来て、感じて、伝えてほしい・・・
放射能の中で生きのびるために
この「刺激的」なテーマそのままのフォーラムでした。東京では、東日本大震災は「復興」の文字が氾濫する中で「被爆」の文字は隠され、かろうじてこの時期<広島・長崎>に重ねて語られるだけで、この時期が過ぎればまた忘れられていくのではないかと思ってしまいます。福島ではこの「生きのびる」という言葉はけして「刺激的」なのではなく、現実なのです。
福島の現実は震災・原発事故当時と少しも変わってはいないことが、行って、聴いて、見てみるとよく分かります。このタイトルの意味するものは、小さくありません。
私たちたねまきネットの3人は、初日の全体会と2日目の分科会「いま、いのちを守るために(保養・避難)」の分科会に参加しました。全体会は武藤類子さんと吉野裕之さんのお話でした。このお二人のお話をきいている方は多いと思いますので省きますが、分科会では地元3人の方から報告がありました。これはより具体的な日々の活動のお話だったので、大変簡単になりますがご紹介しておきます。
分科会1 いま、いのちを守るために(保養・避難)
●TEAM二本松(二本松放射能測定室)松本さんのお話
北海道恵庭との保養・交流を継続している。小学校のソフトボール部30人が2マイクロシーベルトのグランドで練習していた。それを北海道でできる。8月10日からまた北海道に子どもたちは行く。湖やグランドは子どもを元気にしてくれる。 他の土地へ行っても差別されるんじゃないかと思って外にもでれないんじゃないかと思ってしまう。そんな時に、この福島に来てくれる人がいると元気になれる。頭から放射能が離れることはない。福島から転校や避難するという話を聞くたびに、ここに残って子育てしていいんだろうか?とも悩む。出るにしても、残るにしても悩みはつきない。
福島は今も終わっていない、進行形。震災前と同じ。でも住んでる人は違う。市民測定室をつくりホールボディカウンターをおいて、秋から内部被爆も測る。グランドづくりもする。避難できない環境にある子どもたちには、全国各地での保養を提供する。去年との違いは「放射能が見えた」こと。だから保養に積極的になれる。ただ、家族の間でもお母さんは子どもを保養させたくても、他の家族がそうでない家もある。メディアの安全報道も出ずらくなっている要因。家族内の温度差でママはあきらめかけて苦しむことも多い。だから家族で行ける保養、ファミリーホームステイで家族間の温度差をなくしたい。ママと一緒に行ける保養にしたい。そうしないと1人で行ける年齢は小学校3年生以上。乳幼児は行けない。
行政や団体での保養は1年だけとかで続かない。結局自費になる。だから顔の見える関係の中で口コミで広げたい。長いたたかいになる。去年行ったところに今年もいける関係を作っていきたい。
家族なかよく暮らせるようにしたい!!
●FoE Japan(国際環境NGO)万田夏花さんのお話
「避難の権利を巡る運動と原発事故被災者支援法」について、お話されました。文科省が20ミリシーベルトまで安全としたのを、撤回させ、1ミリシーベルトにさせる運動を担った。変えることができて良かった!アンケート調査をしたら、避難しない人たちの理由の第一は、経済的問題で避難したくてもできない、第二は故郷を出たくない、第三は仕事がやめられない、ということ。けして安全だと思って出ないわけではないことが分かる。
12月6日に自主的避難等に関する賠償方針が出たが、子ども1人40万円、大人1人8万円、が1回だけ!という程度。焼け石に水。渡利地区、大波地区は高い線量。自分たちは行政が避難指定地区にしないのをみて、ほっとけないと思い、FoEは政策を研究検討提案する団体だが見かねて保養も始めた。<わたり土湯ぽかぽかプロジェクト>避難したくてもできない人に近くて気軽に、そして長期もOKということでやっている。今年1月スタートしてから1640人355家族が利用。
原発事故被災者支援法が6月議員立法でできた。第3条に国の責任明記、第8,9条に支援内容がある。これはとても良いが理念法なので、実際にこれに基づいて具体的な政策がつくられ実施されないと意味がない。対象地域に範囲書いてない。基本方針これから。最初は「被爆」という言葉がなかったので、それでは骨抜きになるので、頑張って入れさせた。これからは被災者の声を沢山反映させてこの法律を活かす活動が必要。
しかし、自分たちも疲れてきている。お金も人も・・・。民間の力も質も素晴らしいが、行政が予算つけてきちんとやらないと続かない。財務省は文科省の1ミリシーベルトをあげたがっている。財政の関係。市民の注視が必要。
●沖縄・球美の里いわき事務局 鈴木薫さんのお話
いわき放射能測定室を開設している。その活動と一緒にチェルノブイリの保養所をモデルに久米島での長期保養を企画している。24日間の保養で20%セシウムが減る。しかし福島県教育委員会はまだ認めていないため、保養する子どもたちは欠席扱いになる。保養を認めると、被爆を認めることになるという論理で認めていない。また保養の対象者を決めるのも難しい。緊急性のある人から行う。妊婦さんは産院がないため受け入れできない。同じ人が2回は無理。
久米島の町役場はとても強力にバックアップしてくれている。ホームページにも載せてくれて、ボランティアの募集などにも協力してくれる。福島県もぜひ保養の必要性を認めてくれるように、これからも働きかけていきたい。やはり行政が予算化してやることだと思う。
以上、大変雑ぱくなまとめですが、お伝えしました。これ以外にも会場から被災者の方たちの生の声、発言をきくことができました。何度もいいますが、福島は終わっていません!何も変わっていません!皆さんもぜひ、機会を作って福島を訪ねてください。そして生の声をきいてください。たねまきネットも、また近いうちに行きます。その時にもどうぞ、ご一緒に!!