(変)独身貴族

変態紳士の俺が歩んできた日々の日記。
不定期とは言え気が付けばもう20年以上日記を書いていた模様。

貸切バス新運賃制度

2014-06-18 15:28:21 | Weblog

と、いうことで、貸切バス関連の知人がいたりいなかったりするシニスです。

貸切バスのこの新運賃制度、そもそもの始まりはバス事故の多さ

バス事故が多い→労働環境が悪い→給料が安い→バスの料金が安いから→強制的に値上げしよう

「国で上限下限の運賃決めるから違反したら行政処分な!!!」

「今まではバス会社だけ処分してたけど、違反運賃で運行依頼した旅行代理店処分な!」

こんな流れで新運賃制度が始まったようなのですが、尋常じゃない落とし穴がありました。

通常、バス会社が旅行代理店手配会社から仕事の依頼を受けたとき、相手に10~20%手数料を払うのが業界常識だそうで、バス料金も手数料も大抵相手の言い値

下限割れはあたりまえで、ひどいときだと経費で赤字になるような仕事もきてたそうです。

新運賃制度が始まり、ようやくまともな料金で仕事を請けられると思ったらこの手数料曲者

バス会社が旅行代理店に払う手数料に関しては何も制限が無い

代理店に手数料払った結果、バス屋が手にする運賃が下限割れしてても問題なし

つまり、旅行代理店は貸切バス会社から受け取る手数料のパーセンテージを上げれば、実質今までと変わらない料金でバスを手配出来る

バス屋はどうしても、旅行代理店より立場が弱いそうで、断ることができないんだそうです。

以前運送申込書が義務化になった時に、代理店から送られてくる本来バス会社が記入する運賃欄に既に金額が記入されてるっつ~話も聞いた位ですから、よっぽど立場もよわいんだろうなと。

知人は「結局貸切バス屋の状況は変わらないよ」と言っていましたが、俺考えました

変わらないどころか悪化の可能性。

通常、直接バス屋に問い合わせてくる一般のお客さんには会社に十分利益の出る料金でバスを利用してもらうそうです。

知人曰くこれが地域密着型零細貸切バス屋の生命線となっているそうです。

逆に、大手代理店とかツアー会社と契約してると、もともと言い値の低料金な上にバス代金から手数料をとられ、ひどい会社だとバス会社のETCカードと車載機立替させた上に高速道路料金からまで手数料を取るツアー会社や代理店もあるそうです。もちろん車載機やETCカードの導入費用はバス会社の自腹。

ひでぇなマジで。

そんなツアー会社からの仕事の内容といえば、拘束時間は長いわ、距離は走るわ、料金は安いわ、ひどいときには赤字だとの事で、「だったらやらなきゃいんじゃね?」と聞くと、個人からの直接の貸切バス依頼だけだと仕事量が絶対的に少ないので、利益は出なくとも大手代理店契約してバスの稼働率を上げるそうです。

今回の改正で、新運賃で計算した金額が下限の範囲を下回るとバス会社だけでなく、運行を依頼してきた旅行代理店等にもなんらかの罰則が付くようにはなったそうなので、知人もこれ旅行代理店の好き勝手にはできねぇだろうと思ったそうですが、ところがどっこいそれはあくまで計算結果の運賃の話で、そこから旅行代理店は手数料いくら取ろうが問題ないとの事でした。

俺・・・気がついちゃいましたよ、じゃぁ俺が直接知人に貸切バス貸してくれって依頼するより、一旦旅行代理店を通したほうがバス代が安くなるんじゃねぇの?って

じゃぁ、それ気がついたお客さんはもう直接貸切バス会社に申し込んだりしないで、必ず代理店通すようになるよねっ?

直接貸切バス会社へバス貸してくれ~って申し込んだ個人のお客さんには貸切バス会社はがんばっても下限の料金しか提示できないが、旅行代理店はバスを手配する際に手数料さえ引き上げちゃえば合法的にいくらでも値引きする事できるよねって話。

「さすがにそこまでえげつない事しないだろ~」って話をしてたんですが、以前こんな事があったそうで・・・

 

とある学校が知人の貸切バス会社や付近のバス会社、大手旅行代理店に見積もりを依頼しました。(相見積もり)

まぁ、バス持ってない旅行代理店に見積もり依頼だす学校もどうかとおもうが。

知人の会社は見積もり金額で負けました

でもその仕事でバスを走らせたそうです

なんでか?

知人が出した見積もり金額より安い金額でその学校に見積もりを出した大手旅行代理店から貸切バスの運行依頼が来たそうです、しかも

すげー安い金額で。

いやもう、さすがにそれは断れよと思いましたが、そんな状況でも断れない位代理店に対しては立場が弱いようで。

 

 

一時は貸切バス業界が健全化するかと思われた、貸切バス新運賃料金制度ですが、生命線だった個人のお客さんまで旅行代理店経由のバス手配になりかねないしますます苦しくなって行きそうですね。

新運賃から計算したらツアーの仕事とか料金どのくらいなりそう?って聞いたら。1.5倍~2倍位になりそうって。

それ

「今までとバス料金変えないようにしたら代理店に手数料50%とか言われんじゃね?(笑」

とか半笑いで言いましたが。

知人の所には既に取引先の大手旅行代理店から「手数料で実勢運賃が今までと変わらない程度に調整する」っつ~連絡が入ってるそうで

おう、50%ってそれ手数料ってレベルじゃねぇぞ。 
 
俺の常識は通用しない世界のようだ。
 
 
 
ま、そんなこんなでバスドライバーの労働環境改善や重大事故を減らそうと始まったこの貸切バス新運賃制度ですが、知人の話を聞く限り、状況が悪くなる事はあっても良くなることはなさそうですね。
 
 
てっきり、貸切バス業界を良くする為に国が動いてくれたのかと思ったら
 
零細貸切バス会社から個人客まで全部かっさらおうとする一部の大手代理店巧妙な手口だったのかと。
 
まぁ貸切バス運賃・料金制度ワーキンググループ委員とかいうののメンバー見りゃあながち俺の考えも的外れじゃない気がする。
 
コメント (3)
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