総会に際して
嘘つきの希望を語る時代になったようです。深刻です。
腹立たしさと「どうなったちゃうんだろう?」という不安が、気持ちを泡立たせています。
でも悲観は終わりを早めるだけだし、楽観は何かをはじめる原動力になると思います。
この1年何かをはじめる年にするため、日々たのしみのもてる暮らしをしていきましょう。
“福島につながる”ことも楽しみのひとつとしていきたいと思います。
だから、ひとよ。
虚飾の舌で
優しく、希望を歌うな。
偽りの声で、声高に、
愛を叫ぶな。
<齋藤 貢「いのちのひかりが」より抜粋>
■2016年度活動報告(2016年4月~2017年3月)
1、福島に通い、人々と交流する。
・5/28~29 スタディツアー「海と山を巡る旅」
・11月 OJONCO館リニューアル工事完成
・2017年4月 OJONCO館リニューアル内覧会
回数は1回だったが、震災直後とは違う福島現地の人々のご苦労が感じられた。被災当事者にとっての復興が福島内部での様々な葛藤を抱えながら進まねばならない厳しい現実に向き合う姿が垣間見えた。交流というのは、時がたつ中での福島の課題を、支援する者される者という立場を超えて日々地域で暮らす同じ住民の共通の課題とし、ともに考え、できることを続け、福島を孤立させないつながりを保ち続けることであるように思われた。
2、地域の中に福島と出会う場を作る。
・9/24~25 ウィークエンドふくしまinくにたち
「飯館村のかあちゃんたち 土とともに」上映会
「出張 ぷろばんす亭」
・10/29 ウィークエンドふくしまinくにたち
「お届けしたいのは生命力(いのち)という名の農(みのり)」
南会津 馬場さんの手塩にかけた豆料理(黒豆豆腐作り)
・2017年2/4「立春まんまる発酵まつり」(味噌作り)@つなぐごはんまんまる食堂
・2017年 2/25 「原発避難の今を聴く」トークセッションinくにたち
~出会いと共生 福島・東京 子どもたちの未来を考える~
市村高志さん、鹿目久美さん、根本敦子さん
報告避難と共同センター事務局 植松青児さん
上映会も他の企画も盛況だった。それは震災後6年経つ今も、福島に強い関心をもち想いを寄せる人たちは少なくないこと、福島の人々が今どんなふうに暮らしているのかに思いを寄せる人々が、今だからこそ福島と出会いたいと思っていることを教えてくれた。そしてそれはただ情報や知識がほしいというよりも、何かを一緒にしたい、共感したい、日常の中で出会いたい、ということだと思われる。
トークセッションは、福島にいても他の地域で暮していても、福島というふるさとをそれぞれの中でどのように受けとめ、これからどう生きていこうかということが一人一人に迫られていて苦しみをうんでいることが伝えられた。リアルな「福島のこと」が語られ伝えられ、とても貴重な時間をもつことができた。
3、福島の子どもを見守る。
・8/20(土)~21(日) 恵泉キッズ関係ツアー
・2/25 「原発避難の今を聴く」トークセッションinくにたち
~出会いと共生 福島・東京 子どもたちの未来を考える~
3年間継続した「福島キッズ リフレッシュ&エコキャンプ@恵泉」を今年度はお休みした。そこで今年度はこちらから、キャンプに来てくださった方たちの地域を訪問しようということでツアーを組んだ。キャンプに来てくださった関係者の皆さんにお会いでき、歓迎していただき、キャンプが実りあるものであったことが感じられた。しかし一方で福島現地には、「保養」「避難」等に抵抗感を示す人々もあり、必ずしも「東京に行く」ことが簡単なことではますますなくなってきていることも感じられた。
今後、福島の子どもを見守るということを、どんな形と内容で継続するのがよいのかを考えていく必要も感じた。
またトークセッションでは、子どもたちのことで報道されている福島の子どもたちへのいじめの問題はけして特別なことでなく、潜在的にあったものが表面化しただけであることや、国や自治体の支援が次々と打ち切られる中、あらゆる問題が自己責任に帰され一人一人が迫られ、苦しい状況に追い込まれていることが語られた。子どもたちをどう守っていくのかは、当事者の問題というよりは、それを取り巻く周囲のまなざしや生き方が問われている問題なのだと受け止め、ともに考えていきたい。
4、農と食を通して福島を支える。
・9/24~25 ウィークエンドふくしまinくにたち
「大館村のかあちゃんたち 土とともに」上映会
「出張 ぷろばんす亭」
・10/29 ウィークエンドふくしまinくにたち
「お届けしたいのは生命力(いのち)という名の農(みのり)」
南会津 馬場さんの手塩にかけた豆料理(黒豆豆腐作り)
@つなぐごはん まんまる食堂
・2/4 立春まんまる発酵まつり(味噌作り) @つなぐごはんまんまる食堂
これは「地域の中に福島と出会う場を作る」と重なっている。出会う場として農と食は日常生活に欠かせないことであり、命と自然に直結するテーマであり、人をつなぐ鍵になる。どの企画も盛況であった。
農も食も、都会の私たちはその生産を他人事として誰かに任せてその結果を享受するという関係に問題を感じることなく過ごしてきたかもしれない。福島の原発事故を契機に福島を農と食の対象として見直すことになった。そんなことを見直し考え直していくきっかけを地域に作っていきたいとの想いもあり企画してきた。
だが、この企画を通じて、むしろ福島の人たちが厳しい現実を乗り越えていこうとする元気に出会うことができ、共感し、これからも農と食を通してつながっていきたいという思いを参加者にもっていただけた。
5、種まきネットの活動の輪を拡げる。
・5/3(月・休日)立川憲法集会 展示とcafé
・5/28(土)13:30~@一橋大学 シンポジウム
「原発事故は終っていない」原発事故から5年/追い詰められる被害者
・11/5 一橋祭「ふるさとの喪失」あるいは「剥奪されたふるさと」
・11/6 くにたち市民祭り
「ざくざく」「おにぎり」「丼もの」「きのことマサの焼き菓子」完売
・2/25「原発避難の今を聴く」トークセッションinくにたち
-出会いと共生 福島・東京 子どもたちの未来を考える-
市村高志さん、鹿目久美さん、根本敦子さん
報告:避難と協同センター事務局 植松青児さん
「種まき通信」の発行を続けてきたこともあり各方面にその存在が知られるようになり、今年度は歴史ある立川の憲法集会から展示とカフェのお誘いがあった。おかせてもらった資料もかなり持ち帰っていただき福島への関心の高さが伺われた。
恒例のくにたち市民際での販売も、福島の郷土料理「ざくざく」とおにぎりも毎年少しずつ種類や数を増やしているが、今年も完売した。支援団体が少しずつ減っていくなかで種まきネットの活動が続いていることがこの市民祭りで市民に知ってもらうことができている。
こうした活動を通じて、今も会員が減ることなく安定した会員数を保っている。
◎活動日誌
4/9 事務局
4 /17事務局会
5/3(月・休日)立川憲法集会 展示とcafé
5/25事務局
5/28(土)一橋大学シンポジウム「原発事故は終っていない」/恵泉女学園大学スプリングフェスタ
5/28~29たねまきネットスタディツアー「いわきの海と山を巡る旅」
5/31事務局
6/20事務局会
6/25たねまきネット第5回定期総会 「種まき通信No.12」発行
7/18(月・休日) シビル総会にて記念講演(共同代表:狩野さん)
7/29事務局
8/20(土)~21(日) 福島キッズキャンプ実行委員会の福島訪問(冨岡町、いわき市三和町上三坂、三春町)
8/26事務局
9/15 福島キッズキャンプ実@恵泉大
9/18事務局
9月24(土) ウィークエンドふくしまinくにたち映画上映会「飯舘村のかあちゃんたち 土とともに」
9/25日(日) 昼食出張ぷろばんす亭、交流@JIKKA
10/17事務局
10/29 ウィークエンドふくしまinくにたち・南会津 馬場さんの手塩にかけた豆料理(黒豆豆腐作り)
11/5 一橋祭「ふるさとの喪失」あるいは「剥奪されたふるさと」
11/6 くにたち市民祭り「ざくざく」「おにぎり」「丼もの」「きのことマサの焼き菓子」完売
11/15事務局
11月 OJONCO館リニューアル工事完成
12/6事務局
1/25「種まき通信№13」発行
1/26 福島キッズキャンプ実@恵泉大
2/4 「ウィークエンドふくしまinくにたち」立春まんまる発酵まつり(味噌作り)
2/19事務局会議
2/25「原発避難の今を聴く」トークセッションinくにたち
-出会いと共生 福島・東京 子どもたちの未来を考える-
4月 OJONCO館リニューアル 内覧会
4/13事務局
5/10事務局
6/1 市村高志さんと打合せ(ふくしまキッズ、ツアー)
6/2事務局
6/17 たねまきネット第6回定期総会
■2017年度活動方針
1、福島に通い、人々と交流する。
今年度もツアー等を企画し、福島現地に通い自分たちの目で見、身体で感じることを大切にしていく。9/9-10避難指示解除となった冨岡町を視察(予定)
2、地域の中に福島と出会う場を作る。
「ウィークエンドふくしまin くにたち」の企画を継続し、ますます届かなくなっている福島からの生の声を伝え続け、交流と出会いの場を作っていく。11/5くにたち市民まつり出展
3、福島の子どもたちを応援する。
今年度も恵泉女学園大学を会場にして、「福島キッズキャンプ」を開催する。これまでに培ってきた関係性の中から子どもたちともつながり応援していきたい。8/5~7開催
4、農と食を通して福島の未来を考える。
今年度は11月と2月に、馬場さんとの交流企画を行う予定。11/25、2018年2月
5、種まきネットの活動の輪を広げる。
全ての企画を通じて、種まきネットの活動を知ってもらうのは当然だが、今年度もくにたち市民まつり等、多くの市民と出会える行事等に参加し、販売や通信をとうして会員を獲得していく。
以上、福島とつながる活動は続きますので、ご支援よろしくお願いいたします。
2017年6月17日 福島とつながる種まきプロジェクトネットワーク
《会費・カンパ ご協力のお願い》
震災6年目、引き続き支援活動を進めてまいります。
(会計担当:渡辺)
■個人会員 年 3.000円
■賛助会員 年10.000円
郵便振替口座:00190-1-708341
口座名義:福島とつながる種まきプロジェクト
総会終了後、スベトラーナ・アレクシェーヴィチ「小さき人々の声を求めて」DVD観賞しました。