不来庵書房 裏庭倉庫

不定期更新・内容雑多・未確認情報散在
基本的に、小生の琴線に触れたニュースを集めただけです……
雑記・雑感も少々。

宮沢氏、天皇訪中で逡巡=自民の反発懸念―外交文書

2023-12-20 | にゅうす
結果論ですが、六四天安門事件に免罪符を与えた点で宮沢内閣の大罪に数えるべき所業ではないかと。
責任を負うべきは第一に宮沢首相(当時)ですが、小和田外務事務次官にも相応の責任があります。

まあ、上皇陛下に印鑑を贈るなどという所業をさせなかっただけマシではありますが(冊封体制に組み込むという意味がある)
それにしても、天皇という存在の取り扱いについて、宮沢内閣は最大限に慎重であるべきでしたねぇ・・・・・・

隣国を援助する国は滅びるーマキャベリ『君主論』
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【どうする家康・最終回】驚きの展開!亡くなったはずの美女登場にネット号泣「涙腺崩壊」「お…

2023-12-18 | ドラマ

ともあれ、どうすればいいんじゃあ!とすぐに泣き出す情けない殿様の話はこれにて。
きっと後世には、鎌倉幕府二代執権・北条義時の生まれ変わりみたいな南光坊天海が書かせた東照大権現の歴史が残ることでしょう。春日局が竹千代(家光)に語り聴かせた神君の事績、という体は第一話から変わらず。竹千代ちゃんにはどうも御祖父様の生涯について春日局が盛りまくったお話は退屈なご様子。ただ、春日局を扇子を持ったキツネに描いた竹千代ちゃんが、御祖父様を白ウサギに描いたのは意味深長な感が。

前半20分程は大坂夏の陣。家康公が甲冑を着なかったのは史実ですが、真田勢との対決で両手を伸ばす様はパルパティーン皇帝がフォースを使うような描写。やはり越前勢は全カットなのですね(嘆息)
秀頼公御生害、淀殿御自害の様は見事でした(史実ではあのような広間っぽいところではなく山里丸の焼け残りの蔵だったそうで、もう少し場末感があったろうなあ)。

中盤は臨終に向かう家康公の周辺。松平忠輝関連の話は全カット。北条得宗家の血を引いていそうな天海僧正のもとで歴史編纂に当たっていた中に妙齢の女性がいたのですが、まさか稲さんだったとは。
浜松で団子🍡売っていた婆さんも出ていましたが、あんた一体何歳なんだ(笑)

後半20分程は去りゆく家康公の走馬灯か。愛妻・瀬名さんと愛息・信康君が在りし日の姿で現れ、争いのない世を築いたと褒めたところで夢から覚めた体の描写。平岩らの家臣に叩き起こされたのは五徳姫が信康のもとに輿入れする当日朝。わちゃわちゃした騒動で家康が家臣一堂にからかわれるわけですが、案外その頃が家康にとって最も幸福な時だったのでしょうかね。
ラストで高層ビル群が見えたのは、このお話の世界は現代に続くという意図かな。

脚本家の古沢良太さんの意図はかいますし成功した部類だと思いますが、演出・作画の雑さや史実からの省略の不用意さは最後まで付きまとったと思います。
トルストイ『戦争と平和』の登場人物は550人以上、三国志演義の登場人物は2000人以上。どちらも最大級の長編小説ですが、無駄な登場人物がいるわけではありません。リドリー・スコットの『ナポレオン』でも同じことが言えますが、登場人物を絞ることは歴史劇では必ずしも良い結果につながるとは言えません。

さて、古沢さんに次のチャンスは与えられるのでしょうか。数字はかなり厳しいので、難しいかな。
宮藤官九郎さんと同じく、現代劇の方が生きるのでは。
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英雄でも悪魔でもない、人間ナポレオンなのだが・・・・・・

2023-12-15 | ドラマ
リドリー・スコット/ホアキン・フェニックス『ナポレオン』見てきました。


映画『ナポレオン』オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ

映画『ナポレオン』オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ

映画『ナポレオン』2023年12月全国の映画館で公開!<軍人ナポレオンの真の姿>を壮大なスケールで描いた超大作

映画『ナポレオン』オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ

 


一言。「これ、『どうする家康』総集編のワールド版?」

最初に褒めておくと、流石ハリウッド映画とリドリー・スコット監督。映像の美しさや雰囲気はアカデミー賞級です。まあ、考証で若干神経が行き届かない部分が散見されましたし(歴史マニア以外は気にしない領域ですが)、ワーテルローでナポレオンを騎兵的に戦わせたのはどうかなとも思いますが(彼の兵科は砲兵)。

まず、ナポレオンという人物の業績があまりにも凄すぎるんですよね。ロシア遠征で60万の軍勢を溶かしてしまったことを考慮してすら、軍事の天才であることに異論を挟む人は誰もいないでしょう。当時の前線司令官としては最上級の人物です(まともに勝てたのはワーテルローのウェリントンだけ、アウステルリッツ〜イエナ・アウエルシュタットの頃のナポレオンと当時のフランス軍兵士ならあるいはウェリントンにすら然程苦労なく勝てたかもしれない)。

ただ、ナポレオンは部下の将帥に大きな独自判断を求めず、手足のように動く将官を求めました。その結果がワーテルローの敗戦につながります。また、軍団制の採用および大隊方陣による軍の機動性向上と、戦場での砲兵の機動運用、従来の♩=80ではなく♩=120での行軍を徹底させたことによる歩兵の移動速度向上など、様々な工夫を組みわせることで大きな効果を挙げたと紹介されることが多いのですが、他国よりも人口が多いことと徴兵制による新規兵員数の多さをストレートに生かして惜しげもなく兵力を注ぎ込み、人数で押し勝った側面も否定できません。後年、ソ連兵が損害を顧みず突撃してくる戦いを繰り返す様を「ロシアでは兵士が畑で収穫できる」と形容されていますが、そういった戦い方の近代的な原型ともいえます。

戦争以外では第一執政時代から帝政初期にかけて、大革命以降の成果をナポレオン法典にまとめたことは本人も語る通り戦場での活躍以上に巨大な貢献です。ナポレオン法典といえば民法典が有名ですが、刑法典と商法典もまとめさせています。このことからも分かる通り、フランスという社会を法で定義し直させた人物と言って良いでしょう。アンシャン・レジーム時代の、封建制の遺物を多々含んだ複雑怪奇な法体系を一掃した結果、王政復古後ブルボン王朝とその周囲の守旧派も憲法はともかく民法・刑法・商法いずれも定め直せなかったことに、ナポレオンの業績の巨大さが伺えます。

……と、いったあたりを映画にくまなく盛り込むととても劇場で公開できる尺ではなくなるので、ざっくりとジョセフィーヌ&ナポレオンの愛憎でまとめるのは良いのですが。

なぜ、26歳の青年将軍が32歳で2人の子持ちでもある未亡人にそこまで惹かれたのか?が全く見えてきませんでした。マリー=アントワネット処刑・トゥーロン・エジプト・アウステルリッツ・ロシア遠征〜ボロディノ〜モスクワ炎上と撤退・エルバ島・ワーテルローと描くべきエピソードが多すぎ、これ以上省略できないというのはわかるのですが、それにしても恋から愛への移行がほとんど感じられないままに「お前は発情期の牡犬か?」なXXXシーンに繋がってしまっているのが残念でした。ナポレオンからジョセフィーヌへの熱烈なラブレターが矢継ぎ早に送られるのは史実準拠で、確かに愛していたんだろうなぁ、という点は伝わっていたと思いますが、ジョセフィーヌの内面は今一つ描き切れていなかったかもしれません。ナポレオン視点に徹すればそれでも良いのでしょうけれどね。

戦場シーンも、例えばアウステルリッツの戦いで凍った湖の上に追い込まれたオーストリア兵がフランス軍の砲撃で叩き割られた湖面に次々と落ちていくシーンは見事でしたが、残念ながらフランス軍の華麗な機動や戦術の妙、あるいは悪魔的な迫力は今一つ。8000人のエキストラを使って迫力満点!と思いきや、意外に戦列が薄く見えてしまったのも残念ポイント。1967年版『戦争と平和』四部作で、既に12万人のエキストラを使った撮影が行われているので(ソ連の国策映画でもあったため、当時のソ連陸軍が全面協力)、あの迫力を越えるためにはCG合成を前提としてもせめてその4倍、3万人以上のエキストラが必要だったのではないでしょうか。

そして、ストーリー上必要ないと見切った人物をバッサリカットしていく手法と大河的歴史ドラマの相性の悪さ。ナポレオンの側にはベルティエ参謀長くらい出せとか(出ていたかもしれないが吹き替え版では全く分からなかった)、ワーテルローでネイとグルーシー、アクスブリッジやピクトンがいないとは何事だとか、ナイルとトラファルガーくらい海戦出せとか、色々と『どうする家康』で感じたような違和感やら不満やらと等質のモヤモヤを感じました。

いずれAppleで配信されるという噂の4時間版を見ないと何ともいえませんが、私の視点からすると劇場公開作品としては残念作でした。ただまあ、見るべき点も多いので駄作とまでは申しません。Legend&Butterflyが楽しめる人にはとても向いているのではないでしょうか。


映画『レジェンド&バタフライ』公式サイト|大ヒット上映中

映画『レジェンド&バタフライ』公式サイト|大ヒット上映中

木村拓哉×綾瀬はるか×脚本:古沢良太×監督:大友啓史。織田信長と濃姫が生きた激動の30年の軌跡―。日本映画史上最高峰のキャスト&スタッフが贈る、感動スペクタクル巨編!

映画『レジェンド&バタフライ』公式サイト|大ヒット上映中

 


やはり無理せず130分ずつの前後編にした方が良かったのではなかろうか。

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馬鹿馬鹿しい地方ディスり(褒め言葉)

2023-12-05 | ドラマ
『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』観てきました(ネタバレ注意)

映画『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』公式サイト

映画『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』公式サイト

全世界を席巻した<壮大な茶番劇>まさかの第Ⅱ章、開幕。今度は東西対決!関西の皆様 飛び火してすんまへん。埼玉の皆様 続編でもディスってゴメンなさい。大ヒット上映中!

映画『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』公式サイト

 


関西ならまあツッコミ文化があるから受け入れられるだろうなぁ、との予想に違わず割と好評な様子。

何故に大阪府知事の取り巻きが京都市長と神戸市長かと言えば・・・・・憶測ですが、京都府は旧丹波国・丹後国、兵庫県は淡路島と旧但馬国という、都会指数が高いとは思えないエリア(群馬とタメを張れるであろう都会指数(該当エリアの方々には失礼致します))を抱えておりまして。
(神奈川県も丹沢山地を抱えてはいますが無視されていた模様)

京都といえば作中でも語られていたような洛中至上主義者がいるとかいないとか側聞しますので、ざっくり旧京都市電エリア外の者が京都を名乗るのは・・・・・・とか何とか。
兵庫県は別名ヒョーゴスラビアと呼ばれるほど統一性がないとか。
まあ、そういった事情なのでしょうねぇ。

武蔵野線がらみのあれこれは多分埼玉ネタ継続のためかと。
「埼玉県にタワーはない!」→行田タワーが実在していたとは。

第3作を製作しても良さそうな含みのあるラストでしたが、大都市近郊でダサい呼ばわりされそうな地域って他にあるのだろうか。
名古屋の近郊ですと岐阜をディスったら斎藤道三公に毒入り茶を振る舞われそうですし、静岡ディスったらサッカー的に蹴り殺されそうですし、三重をディスったら伊勢神宮の神罰が(ガクブル)。
巷では3作目があるとすれば、福岡(博多)に対する佐賀では?などと噂されているらしいですね。

地域間対立テーマで描けそうな県はいくつかあるのですが、笑って済ませてくれそうもないところもあるので難しかったりします。
ながのけんは……うん、難しそうだ(旧藩あるいは郡単位で対立以下の他人ぶりなため、ディスりが成り立たないくらい遠い関係を無理矢理『信濃の国』でまとめている関係)
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ゴジラのエサは何なのだろう(ネタバレ注意注意)

2023-12-04 | ドラマ
ゴジラ-1.0、先日観賞してきました。(ネタバレ注意)

映画『ゴジラ-1.0』公式サイト

映画『ゴジラ-1.0』公式サイト

2023年11月3日(金・祝)公開 監督・脚本・VFX:山崎貴

映画『ゴジラ-1.0』公式サイト

 

さて冒頭、大戸島にゴジラが襲来し整備員を咥え・・・・・・食べるのか?と思ったらポイっと放り投げ。
(とはいえバリバリと人間を貪り食うシーンを詳細に描写したら、怪獣映画じゃなくてホラー映画になるわけですが)

ゴジラの食性の謎に引っかかってしまって、その後の展開が何だかなぁ、になってしまいました(残念)

背鰭が次々と発光していってブレスを吐くとキノコ雲が、という見せどころのシーンも、あり?放射性物質どこで供給してるの?とか、体内に原子炉でも持ってるのかねぇ?とか、色々考えてしまいまして素直に入り込めなかったのが敗因ですかね。

重巡「高雄」の使い方が勿体無いなぁとか、どうせなら「長門」引っ張ってこいやとか(でもあの時点では原爆実験の標的艦としてビキニ環礁に沈んでいた頃ではあり)、「震電」に仕込んだ二十五番(250kg爆弾)や五十番(500kg爆弾)で何とかなるなら重巡の8インチ砲(弾頭重量約126kg)でも何とかなるよなぁとか、そういったあたりに引っかかって・・・・・・

神木隆之介さんの演技は良かったと思います。
特攻隊生き残り→第二復員省の下の掃海隊(のちの海上自衛隊の母体の一つ)、という戦い続ける道を選んだあたり、ちょっときつい生き方かもしれません。
浜辺美波さんも良かったけど、最後の首筋のアレは何だったんだろう(怖)

ともあれ、私のような特殊な引っかかり方をする人もそうはいないと思いますので、純粋に楽しめる映画ではないでしょうか。

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