兵庫県議会の全会派や無所属議員が共同で提出する斎藤元彦知事に対する不信任決議案は次の通り。
元県民局長が斎藤知事はじめ県幹部に向けた告発文書を巡る一連の問題が惹起(じゃっき)されてから、約半年が経過した。県政は混乱を極め、156年の歴史を誇る我が雄県兵庫は危機的状況に直面している。
まず、文書問題調査特別委員会の調査の中で、告発文書の内容に真実が存在し、文書が「噓八百」ではなく、告発者への対応が告発者探しや情報漏洩(ろうえい)の疑いを指摘されるなど不適切と言わざるを得ないことが明らかになったにもかかわらず、知事は「真実相当性がない」、「誹謗(ひぼう)中傷性が高い」として県の対応が適切であったとしているが、専門家は公益通報者保護法の見地から「兵庫県は今も違法状態」と断じている。現時点で詳細な要因は明らかでないが、元県民局長の命を守れなかったという厳然たる事実は大変重く、責任は大きい。
次に、日本国憲法に則り県民の生命と財産を守ることを使命とする行政の長たる知事の職責を果たすためには、県民・県職員の模範として、法令遵守は当然のことながら、人として守るべき倫理・道徳や人権感覚に基づく道義的責任がより強く求められるが、「道義的責任が何かわからない」との知事の発言から、その資質を欠いていると言わざるを得ない。
そして、告発文書への初動やその後において、対応が不適切、不十分であったことにより、県民の信頼を損ない、県職員を動揺させ、議会を巻き込み、県政に長期に渡る深刻な停滞と混乱をもたらしたことに対する政治的責任は免れない。本県及び県民の誇りを失墜させてしまった今、県民及び県職員からの信頼回復は到底見込めず、県政改革を着実に進めなければならないこの大変重要な局面において、斎藤県政がそれに応えることは困難な状況である。
ここまで申し述べたとおり、斎藤知事の責任は重大である。これ以上の県政の停滞と混乱、県益の損失は許されるものではなく、県民本位の健全な県政と職員が安心して働ける職場を一日も早く取り戻し、来年度予算は新たに県民の信任を得た知事の下で編成されるべきである。
よって、本県議会は、斎藤元彦兵庫県知事を信任しない。
以上、決議する。
令和6年9月19日
兵庫県議会
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