9回裏0ー1
1アウト、ランナー1塁2塁
絶好の一打逆転のチャンス
バッターは6番
打つ気満々のボク(後のわたし)
バッターボックスに入って
ボールはあそこへ飛んでゆく、と
ばかりレフトスタンドを見やった
そこへ
ベンチからの作戦の伝令が走ってきた
伝令はわたしに耳打ち
「バンドしろ」
ピッチャー投げた
”ポテン”
ピッチャー前へコロコロ
ピッチャー捕って2塁へ
2塁から1塁へ
ダブルプレー、チェンジ
ゲームセット!
教室へ引きあげる階段で
誰かが僕に言った
「あれは仕方ない、気にスンナ」
小学校5年生の野球大会の苦い思い出でした
ボクは叫びたい!
「思いっきり、打たせろ、ボケー!!!」
今もあの時のことを時々思い出します
あの時ホームランを打っていれば
ヒーローの夢が叶ったのに・・・
ヒーローになり損ねた苦い記憶が
いまだに
それを追い求めつづけている
わたしが2013年のここに
いるのかも知れません
「と日記には書いておこう」