わりと源平合戦~北条氏の執権確立まで、史実を踏み外さない範囲で斬新な解釈が面白い『鎌倉殿の13人』。
7月3日放映分で大泉洋さん演じる源頼朝がこの世を去ったわけですが、本編終了後に紹介された甲斐善光寺所蔵の源頼朝像を見て「あれ?以外に大泉頼朝って再現率高かったのでは?」と思ったり。
ここで折り返しですが、どう話をたたんでいくのか(このあと承久の乱がクライマックスでしょうが、梶原景時・和田義盛・畠山重忠他有力御家人が次々と族滅されていく鬱展開が・・・・・・)目が離せないなと思います。
・・・・・・ただ、小栗旬さん密着番組は全編終了後に流すべきだったのではないかと・・・・・・・
前半ベスト(私家版、順不同)。
・後白河法皇’(西田敏行さん)の生き霊に祟られる頼朝さん(『ステキな金縛り』かい!)
:時政パパ(坂東彌十郎さん)の田舎武士を超えた田舎者っぽさと土臭さ
・仕事人・善児(梶原善さん)。頼朝の第一子・千鶴丸を簀巻きにしたのを皮切りに次々と「仕事」をこなし、ついにはオープニングで名前が出ると「誰が犠牲になるんじゃぁ!」とプチパニックに(苦笑)……なお、とある情報によると「複数の下人や名も無い人の所業(と思われる事柄)をまとめた」らしいのですが、藤原泰衡の弟・藤原頼衡を一瞬で仕留めた手腕や、野菜でも切るように源範頼さんの周りにいた農民夫婦を刺すシーンなど「ティラリ~♪」と『必殺仕事人』のテーマが幻聴で聞こえてきそうです、はい。
・頼朝最初の妻とされる八重(新垣結衣さん)、伊東家下人の江間四郎に嫁いだとされているが義時(一時期江間(小)四郎と呼ばれていた)の妻にするとは
・サイコパス&ウォーモンガーな義経(菅田将暉さん)。義経主人公のドラマではおよそ考えられない人物造形でしょう。亀の前への嫐打ちを余計にややこしくして「ここまでするかぁ!?」と頼朝に叫ばせる原因にも。頼朝中心のお話しなので宇治川の合戦その他、アクション的に見せ場が少なかったのが残念。衣川の戦いで討たれた後、頼朝が首桶を抱いて「戦の話を聞かせてくれ、九郎」と泣くシーンは頼朝の人物像を際立たせていたと思います。
・コメディー担当な阿野全成(新納慎也さん)。当たらない占いと怪しい祈祷が魅力。「私の占いが半分しか当たらないのを知っているだろう!だから困るんだ!全部外れならいっそ……」という叫びが彼の全てかも知れません(笑)。でも、後々粛清されるんだよなぁ……
・富士の巻き狩りで「成長著しい金剛」とテロップに入った義時の長男・金剛、後の北条泰時(坂口健太郎さん)。なお史実では曾我事件当時満10才(そのまま子役さんを使って然るべき年齢)。ありゃねーわ、を通り越して完全にギャグの域に。朝ドラ『おかえりモネ』の菅波医師のイメージを少しかぶせてあるのかな?ということで、#俺たちの泰時(頼時) タグができても納得。
・頼家(金子大地さん)の鬱屈ありげな演技。後に独断専行が過ぎると修善寺押し込め→暗殺につながるわけですが、利かん気と負けん気にあふれた危うい表情が秀逸だと感じました。
・曽我事件が頼朝暗殺を狙った、「仇討ちを装った謀反」なのを「謀反を装った仇討ち」にしてしまい、頼朝から「見事な仇討ちであった。後世まで語り継ごう」と声をかけさせるという処理。実際に赤穂事件まで約500年間、日本で「仇討ち」と言えば曽我兄弟のそれであったし、昭和までも「三大仇討ち」といえば忠臣蔵、伊賀上野の仇討ち、そして曽我兄弟の仇討ちだったわけで、頼朝&義時の措置の見事さが際立ちました。……比奈さんのところへ夜這いに行き(そして義時に嗜められて拗ねていた)頼朝の身代わりになって、結果的に仇討ちになってしまった工藤祐経も災難といえば災難。
・良い人過ぎる源範頼(迫田孝也さん)。毒のありそうな表情は、登場シーンの中ではついになかったように思います。最期が哀れすぎる(合掌)
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