今年に入ってすっかりブログのアップがペースダウンしている。いろいろとゴタゴタ、バタバタがありましてどうも調子が悪い。気持ちを切り替えなければ・・・。
ゴタゴタの一つに今やっている仕事で京都の店舗増築計画なるものがある。既存の建物の奥に敷地が空いていてそこに増築すると計画。これがなかなか手強いもので今の建築基準法では既存部分を耐震診断しなければならない。こんなの今までいわれてなかったので、民間の検査機構にいいにいくとどこもやってくれない。どう進めんの?と路頭に迷う~。
京都市役所などいろいろと問い合わせをして、ようやく耐震診断判定と確認申請を一緒にやってくれるところを見つけた。それにしても耐震診断の判定で約1ヶ月半、確認申請で約1ヶ月かかるという。これだけで2ヶ月半・・・。
確認申請までに 美観地区なので景観条例申請、バリアフリーの促進に関する条例申請、中規模小売店舗設置指導要綱の事前協議、消防用設備設置計画書、埋蔵文化財包蔵地での開発行為に伴う届出、屋外広告物許可申請。ひらがなが少ない・・・。
200㎡ほどの店舗を増築するだけで こんなにも申請事項があり、こんなにも時間がかかる。増築部分と既存部分の用途が一体となるので既存部分に再び現在の法律を満足させなければならない。おまけに景観条例なども既存部分に適用され、今ある建物に勾配屋根をかけろと指導される。(今は平たい屋上)そんあアホな・・・。誰がお金出すの・・・。第一、空からしか見えんでしょう・・・。一体、誰が見るのか・・・。
増築部分の道路から全く見えない部分でも 勾配屋根で屋根は瓦か金属板で葺いたものでないといけない、そうでないと認めませんよ~、認めなかったら確認申請出せませんよ~と。陸屋根(真平らな屋上屋根)なら、屋上緑化をせなあかん。それも芝生だけでは認めてもらえず、木を植えろと・・・。そんなことしたら構造体に負担かかってまたお金がかかる。
助成金も出るわけではなく、全て建築主が費用を出す。そんなことでも 平気でやらせようとする。こちらは何もとんでもない建物を増築しようとしているわけではない。ましてや京都が認めて建てた建物を今更どうにかせいとは・・・。勝手すぎるように思えてならない。
昨年も増築の仕事があって苦労したのだが、昨年の6月に法改正があって以来、いよいよ増築はできなくなってきている。これも耐震偽造の影響・・・。昨日の朝日新聞に山口県職員の記事が載っていたが、いくら書類をきつくしても現場検査がきっちりできない限り、設計監理者の立場が強くならない限り、耐震偽造は繰り返されるかもしれない。設計者が疲労するだけで効果があるとは思われない。
増築は簡単にできるものではなくなっている。いや、できなくなっているといってもいいくらいである。国民のために厳しくなった法律であるが、本末転倒のようだ。