ギターのお話のついでに
話は古くなりますが
ナルシソ・イエペスと言えば
映画「禁じられた遊び」の
音楽を担当し
テーマ曲を演奏しました
その結果
一躍世界中の大衆から
支持されることになった
クラシックのギタリストです
その曲が
世界的に大ヒットしたため
彼の
演奏会の曲目には
「禁じられた遊び」が
定番となり
そのイメージから
逃れるコトが
出来なくなりました
原曲は
アルペジオの練習曲でして
世界的なギタリストが
演奏会場で
シンプルな
練習曲を弾いて
ミーハーのように
喜ばれるのは
高い音楽性の曲を演奏して
感動を与えたい
彼にとっては
許せないコトであったようです
この辺り
映画での感動の余韻を
求めるお客さんと
芸術を追求する演奏家の
ギャップとして
面白いものです
彼は静かなイメージですが
当時
「ギターの王様」と呼ばれ
クラシックギター界に
君臨していた
アンドレス・セゴビアと
音楽性の違いで
言い争ったりして
なかなか気骨のある
人物であったようです
音楽「禁じられた遊び」の
イメージから
ナルシソ・イエペス氏は
情緒的、ロマン的な演奏家と
思われがちですが
逆です
イエペス氏の演奏スタイルは
即物的で
「禁じられた遊び」の演奏も含め
情緒感を多分に排除した
演奏家でありました
映画「禁じられた遊び」の
音楽を担当したことによって
思わぬイメージを
背負って
一生を送った
芸術家でありました
本日は
ギター評論家のワタシでした