廃止され、中央外事工作委員会に移行しており、習氏のグリップがより強まっている。
2つの軍事行動は「習氏の『意向と指示』で実施された軍事行動」とみるのが合理的だろう。
にもかかわらず、日本政府は「中国側の意図・目的を分析しないといけない」(木原稔防衛相)と静観する姿勢を崩していない。「誤って侵入した」と解説する専門家も散見する。
中国の「意図」を分析するよりも、日本の主権を侵犯する「サラミ戦術」を阻止する有効な対策をとることの方が今、より重要なのだ。(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員 峯村健司)
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