この連休は住宅の図面を描いています。途中でふと悩むと必ず見る本があります。これは紹介しておかなくてはと思い、その本の紹介をしておきます。
この写真中身の一部でありますが、「宮脇檀の住宅設計ノウハウ」という丸善から出版されている本です。「宮脇檀」という建築家は建築学会賞をもらった著名な建築家であります。もう亡くなられたのですが、ボクは非常に影響を受けた建築家の一人です。現在、住宅の設計をメインにしているのは様々な建築家の影響もありますが、決定的に住宅設計に傾いたのは「宮脇檀」という建築家の本を読んだからです。
直接お会いしたことはないのですが・・・。若い建築家を目指している人たちにわかりやすくポイントを解説し、ある一定のレベルまで住宅の設計ができるアイデアやエッセンスをちりばめてある本だと思います。生きているうちに会いたかった建築家です。
他にもエッセイなど多数の本を出版されていますが、ほとんど読んでいます。ボクが料理をする理由などはこの人の「キッチンを計画するなら実際に料理が出来ないと設計できない」などということを実行しているからなのです。
文章も読みやすく、これほど有名な建築家で、これほど一般の人にわかりやすく建築のことを文章化した人はいないのではないでしょうか。空間の「居心地の良さ」、空間に対して「プロとしての最低限のレベル」をしっかり若い人たちにつたえようとされたのではないでしょうか。
建築雑誌などで紹介されている奇抜なデザインなどに踏み切れないのは「宮脇檀」の影響かも知れません。(本来は先生と言わなければならないのでしょうが、歴史上の人物と言うのは敬称をなにもつけず、名のみを呼ぶほうが敬意の表れかと)「宮脇檀」は若い頃には前衛的な空間をつくっていましたが、ある年齢以降からは基本に忠実と言うか、「空間の気持ち良さ」を軸に設計活動されていたように思います。
この本はあるレベルまでの良質な住宅を考えるのにはすごく良い本なのですが、時代を引っ張っていく特殊な空間を考えるには才能がないと無理があるかと。ただ、ボクのように普通の設計者にとっては考え方など参考になることが多く書かれています。ボクにとってはこの本は内容的には「ベストセラー」本なのです。
「宮脇檀」のことについては、思い立ったときにまたアップしていきたいと思います。
私も宮脇さんには大変影響を受けた一人です。人生の中で3回、直接にお会いしたことがあり、特に亡くなる1年前、徳島に講演に来られた時に、懇親会で同じテーブルでお話しさせていただいたのです。もう体調がかなり悪くなっておられたようで、あまりお元気ではなかったのですが、「明日、出石中学校のコンペ案を提出しに行くのです。」と仰ってました。そのコンペをとり、確か完成を見ずに亡くなられたと記憶しています。その後、出石(実は私の先祖の地なのです)に中学校を見に行き、中庭で宮脇さんとの出会いを偲びました。
宮脇さんの話は他にもたくさんあります。またお会いしたときに、お話ししたいですね。
ご無沙汰しております。
世間は連休ですが~仕事しています。日ごろのツケが・・・。
あわGさんも宮脇さん影響を受けておられたとは。しかも先祖の地が
出石だったとは~。出石は宮脇さんとは縁深い所ですよね。
「出石中学校」も「伊藤美術館」も「せいし堂」(漢字が・・・)も
見に行きました。特に中学校は亡くなられてから竣工だったので
しみじみと見た覚えがあります。
また、お会いしたときにお話を聞かせてください。