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「明治維新150年目の岐路に立つ日本」

2018-05-27 15:48:54 | 真実を知る

「明治維新150年目の岐路に立つ日本」

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「美(うま)し国」日本の底力  著者:加瀬英明 馬淵睦夫 

                          発行:ビジネス社  第1版発行 2017年10月1日

 

 

⦿八紘一宇につながるトランプの思想 

加瀬 日本の持っている大きな力というものは、長い歴史の中で人種差別をしたことがないというところにも表れています。それから奴隷がいたこともありませんし、大量殺戮をしたこともありません。

 初代天皇の神武天皇が即位されたとき、「八紘一宇(はっこういちう)」という言葉が詔の中に出てきました。

八紘一宇とは、「それぞれの世界の人々が自分の生き方を守って、世界という屋根の下で幸せに暮らしましょう」という意味です。

 

馬渕 先生がまさに非常に的確におっしゃっていましたが、八紘一宇の意味は、「みんなが一緒になる」ということではなく、「それぞれの国がそれぞれの独自性を発揮して、全体として調和がとれる」という発想なのです。

ちょっと極論かもしれませんが、トランプ大統領は本当はこういったことを言いたいのではないかな、と私は思うんですよ。すなわち「こちらはアメリカファーストですが、あなたがたも自国ファーストでやりなさい」と。

ジャパンファースト、アメリカファーストそれぞれを進めつつ、世界の調和をとっていこうというのが、彼の思想、哲学なのではないでしょうか。

現実はそう簡単ではありませんが、これからもし日本の生き方が世界に参考になるとすれば、まさに今後、世界は八紘一宇でやっていかなければならない、ということになると思います。

つまりグローバリズムは行き詰って、これからいよいよ八紘一宇の世界になっていくということなのかなと感じています。

 

加瀬 日本は八百万(やおよろず)の神々の国ですから、神様はそれぞれお違いになられます。

八紘一宇を詩に詠んだ人は多くいますが、たとえば金子みすヾの「それぞれが違うことこそが素晴らしい」という「みんながちがって、みんないい」という詩は、まさに八紘一宇を謳(うた)っているものだと僕は思うんですね。

ですから、ちょっと前に話題になった森友学園の理事長だった人が、「シナ・中国人、朝鮮人は出て行け」と子供に呼ばせていたというようなことは、本来あり得ないのです。

アメリカでも黒人と白人が対等な権利を持つようになったのは、第二次世界大戦後のこと。

つまり、日本がこの前の戦争を戦ったから、人種平等の世界が長い人類の歴史の果てに生まれつつあるといえるわけですね。日本はあらゆるものを取り入れて、融合する力を持っているということなのです。

 

 

⦿十七条の憲法、大化の改新から明治維新へ

 加瀬 明治維新よりはるか昔の7世紀に、」日本は明治維新と大変よく似たことを行っています。

それが、西暦646年の大化の改新です。

大陸で唐と朝鮮半島の新羅の力が大きくなって、日本はちょうど幕末と同じように、海外から大きな脅威が迫っているという危機感に駆られます。そこで、天皇を中心とした中央集権国家に生まれ変わらなければならないとなり、唐の制度の真似をして、大化の改新を行ったのです。

それまでの日本は、豪族が日本を分割して、それぞれ自分の土地を治めていました。それを中央集権にして、天皇が権力の一番上に立つような制度に変革したのです。

ところが当時、孝徳天皇は詔において、

「独り制(おさ)むるべからず

臣の翼(たす)けを待つべし」

と、おっしゃっているんですね。

天皇が実質的に権力を握ることはなかったわけです。日本の天皇は世界の中でも珍しく、覇権を握る支配者ではなかったのですね。

また、大化の改新より前の西暦604年には、聖徳太子により「十七条の憲法」が公布されています。

第一条が有名な「和を以て貴しと為す」。第十条に「それぞれの人にはそれぞれの思いがあります。自分一人が優秀だと思ってはいけません」とあって、最後の第十七条では「大切なことは、皆でよく相談して決めなさい。皆が合意して決めたことは正しい」としたのです。

大化の改新のときの「独り制むるべからず。臣の翼けを待つべし」も、さらには明治天皇の五箇条の御誓文も、まったく同じことを言っている。すなわち、天皇も含め「すべてが平等である」という考え方です。

元々神道も、全部神様が横並びです。これがたとえば朝鮮半島の神話だと、檀君(だんくん)という男性の独裁神が一番偉くなります。また、中国の天帝も男性の独裁神です。

あるいはユダヤ・キリスト教の神様、これは同じ神様ですが、やはり独裁神、男性神ですね。

リシャ神話とローマ神話、これも同じものですが、やはり独裁神。それから北欧のオーデイーン神話も独裁神なのです。

このように、世界の神様は権力を持っている反面、日本の天照大神のみが権力を持っていません。

一番偉い神様であり、権力はあるが権力はないという、まさに代々の日本の天皇と同じなのです。

日本は、そういう伝統が延々と続いてきた国なのです。だから、世界の中で一番謙虚な人間は、歴代の天皇だと思います。

大使は今の陛下にも何度も拝謁されていると思いますが、こんなトップの人が謙虚な国というのは世界の中で日本だけではないでしょうか。

 馬渕 確かにそうでしょうね。

 

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十七条の憲法(604年)             ※現代語訳要旨

 

第一条  和を貴び、人にさからいそむくことのないように心がけよ。

 

第二条  篤く三宝を敬え。三宝とは、仏と、法(仏の教え)と、僧(教えを説く侶)である。

     

 第三条  天皇の詔(みことのり)を受けたら、必ず謹んでこれに従え。

 

第四条  役人は、人の守るべき道をすべての根本とせよ。

 

第五条  裁判は公平に行え。

 

第六条  悪をこらしめ、善をすすめよ。

 

第七条  人は各自の任務を果せ。

 

第八条  役人は、早く出勤し、遅く帰ること。

 

第九条  すべてのことに、嘘偽りなきまごころをもって当たれ。

 

第十条  人にはそれぞれの思いというものがある。自分だけが優秀だと思い込んではいけない。


第十一条  功績があれば賞を、罪を犯したら罰を、正しく与えよ。

 

第十二条  地方官は民から税をむさぼり取ってはならない。

 

第十三条  役人は自分の職務の内容をよく理解せよ。

 

第十四条  他人に嫉妬の心を持つな。

 

第十五条  私心を捨てて、公の立場に立つのが、君主に仕える者の務めだ。

 

第十六条  民を労役に使うのは、農業の仕事の暇なときにせよ。

 

第十七条  大切なことは一人で決めないで、みんなとよく議論して決めよ。