「和の時代に向かって」
これからは和の時代になっていきます。
世界情勢をみても、人類は地球環境を破壊し、エゴとエゴのぶつかり合いで
終着点が見いだせません。殺し合いと脅しが政治として成り立っているのは
どこかオカシイです。
このままの方向で進んでいっていいのでしょうか。
もう地球は限界が来ています。
人類が愚かな存在だったと認めて速く対策を打たないといけません。
それは政治家だけでなく、一人ひとりの個人の生き方、考え方が変わらなければ
これまでの世の中は停滞するばかりです。
自分一人ぐらいどうでもいいのでは無いのです。
新しい世に向かって今激動の時代が始まっています。
人類が愚かでなければ、やがて必ず和の時代に向かっていきます。
「和」とは、“輪”、“環”であり統合であります。
「和」は日本の特色ですね。
「和をもって貴しとなす」
聖徳太子(574~622年)が語ったと言われています言葉で正に真言です。
この言葉は「憲法十七条」(604年)の第一条に記されています。
「一に曰く、和をもって貴しとし、恐(さか)らうことなきを宗とせよ。
上和ぎ、下睦(むつ)びて、事を論(あげつら)うに諧(かな)うときは、
事理おのずから通ず、何事か成らざらん」(読み下し文)
現代語に訳せば「和がもっとも大切だから、みんなでよく話し合って
(そうすれば必ずわかり合えるから)どうするかを決め、決まったことには
さかわらないように(みんなで協力し合うように)しなさい」ということです。
この条文は、とても素晴らしい内容の条文だと今更ながら思います。
聖徳太子の時代から1400年経った現代でも、日本の社会は基本的に
この条文どおりの原理で動いているからです。
とにかく合議制で、何事も話し合って決めます。
民間企業も同様で、いざとなれば株主総会や役員が握っています。
但し、小零細企業はその限りではありませんが。
ただ、いまのような非常時にはスピードと聖徳太子のような強力な
リーダーシップが必要になります。
聖徳太子の思想には奥深いものがあることを最近知りました。
たとえば憲法十七条ひとつ取ってみても、憲法の条文は全体として
「五重塔的構造」と「円環的構造」とを併せ持っているのです。
自然の摂理でいえば、前者は「相似象」と「陰陽」の構造、
後者は「循環」の構造になります。
とても興味深いです。
この詳しいことは、『聖徳太子2』(梅原猛、集英社刊)がお薦めです。