福島とつながる種まきプロジェクトネットワーク

(通称:たねまきネット)
農と食を中心に、小さな種をまきながら、永続的な支援活動を行う。

We フォーラム 2012 in 福島

2012年08月09日 | 福島視察

来て、感じて、伝えてほしい・・・

放射能の中で生きのびるために

この「刺激的」なテーマそのままのフォーラムでした。東京では、東日本大震災は「復興」の文字が氾濫する中で「被爆」の文字は隠され、かろうじてこの時期<広島・長崎>に重ねて語られるだけで、この時期が過ぎればまた忘れられていくのではないかと思ってしまいます。福島ではこの「生きのびる」という言葉はけして「刺激的」なのではなく、現実なのです。

福島の現実は震災・原発事故当時と少しも変わってはいないことが、行って、聴いて、見てみるとよく分かります。このタイトルの意味するものは、小さくありません。

私たちたねまきネットの3人は、初日の全体会と2日目の分科会「いま、いのちを守るために(保養・避難)」の分科会に参加しました。全体会は武藤類子さんと吉野裕之さんのお話でした。このお二人のお話をきいている方は多いと思いますので省きますが、分科会では地元3人の方から報告がありました。これはより具体的な日々の活動のお話だったので、大変簡単になりますがご紹介しておきます。

分科会1 いま、いのちを守るために(保養・避難)

●TEAM二本松(二本松放射能測定室)松本さんのお話    

北海道恵庭との保養・交流を継続している。小学校のソフトボール部30人が2マイクロシーベルトのグランドで練習していた。それを北海道でできる。8月10日からまた北海道に子どもたちは行く。湖やグランドは子どもを元気にしてくれる。   他の土地へ行っても差別されるんじゃないかと思って外にもでれないんじゃないかと思ってしまう。そんな時に、この福島に来てくれる人がいると元気になれる。頭から放射能が離れることはない。福島から転校や避難するという話を聞くたびに、ここに残って子育てしていいんだろうか?とも悩む。出るにしても、残るにしても悩みはつきない。

福島は今も終わっていない、進行形。震災前と同じ。でも住んでる人は違う。市民測定室をつくりホールボディカウンターをおいて、秋から内部被爆も測る。グランドづくりもする。避難できない環境にある子どもたちには、全国各地での保養を提供する。去年との違いは「放射能が見えた」こと。だから保養に積極的になれる。ただ、家族の間でもお母さんは子どもを保養させたくても、他の家族がそうでない家もある。メディアの安全報道も出ずらくなっている要因。家族内の温度差でママはあきらめかけて苦しむことも多い。だから家族で行ける保養、ファミリーホームステイで家族間の温度差をなくしたい。ママと一緒に行ける保養にしたい。そうしないと1人で行ける年齢は小学校3年生以上。乳幼児は行けない。

行政や団体での保養は1年だけとかで続かない。結局自費になる。だから顔の見える関係の中で口コミで広げたい。長いたたかいになる。去年行ったところに今年もいける関係を作っていきたい。

家族なかよく暮らせるようにしたい!!

●FoE Japan(国際環境NGO)万田夏花さんのお話

「避難の権利を巡る運動と原発事故被災者支援法」について、お話されました。文科省が20ミリシーベルトまで安全としたのを、撤回させ、1ミリシーベルトにさせる運動を担った。変えることができて良かった!アンケート調査をしたら、避難しない人たちの理由の第一は、経済的問題で避難したくてもできない、第二は故郷を出たくない、第三は仕事がやめられない、ということ。けして安全だと思って出ないわけではないことが分かる。

12月6日に自主的避難等に関する賠償方針が出たが、子ども1人40万円、大人1人8万円、が1回だけ!という程度。焼け石に水。渡利地区、大波地区は高い線量。自分たちは行政が避難指定地区にしないのをみて、ほっとけないと思い、FoEは政策を研究検討提案する団体だが見かねて保養も始めた。<わたり土湯ぽかぽかプロジェクト>避難したくてもできない人に近くて気軽に、そして長期もOKということでやっている。今年1月スタートしてから1640人355家族が利用。

原発事故被災者支援法が6月議員立法でできた。第3条に国の責任明記、第8,9条に支援内容がある。これはとても良いが理念法なので、実際にこれに基づいて具体的な政策がつくられ実施されないと意味がない。対象地域に範囲書いてない。基本方針これから。最初は「被爆」という言葉がなかったので、それでは骨抜きになるので、頑張って入れさせた。これからは被災者の声を沢山反映させてこの法律を活かす活動が必要。

しかし、自分たちも疲れてきている。お金も人も・・・。民間の力も質も素晴らしいが、行政が予算つけてきちんとやらないと続かない。財務省は文科省の1ミリシーベルトをあげたがっている。財政の関係。市民の注視が必要。

●沖縄・球美の里いわき事務局 鈴木薫さんのお話

いわき放射能測定室を開設している。その活動と一緒にチェルノブイリの保養所をモデルに久米島での長期保養を企画している。24日間の保養で20%セシウムが減る。しかし福島県教育委員会はまだ認めていないため、保養する子どもたちは欠席扱いになる。保養を認めると、被爆を認めることになるという論理で認めていない。また保養の対象者を決めるのも難しい。緊急性のある人から行う。妊婦さんは産院がないため受け入れできない。同じ人が2回は無理。

久米島の町役場はとても強力にバックアップしてくれている。ホームページにも載せてくれて、ボランティアの募集などにも協力してくれる。福島県もぜひ保養の必要性を認めてくれるように、これからも働きかけていきたい。やはり行政が予算化してやることだと思う。

 

以上、大変雑ぱくなまとめですが、お伝えしました。これ以外にも会場から被災者の方たちの生の声、発言をきくことができました。何度もいいますが、福島は終わっていません!何も変わっていません!皆さんもぜひ、機会を作って福島を訪ねてください。そして生の声をきいてください。たねまきネットも、また近いうちに行きます。その時にもどうぞ、ご一緒に!!


「Weフォーラム 2012 in 福島 」

2012年07月23日 | 福島視察

来て、感じて、伝えてほしい・・・放射能汚染の中で生きのびるために

 

            

                

 

      Weフォーラム実行委員会事務局(フェミックス内)http://femix.co.jp

以前にもお知らせしましたが、8月4日~5日、福島県男女共生センター「女と男の未来館」(福島県二本松市郭内1-196-1     tel 0243-23-8301 fax0243-23-8312)

を会場に上記のタイトルで「Weフォーラム 2012 in 福島 」が開催されます。

福島とつながるたねまきプロジェクトネットワークとしては、気になる集いです。

若者や女性たちが「放射能の中で生きのびる」とはどんなことなのか、現地の生の声とそれを支える人々の取り組みを知り交流したいと思います。

7月の視察が終わったばかりですが、有志で行きたいと思います。もし可能な方はぜひご参加下さい。問い合わせは

Weフォーラム実行委員会事務局(フェミックス内)http://femix.co.jp

TEL 045-482-6711  FAX 045-482-6712

または、「福島とつながるたねまきプロジェクトネットワーク」 遠藤 090-7213-0929までお問い合せください。

 

 

 


行ってきました!福島視察ツアー

2012年07月03日 | 福島視察

7月1日~2日

福島現地 3カ所の視察に行きました。

全行程と詳しい報告はまた、「たねまき通信」等でお伝えするとして、取り急ぎ、無事に全行程を終えたご報告を簡単に致します。さまざまに協力して下さった皆さま、ほんとに有難うございました!!

1日の朝8時30分に国立を出発し、一路福島へ。高速に乗った後に、バスの中で皆さんに自己紹介をしていただきました。たねまきネットの事務局もいれて20名が、それぞれにツアーへの思いを語りました。

そして3時間ほどで福島に。しかし、田んぼは草ぼーぼー。原発事故がなければ今頃はきれいな苗が生えそろっているはず。そのあれた田んぼを両目に見ながら「ゆうきの里東和」へ。

東和はちょうどロードレースの日で、道の駅のレストランもそのお世話等で忙しく、昼食の用意ができないとのこと。そこで、2月に恵泉でも福島の郷土料理を教えて下さった二本松の女性たちが、昼食を用意して下さって、一緒に食べて交流しました。

その後研修で「ゆうきの里東和」事務局の海老沢さんからお話をきき、放射能測定器も見せていただきました。

                  

その後は宿泊先のウッディハウス東和へ向かいました。食事の後はみんなで一部屋に集まって歓談しぐっとうち解けました。

2日は朝8時過ぎに出発。一路小高へ。南相馬市原町高校内の1階校舎におかれた小高商業高校を訪れました。私たちのために、2月に恵泉に生徒さんを引率してきてくださったN先生に、地震・津波・原発すべての被害にあった小高地区に案内していただき、使えなくなってしまった学校にもつれていっていただき、中にははいれませんが外側から見てきました。また駅から海までは津波でさらわれたまま、えぐり取られた道路もそのまま、そこにただ草だけが生えている風景は、震災から1年以上たっても、まるで何も変わっていません。今まで放射能で立ち入りができなかったためです。町並みも壊れた家もそのままです。

原町高校倒壊したままの家小高商業高校入口

 

その後、原町高校内にある小高商業高校に戻り、昼食のお弁当まで用意していただき、校長先生、他の先生たち、商業研究部の生徒さんたちにご挨拶し、記録集「福島の生の声をきく」をお渡ししました。これで今回の訪問の大きな目的を果たすことができて、ほっとしました。そして7人の生徒さんの自己紹介をいただき、恵泉大の4人の学生さんたちが自己紹介をし、短い時間でしたがお顔を合わせることができました。商業研究部の生徒さんたちには、ぜひまた恵泉にお招きしたいこともお伝えしました。

 

その後は、最後の訪問先である郡山東高校に向かいました。途中「緊急除線染」をしている現場にも通りかかりました。

郡山東高校は大きな学校です。地震でひび割れた校舎を見せていただきました。

      

線量計も設置されています。仮設校舎の中も見せていただきました。こここでは生徒会の皆さんとお話することができました。去年の夏は体育館を仕切っての授業だったため、暑いし、となりの授業も聞こえてくるし、とても大変だったようです。仮設校舎ができて良かったと。この学校では、自分たちも被災はしたが、転校してきた生徒さんたちのために「小宇宙の会」という集いをもっているそうです。福島県外から見たら被災者ではあるけれど、県内では支援者としてあることを、生徒さんたちはしっかりと自覚し、支え合う気持ちを大切にしているそうです。小高からの転校生もいるとのことでした。

ここで紹介したことはほんのさわりです。本の表紙にもならない程の、行き先だけの紹介にすぎません。今回の視察では震災から1年以上たっているとは思えないことをいたる所で実感しました。東京にいては知ることのできないことを、どうやって皆さんにお伝えしようかと、考えています。

そして、また行かなくてはと、帰ってきて早々に思っているところです。

 

 


福島に行きましょう!

2012年06月22日 | 福島視察
 
ツアーの下見に行きました。
Nさんからの<ただいまメッセージ>です。
 
16・17日に下見に行きました。
走行距離750キロ、ガソリン50L。 
 
お天気もまあまあで、全行程を周ることができ、時間もほぼ読み通りです。 
二日目は二本松のKさんにも同行していただき、飯館を抜けて南相馬市小高まで入りました。郡山のS校長、原町のN教諭、ともにお元気でした。
 
 
 申込締切は24日(日)です!
 
お申込忘れの方はいませんか?
 
行程は以下のようになりました。
 
~~~~~~~~~~~~~~~
◇2012年7月1日(日)

 8:30出発 8:15集合 国立駅南口(TUTAYA前) ★30分早まりました。

12:00頃 二本松市道の駅「ふくしま東和」到着       
●12:30~14:00 二本松ハーモニーの手作り昼食と福島女性たちとの交流
●14:00~17:00 「ゆうきの里」の視察学習
             講義・ワークショップ・学生交流・買い物など
    
見ごろの「あじさいロード」を見学しながら、宿泊先「ウッディハウスとうわ」へ
    

◇2012年7月2日(月)

 8:30出発 8:15 「ウッディハウスとうわ」玄関前集合

 10:00着 小高商業高等学校(南相馬市原町高校内)
●小高区を視察(海岸、中心街、校舎)約一時間半ほど
●原町高校の間借り校舎、現在建築中の仮設校舎視察、ここで昼食
●懇談会
12:50発 

15 :00着 福島県立郡山東高等学校
●損壊校舎・仮設校舎の視察
●懇談会(予定)
17:00発

20:00頃 国立駅南口(TUTAYA前)着

◎参加費 一般14.000円 学生8.000円 
集合場所で集めます。
参加費の中には、保険代、昼食(2回)、研修資料代が含まれます。

※宿で宴会等をする場合は別途かかります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◎行程表

 7/1(日) 国立駅南口(08:40) ~ 国立府中~ 中央道・首都高~東北道~ 二本松IC
 ~ 道の駅ふくしま東和(12:00頃) ~ ウッディハウスとうわ(17:30頃)

 7/2(月) ウッディハウスとうわ(08:30) ~川俣・飯館(12号線)~南相馬市小高商業高校(原町高校内)(10:00)
~小高区視察~ 原町高校にて昼食・懇談(12:50)

原町高校~飯館・川俣・東和(12号線・349号線)~ 郡山東高校(15:00~17:00)
~郡山南IC ~ 東北道・首都高・中央道~ 国立府中IC ~ 国立駅南口(20:00頃)

 バス車種 :小型バス 1台( 乗車人数 :定員24名)


◎空間線量について 6月16~17日
ガイガーカウンターRADEX1503-EURにて計測
(マイクロシーベルト/毎時)

・二本松市道の駅「ふくしま東和」(駐車場)0.4、(室内)0.2
・川俣・飯館(車中)0.8~1.3
・小高区(海岸)0.12 
・郡山東高校(校庭) 0.314


福島視察バスツアーのお申し込みはお済みですか?

2012年06月05日 | 福島視察

7月1日~2日は福島に行きましょう!!

福島視察バスツアー申込のFAXが、事務局に届き始めました。7月1日迄、後1ヶ月を切りました。行かれる方は、お早めにお申し込みくださいね!

大飯原発の再稼働を巡って不安が大きくなっています。福島原発事故から1年しかたっておらず、今まだ解決の見通しさえ立っていない中で、命の安全を最優先しての判断が求められて当然と思うのですが・・・。

様々な思惑が行き交い、2011年3月11日を遠い過去にしようとするかのような意図が働いていているような気がします。 

福島からの情報が激減している中で、私たちは自分の目で見、身体で感じたことを、都会の人たちに伝えていかなくてはと思います。

福島の農業も教育も、その現場で生きる人たちの自己責任と自助努力で乗り切っている現状を、リアルタイムで知らせていく必要を感じます。

福島は終わらない!むしろこれから!そして、そこに続く原発のある町々の課題と進むべき道を、ともに考え、持続可能な社会とはどういう社会かを模索し続ける責任が私たちにはあります。

何度でも、福島に足を運びたいものです。            (えんどう豆)

 


福島へ行きましょう。!

2012年05月22日 | 福島視察

 

東京都新しい公共の場づくりのためのモデル事業

福島視察バスツアーへのお誘い

福島とつながる種まきプロジェクトネットワークでは、7月1日(日)~2日(月)に被災地福島の視察に行きます。

今回訪問するところは、二本松・南相馬市・郡山市です。 今年2月、恵泉女学園大学に来てくださった福島の方々が、その後どのような状況下で暮らしているのか、自分の眼と身体で確かめてきます。今後、息長くつながっていくための重要な視察となります。参加ご希望の方は、お申込みください。※ただし、応募多数の場合は、お断りする場合がございますのでご了承ください。

7月1日(日)※予定コース

9:00国立市発  (大学通り集合8:45)

二本松市旧東和町・道の駅「ふくしま東和」 研修、農場視察等 交流会(泊)  

                          

7月2日(月)

9:30南相馬市・小高商業高等学校視察(原町高等学校内)

福島第一原発事故後、福島市と相馬市に分かれてサテライト校だったが、4月に統合し、現在は原町高等学校に間借り。一部生徒は寄宿生活をおくる。警戒区域解除となった小高地区にも入る予定。出入り自由だが宿泊はできない。ライフライン壊滅のため簡易トイレが各所に設置されている。

15:00郡山市・郡山東高等学校視察

校舎の壁に大きな亀裂が入り使用出来ず、仮設校舎で900人以上の生徒らが学んでいる。

20:00国立市着

 

お問い合わせ:福島とつながる種まきプロジェクトネットワーク 

お申し込み:TEL・FAX 042-573-4010

     :メールアドレス spacef@ac.auone-net.jp 

お名前                  年齢(    )  女 ・ 男 

 TEL:                E-mail:

 携帯番号:

〒       ご住所 

  


震災の爪痕:郡山の高校

2012年04月13日 | 福島視察

小高商業の斎藤校長は、4月より郡山東高校に着任されました。

  生徒数936人(24クラス)のマンモス校ですが、地震の被害が大きく全生徒が仮設校舎で学んでいます。
 
  「大震災の被害の実態は想像以上に大きいということを実感させられました。」と。
  

放射能からいのちを守る全国サミット

2012年02月11日 | 福島視察
11日、福島市で開かれた、
「放射能からいのちを守る全国サミット」に行ってきました。
12日も健康相談会がありましたが、11日だけ参加しました。
 
300名以上の参加があり、熱気あふれる集会でした。
中心になって活動しているのが、30才~40才代の女性であり、
社会をかえようとする人々が、新しい世代になっていることの息吹も感じました。
 
全国各地の、保養等の受け入れ事例がたくさん報告されました。
しっかりとできているところは、やはり、北海道や大阪のように、
行政と民間のタイアップがしっかりとできて
いるところです。
 
また民間でもかなり大規模にやっている人たちもいて、
プロ並みの資金調達や、職業人が加わってプロジェクトに取り組んでいます。
 
分科会は、「保養」のグループに参加しました。
こちらも、かなり活動の蓄積のあるグループがそれまでのノウハウや、
地域の関係性を活かして体制作りをやっているのは、
当たり前ですが普段の活動の土台がないと、
急にはなかなかできないことだと思いました。
 
たねまきネットも、あせらず、しっかりと活動の基盤作りをしなくてはと
改めて、思いました。