愛の輝きとつぶやき

写真、アート(絵画、書、詩)日記

「足るを知れ」

2016-12-22 16:53:12 | 今に生きる

「足るを知れ」

老子の教えの中から 第九章 ほどほどに生きる

 (原文)

持而盈之、不如某巳。 揣而鋭之、不可長保。

金玉滿堂、莫之能守。富貴而驕、自遺其咎。功邃身退、天之道。

 

 持(じ)して之(これ)を盈(み)たすは、其(そ)の已(や)むるに如(し)かず。

揣(し)して之を鋭くするは、長く保つ可(べ)からず。

金玉(きんぎょく)の堂に満つるは、之を能(よ)く守る莫(な)し。

富貴(ふうき)にして驕(おご)れば、自(みずか)ら其の咎(とが)を遺(のこ)す。

功遂(と)げて身退(しりぞ)くは、天の道なり。

 

(訳文)

容器にものを盛り過ぎるとすぐにこぼれてしまうので、何事も適当なところで

やめておいたほうがよい。

刃物を研ぎ過ぎてあまりに鋭くしてしまうと、かえって長持ちしなくなる。

金銀財宝が部屋の中に溢れていると、いつまでも守りきることは誰にも

できない。

富貴の身で傲慢な態度を取り続ければ、必ずや自ら災いを招く。

事業が成功し、名声が上がれば、思い切って勇退することだ。

それが自然の道に従う生き方である。

 

参照: マンガでわかる老子《入門》 日本能率協会マネジメントセンター

著者 周春才(ジョウ・チュンツァイ) 訳者 漆嶋稔(うるしま・みのる)

 

 

人間はなにごとも腹八分目が丁度良いとよく言われます。

消化にも心臓の負担にもよいことは分かります。

お金持ちを目指し働き、金銀財宝を貯め込んでも新たな悩みと危険が増して

いきます。名声と事業の成功を手に入れると、次は後継者問題やより資産を

増やそうと罪を犯してまで守ろうとします。

パナマ文書の存在は、日本人も思ったより多数いるということです。

政治家や権力者は、歳をとれば周囲に迷惑をかけずにスッキリと身を

引くことが大切です。どれだけの人間がいるでしょうか。

政治家がいつまでも権力を誇示している姿を映像で観ますが、見苦しい

ですね。

また運転免許証をいつまでも手放さない老人が多いです。

高齢者の事故が増え、他人を害してまでしがみついている姿は悲しいです。

人間の欲望はきりがありません。

人間は自分が生きている間にいかに執着を手放せるか?それは大切な

人生の目的ではないかと思います。

足るを知って、ほどほどが丁度良い生き方ができれば、人間としてそれが

悟ったことになるのではないかと思うのです。

 

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「歴代君臣図像」より老子(1)/国立国会図書館蔵