不来庵書房 裏庭倉庫

不定期更新・内容雑多・未確認情報散在
基本的に、小生の琴線に触れたニュースを集めただけです……
雑記・雑感も少々。

朝鮮戦争にまつわる若干の謬説について

2021-11-26 | SLG
VG “The Korean War” (1986)を入手しました。
朝鮮戦争の最初の1年間、1950年6月〜1951年5月までを扱うシミュレーション・ウォーゲームです。
1コマ(ユニット)は連隊(歩兵なら1,000〜3,000人程度)〜師団(国にもよるが1万人前後)程度を表します。

さて、表題ですが。
所謂「嫌韓」なる単語が出てきたあたりから、朝鮮戦争開戦時に韓国軍がまともに北朝鮮軍を迎撃できなかった理由として
「当時、李承晩政権は対馬侵攻を企てていて・・・・・・」
という噂が散見されます。

また、1990年代半ばまで、朝鮮戦争のきっかけについては
「朝鮮戦争はアメリカと韓国の陰謀で、韓国側から攻撃を受けたので北朝鮮がやむなく迎撃した」
と、高校時代の恩師が日本史の授業で教えるくらいに“アメリカ&韓国の謀略”説が広まっていました。松本清張『日本の黒い霧』に代表される、全てはアメリカの陰謀・・・・・・という見解はかなり根強かったと思います。



なお、当時エポック『朝鮮戦争』をやりこんでいた小生は上記発言を聞いた後、即座に「嘘つけ」と周りに聞こえる声で呟いた覚えが(しかも教卓の真正面最前列)。
6月25日から8月15日まで、ざっと2ヶ月間にわたり北朝鮮軍の総力を上げて朝鮮半島を暴れ回るためには、周到な計画と「統一」への国家意思、とりわけ十分な武器弾薬燃料、更には食料の備蓄が欠かせない・・・・・・すなわち、例え仮に米韓の陰謀があったにせよ、1950年6月末〜7月中旬頃に北朝鮮が「南進」する意図がない限り、韓国軍が釜山橋頭堡に押し込まれてしまうような展開はありえないからです。


1997年に萩原遼『朝鮮戦争 金日成とマッカーサーの陰謀』が出て、北朝鮮軍の米軍鹵獲文書をもとに朝鮮戦争は北朝鮮の計画による開戦であることが証明されたわけですが、当の萩原さん自身がアメリカは北朝鮮の意図を知って敢えて利用した、といった姿勢でいたことから、未だにアメリカの謀略を疑う声は絶えないようです。



さて、「李承晩政権は朝鮮戦争直前、対馬侵攻を計画していた・・・・・」という話ですが。
VG“The Korean War” の韓国軍初期配置をご覧ください(北朝鮮軍は省略)。
なお、小豆色の厚紙コマ(ユニット)が一個連隊に相当します。


1986年出版のシミュレーションゲームによる、アメリカで利用可能な資料に依拠した韓国陸軍の配備状況ですが。
ソウルに1個師団相当(1個師団=3個連隊)、ソウル北側の38度線に2個師団、38度線太白山脈あたりに分散して1個師団、その他主要都市に1個連隊ずつ分散配置して合計22個連隊。
どう考えても平時配置で、北朝鮮軍の南進に備える意図はあまりないことは明白です(故に、史実では無様としか言いようのない潰走状態に)。
同時に、上陸作戦遂行を準備している様子も皆無です。




これは朝鮮半島南岸を拡大した画像ですが、まともな港湾に配置された連隊が一個もないことに注目いただければ幸いです。
どう考えても、連隊規模以上の上陸作戦は考えられていません(それ以前に海軍力が・・・・・・)
当時(1950年)の対馬に進駐軍=米軍部隊がいたかどうかは未確認ですが、その後自衛隊の置く防衛兵力は対馬警備隊(1個中隊相当)だけです(この他航空自衛隊のレーダーサイトあり)。

蛇足ですが。
一応、大韓民国海兵隊は1949年創設で380人規模だったそうです。旧日本軍で実戦経験のある兵士もいた時代ですが、例えば旧陸軍式の上陸作戦の概要を知っている将校がどれほどいたことやら(海兵隊の初代司令官は満州国軍出身)。
加えて朝鮮戦争中、韓国海軍はまともな揚陸戦能力を持っていなかったんですよねぇ。
(休戦後、米軍からLSTを供与してもらった)
まさか、「李承晩が・・・・」と言っている人は漁船を集めて、なんて考えているんだろうか。


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朝ドラ、2話連続の悲報にネットも涙あさイチも偶然黒衣装で沈痛【ネタバレ】

2021-11-26 | ドラマ
昨日の金太お父さんとは異なり、稔さんの戦死は予想通りといえば予想通りなのですが。
とはいえ、勇ちゃんは無事復員したわけで、きついですね。

出征した身内(稔さん、勇ちゃん、算太お兄ちゃん、「たちばな」の職人さんたち三人)のうち、帰還したのは今のところ勇ちゃんだけ。更に、空襲で祖母と母親が。
病気で祖父と父が。
当時、決して珍しい話ではなかった悲劇がそこにあります。

・・・・・・娘のるいちゃんと同年生まれなら、令和3年で77歳か78歳。
安子ちゃんと同年なら96歳。
もはや、直接当時を語ることのできる方は大半が鬼籍に入っている現在ですが、当時を知る世代から直接聞いた話と同質の悲しみが伝わってくるようでした。


なお勇ちゃんは小笠原にいた、ということなので、所謂小笠原兵団、あるいはその後身の第一〇九師団混成第一旅団(あるいは第一〇九師団隷下の独立部隊)にいたものと思われます。
戦地の様子を聞こうとする美都里さんに、かなり激しい口調で戦地を語ることを拒否していたのですが、まさかあの事件に絡んでいるわけでもないでしょうに・・・・・・(事件の詳細についてはここで語ることは控えます。が、噂を伝え聞いただけだとしても勇ちゃんの反応が無理もない事件とだけ)

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朝ドラ、ラストで衝撃“ナレ死”ネット動揺広がる「夢オチと思ったら」【ネタバレ】

2021-11-25 | ドラマ
100年の物語、と名乗るだけにペースの速い『カムカム』です。
脚本の妙か、話の展開が端折り過ぎと思わせることもなく進行していますけれど、毎回が週末まとめ(『エール』以降恒例の土曜放送回のような)のように感じられます。

今回、珍しくゆっくり進行(とはいえ数ヶ月経っていますが)かと思えばまさかの展開。
そろそろNHK制作ドラマ恒例?の所謂“ナレ死“にも慣れてきましたが、このパターンは・・・・・・(絶句)
(以下ネタバレ注意、改行多めです)

















思えば金太さん、心労と疲労、栄養失調が重なっていたと思われますので突然死の条件は揃っていたわけですが。
算太くんとも和解したような空気だったのに、と思いつつ、少年の声がしたのに兵隊帰りの息子が現れたことでちょっと?な感触。
その後、死んだはずの家族や出征した職人さんたちまで現れて夢オチか、と思いきや。

後番組“あさイチ“冒頭で鈴木アナが泣いてしまったのも仕方ないかと。
IKKOさんの雄叫びで無理矢理空気を戻した感がありました。

明日の物語はどう進むやら、です。
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あづみのイルミ

2021-11-24 | 旅行・風景・景観
アルプスあづみの公園の今年のイルミネーションです。
ご笑覧のほど。





















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自民もくろみ外れ急転ふじのくに崩せず【知事不信任見送り】

2021-11-24 | にゅうす
個人的には、かなり含むところのある知事ですが(リニア絡みでの頑迷さについて)。
以前ながのけんでも(cannot be described)な小説家知事を選び出してしまったことがあるので何とも言えないです。

県民からの支持は、選挙で再選されたところからも明らかなのですが。
静岡県庁内ではどうなんでしょうねぇ・・・・・・

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幼少期虐待、ホルモン遺伝子に影響福井大研究チームが解明

2021-11-19 | にゅうす
虐待、絶対ダメ。な、科学的根拠が出てきたということでしょうね。


これ、薬物療法あるいは遺伝子治療で解消できたり……するのだろうか。
不適切な養育の結果が色濃いと思しき高校生を見てきた身としては、何らかの恩恵がこの研究から得られることを願う次第です。
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朝ドラ、学徒出陣&「戦争が終わったら」は稔の戦死フラグか?ネット心配【ネタバレ】

2021-11-19 | ドラマ
今期朝ドラも視聴しております。
前作『おかえりモネ』が恐ろしくスローペース(半年でおよそ5年+2年半)なのに対し、『カムカム』は半年で100年(安子さん誕生から数えて、なのでしょうか)。毎回が週末まとめ回のような印象です。


ま、戦死フラグ(確定)でしょうねぇ。
本日放映回(第15回)が幸せ描写満載で、かえって不吉すぎる……

実は結構役場の兵事係が……という話もあるようで(実際には市町村役場側にそこまで権限があったとも思えないのですが、村の有力者の長男(跡継ぎ)などは最前線に送られにくい部隊へ配属するなどの忖度もあったとかなかったとか。通信隊とか高射隊とか輜重隊とか)。
ただ、学徒出陣でとられた人たちはかなりの戦死率(この辺は、例えばSF作家の矢野徹先生の著作にちょこちょこ述べられています。英文科同期生のほとんどが靖国にいったとか)。

それはともかく、YOUさんはトータス松本さん・成田凌さんと共に「朝ドラ被害者の会」を結成してもよいと思います(笑)
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衆議院議員総選挙雑観

2021-11-09 | Weblog
そろそろ色々と落ち着いてきたと思うので、いくつか私見をメモがわりに記してみます。

低調な選挙であったことは投票率(過去3番目に低いそうな)からも伺えます。
ではなぜ低調であったのか、といえば、モリカケサクラどころか総合的なコロナ対策ですら主要な争点足り得なかった、単純に(事実上)任期満了に伴う選挙でしかなかったからではないか、と考えます。

実際、今回のコロナ禍で感染した方・残念ながら犠牲になった方、生活が崩壊しかかった・崩壊した方も決して少なくないのですが、そのことが国民的潮流として現政権にNoを叩きつけるだけのうねりにはならなかった、という点は確かではないかと思います。
医療崩壊という報道はあれど、映画『復活の日』のように病院という病院で廊下のソファーまで重体の患者が溢れ、診察待ちの患者が次々と事切れ、それどころか診ている医師さえ次々と・・・・・・という程、破滅的な状況ではなかったわけで。
そしていつの間にやら新規感染者数は激減。

まだまだ感染者が然程減少しない米英伯をはじめ、その他終息には程遠い各国もあるので依然予断を許しませんが、安倍〜菅〜岸田と続く各政権の対策が、ベストではないにせよベター(次善どころか三善、四善以下かもしれないけれど、とにかく善(ベター)には違いない)、もしくは悪いとは言えない(かなり消極的に評価する・やらないよりはマシ・ダメダメの落第点だけど野党がやりそうなことはそれ以下としか思えない、等、政権交代が必要だと思うほどマイナス評価ではない)という人が多かったのかな、と思います。

その他の争点は・・・・・緊急性重要性が然程高くなかった、ということではないかと思います。



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