月刊美術編集部ブログ

アートにどっぷりとひたる毎日

明日から話題の中国至宝展がはじまります

2010年01月14日 | 管理人兼水泳部員N
最近、中国の美術品市場が盛り上がってますね。
ちょっと前まではITバブルに乗っかった若い実業家を中心に、現代アートを買い集める動きが活発でした。チャイニーズ・コンテンポラリーの波は、アメリカやヨーロッパのアートディーラーたちも巻き込んでいきました。中国だけでなく、アジア全域のアートにも注目を集めるという流れもこの余波の一つです。

世界的な不況の煽りで現代アート系の盛り上がりはやや落ち着いてきましたが、その一方で、中国の古典絵画への関心は逆に高まっているようです。特に、戦前戦中に散逸した中国絵画なかでも書画を買い戻そうという動きがいま活発になっています。

中国のオークション会社が東京に事務所を構えて出品を募ったり、ブローカーが日本の買い付けのために骨董店を回ったり、具体的な動きはいろいろあります。

ところが逆に日本人の側からすると、そもそもどれが中国作家の作品なのか、それがどの程度有名な人なのか、いくらくらいするのか、などほとんど全く認識がありません。

その手がかりになる展覧会が明日から開催されます。
東京・飯田橋の日中友好会館の「中国至宝・朶雲軒所蔵名品展」(1月15日~17日)です。
これまで国外持ち出しが困難だった名品を一堂に集めるので、これを見ておけば、中国美術の大きな流れは知っておくことができるのではないかと、期待しています。ちなみに出品されるのは、董其昌、八大山人、呉昌碩、斉白石(写真の作品)、張大千など。
それに中国から鑑定家も来るので、その場で書画を見てもらえます。
自宅にそれらしい掛軸があったら、見てもらうといいですよ。

月刊美術では、こうした中国美術の情報も順次掲載していく予定です。ご期待ください。

中国至宝・朶雲軒所蔵名品展 展覧会及び中国美術品鑑定会
会期
2010年1 月15 日(金)~17日(日)
時間
15日12:00~17:00
16日10:00~17:00
17日10:00~16:00

芳賀一洋最新作品

2010年01月14日 | 瀬戸際おじさんK

1月13日。北区中里にある造形作家・芳賀一洋さんの工房を訪ねました。
2003年N.Y.のミニチュア展で知り合ったアメリカの顧客から発注されたジオラマ作品が完成したというのです。
発注者の曽祖父が20世紀初頭「馬具店」を経営していたらしく、送ってきた一枚のセピア色のモノクロ写真を頼りに、何度も現地調査をしながら数年がかりで完成させた作品ということです。
工房の一角には80分の一サイズで再現された馬具店にミニチュアが出来上がっていて、中からはほの暗くも温かな電燈の灯りがこぼれていました。