皆様ごきげんよう。今朝、最寄り駅で電車に乗ろうとしたら、ドアが開いた瞬間自分の待っていたドアの隣のドアから「お前降りろよコラァ!」と怒声が。
なんだなんだと見てみると、原因不明ながらリーマン同士で何かでもみ合いになったらしく、ひとりのリーマンはシャツのボタンがあらかた取れていてネクタイを他のリーマンに掴まれていました。「駅員さんこいつなんとかして!」とか「こいつのほうこそなんとかして!」とか。押した押さないでモメたのか、もしかして痴漢だったのか知りませんが、わたしが思ったことは「それ以上モメるならとりあえず降りてからやってくれ」でした。だってこの電車が遅れたら遅刻だぜ!
朝の通勤ラッシュって、誰もが少なからず不快だとは思うんです。押し合いへしあいしてて楽しく盛り上がれようはずもなかろうし、気持ちはわかりますが、日本の鉄道は世界一正確なダイヤを誇っているのです。それも利用客のグッドマナーがあればこそ。お互い少しずつ譲り合って、快適ではなくとも不快ではない程度で過ごせるよう心がけようじゃありませんか。
グッドマナー。バイ、黒猫。
・・・とか何とか、なんかマナー広告っぽく始めてみましたが皆様ごきげんいかがですか黒猫でございます(つかみが長すぎるよ)。
それはさておき(置くのかよ)、今日は『父親たちの星条旗』の試写会に行って参りました。
なんか「セキュリティチェックのため荷物検査をしますので予めご了承下さい」とか言われたり、実際検査された上、金属探知機みたいなのでポケットまで検査されたので、もしかして誰かキャストが来るのかな?と思っていたら誰も来ませんでした。・・・あれぇ?普通ここまで厳重にされる時は、舞台挨拶があったりするんですけどねぇ。ま、確かにハガキには何も書いてなかったんですけど。
今は葬儀社を営んでおり、かつて硫黄島に出兵した経験を持つ老人が倒れた。彼の名はジョン・“ドク”・ブラッドリー(ライアン・フィリップ)。かつて「硫黄島にアメリカ国旗を立てた英雄」として、ふたりの戦友アイラ(アダム・ビーチ)とレイニー(ジェシー・ブラットフォード)とともに熱狂を持って祖国に迎えられ、全米をツアーして戦争資金獲得のための国債の購入キャンペーンを行った過去がある。
しかしそんな過去を持ちながら、ジョンは息子には戦争体験を何一つ語らなかった。父が死に行こうとしている今、息子ジェイムズはかつての父の戦友たちを訪ね、その足跡を探ろうと試みる。
1945年。辛く長い戦争が続く中、厳しい戦いになると思われていた硫黄島に星条旗を打ち立てた6人の兵士の姿が、偶然戦場カメラマンによって撮影されていた。それが有力紙の一面を飾ることで、彼ら6人は国全体の戦意を高揚させた英雄に祭り上げられる。彼らを使って国債の購入を国民に呼びかければ、不足している軍事費の調達もうまくいくに違いないという上層部の判断により、彼らは本土へ連れ戻されたが、6人のうち3人は既に戦死していた。しかも写真に写った彼らは、実は最初に旗を立てたグループではないということが判明し・・・?
というようなお話。
これは12月に公開される『硫黄島からの手紙』(邦画、上のリンクから飛べます)と併せて硫黄島二部作という形で公開されるようです。今回の『父親たちの~』はアメリカ兵から見た硫黄島、『硫黄島からの~』は、日本兵から見た硫黄島を描くようです。
おそらく20歳になるかならないか程度の、ほとんど何も知らないであろう新兵たちが、決死覚悟の日本軍の猛攻に曝されて次々と斃れていく場面はひたすら痛々しいばかりです。主人公のドクは衛生兵なのですが、ひとたび戦争が始まると色んなところで「衛生兵!衛生兵!」と呼ばれ、負傷した兵士を手当て・移送するために色々危ない目にも遭います。ひとを殺したことなんてなかっただろう若者が、苛烈な戦争を体験して、心に傷を残さないはずはないのに、アメリカでもこの当時はまだPTSDがきちんと病気として認識されていなかったのでしょう。帰国した3人に課せられた猿芝居がさらに傷を抉っています。これも戦争のひとつのむごさかも。
彼らはものすごい犠牲を払い、心にも身体にも深い傷を負って生き延びたわけですが、それで得たものはあったのだろうか、というような、何だか虚しくもの哀しい映画でした。
予想していた泣かせるよ!と狙ったシーンがほとんどなく、淡々と進んだのが意外でした。
機会があれば『硫黄島からの手紙』も観てみたいですね。こちらはもう予告編だけで玉砕感がひしひしと感じられ、虚しさ満載の予感がします・・・。
勝っても負けても、戦争は消せない傷を両者に残すということでしょうね。