小学館発行の雑誌「ボーイズライフ」に1964年から67年頃までに、さいとうたかを先生による劇画「007」が連載されていた。先生曰く、この作品を劇画化したいと思っていた矢先に小学館から連絡があったという。
劇画界の巨匠、さいとうたかを。先生は、この作品を皮切りに表舞台の寵児となる。その先生も去年にお亡くなりになられた。その訃報は新聞、ニュースに大々的に取り上げられ、その偉大さはかくの如きだ。
絵は、その先生の画風を意識して描いた。外国の宣材ポスターをまる写ししている。描きたいように描けるのが素人のよいところだ。何を思っているのか、この頃は十代の頃に先祖返りをしている。
あの頃に戻りたい訳ではないのだ。貧乏で苦労の多かったあの頃には、むしろ戻りたくはないが、あの頃の映画や雑誌は今も心の宝なのだ。絵はまだ途中である。これからも画風は二転三転するやも知れない。