昨日の朝、りょうちゃんと学校に向かっていたら、途中でお友達に会った。その子は、前にシジュウカラの雛「たまちゃん」を保護した時に一緒にいた子で、成長する姿を何度か見せたりもしていた。
7月の終わり頃には、「もうすぐ自然に返すよ」と言っておいたんだけど、その後、何度か会った時にたまちゃんの話題は出なかったので、もうりょうちゃんから放したことを聞いてるか、興味を失ったんだと思っていた。
そうしたら、昨日の朝、学校の校門前での別れ際に、
「あの鳥、もう飛べるようになった？」
と聞かれたのでビックリして、「もうずいぶん前に野生に返したよ」と教えた。結構、真剣な眼差しだったのにも驚いた。
そうか。ずーっと気になってたんだね。
生き物って、なんていうか不思議な力があって、とても小さく存在感がないような小鳥でも、ちゃんと心の交流はあるし、触れば暖かいし、自己主張したりする。
そして、いなくなった後も、人の心に何かを残していくんだなぁ。
育ててる時は、本当に手探りで、朝になったら死んでるんじゃないかと心配で、最初の1週間は夜中に何度も目が覚めてろくに眠れなかったから、ずいぶん長いこと面倒を見ていた気がするけど、実はたったの3週間の出来事だったなんて、今も信じられない。大変なことも、悲しみもあったけど、りょうちゃんは、出会いのチャンスをつかんで、本当に良い経験をさせてもらったなぁと思う。保護した時にその場にいた、りょうちゃんの周りのお友達にとっても、良い経験になったんじゃないかな。
今日は9月1日。たまちゃんを自然に返したのは8月1日。ちょうど1ヶ月経ったところで、たまちゃんの話題が出るなんてね。
たまちゃん、元気にしてるかな。
たまちゃんは、あっという間に飛ぶのが上手になって、虫も自分で捕まえられるようになって、とても賢い子だから、きっと、もうすっかり自然に馴染んで、たくましく生きてるんだろうな。