9月17日、坂本哲志農林水産大臣は、閣議後の記者会見で、「週ごとに(スーパーなどの)棚にコメが並ぶようになった。品薄感が減った」と発言、コメの卸売業者に2度ほど流通促進を要請した成果を強調した。
ところが、この脳天気な発言が報じられると、ネット上は怒りの声で埋め尽くされた。大臣の発言を報じたYahoo!ニュースには、6000件に迫る怒りのコメントが寄せられ、Xでも、一斉に反発する声があふれた。
《何もしてないのに自然復旧を手柄にしてて草》
《まだまだスーパーにはそんなにお米無いですよ!》
《農水省の存在感も減った》
さらに、店頭に出てきた新米の値段が高騰していることについても、怒りの言葉が次々にあがった。
《販売されていても高額!》
《値段は倍になりました。おいそれとは買えなくなったので、売り場に残っているだけです》
《いつもより全然高い値段も問題なんだよこのたわけが》
農水省によると、8月のコメの価格(2023年産米)は、2008年以降で過去最高。農家の生産コスト増などを背景に今後も上昇が続く公算が大きいという。品薄状態が続いているなかで、新米が出たとしても、高値では手が出せない。
こうした事態に農水省はどう答えるのか。改めて聞くと――。
「コメの卸売の全国団体に聞いたり、農水省の職員が買い物に行って、確かに店にコメがない状況は減っていることがわかったので、大臣の発言に至りました。コメの品薄は、完全に解消したわけではないことは承知しています。地域によって濃淡もあります」
なんと、坂本大臣のコメントは、農水省の職員が買い物に行った際の “体感” が根拠のひとつになっていたというのだ。全国のコメの窮状を、数値等で管理していると思っていた人も多いだろうが……。世間との認識のずれは、こうした「体感ベース」ともいえる発表が原因なのかもしれない。
さらに担当者は、民間業者へのお願いを明かす。
「民間業者には、持っている在庫を、民間同士で融通しあって円滑な流通になるよう、お願いしています。備蓄米については、民間が持っている在庫を確認して、市場に影響を与えないよう慎重に考えたいです。
コメの価格は、市場の供給と需要のバランスで決まっているので、コメントは控えたい。
ただ、今後は新米が供給されれば、価格は落ち着いてくるでしょう。9月は1年で消費されるコメの4割が流通するので、これから円滑に供給されていくと思われます」
農水省の説明だと、「新米が出るまでの間は、もう少し辛抱が必要。品薄感や値段の高騰については、民間で調整してほしい」とのこと。これで国民に納得せよ、というのもおかしな話だ。
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