リュウ庵

尼崎市住む猫大好き人間。
駄文を書くのも好きです。

桜蕊降る季節に

2020-04-17 13:38:54 | 日記

満開の桜が散り、あわただしく蕊(しべ)降る季節になった。

風に吹かれて降った蕊が、道を赤く染めている。

見上げる枝には若葉も芽吹き始め、「山笑う」青葉の季節が来た。

 

「桜蕊降る」

    桜散り蕊降り歳また重ね  鷹羽狩行

「山笑う」

  故郷やどちらを見ても山笑う  正岡子規

 

美しい季語に、心躍る季節なのに・・・

今年の桜シーズンは、新型コロナウイルスで外出自粛要請、ゆっくり花見を

しむことなく、感染の恐怖におびえる殺伐とした日々のなかで過ぎ去った。

花は咲き誇り若葉が萌える「山笑う」春なのに、球春が来てもスタンドもグラウ

ンドにも人影はなく、劇場・映画館は沈黙、学校では子らの歓声が消え、ビジネ

ス街が活気を失い・・・「ソーシャルディスタン(社会的距離)」という耳慣れ

ない言葉が連日飛び交う

この厄災に満ちた風景は、農薬など化学物質汚染で春になっても鳥も鳴かなくな

ると警告したレイチェル・カーソン著「沈黙の春」そのままの世界ではないか。

       ***     ***

緊急事態宣言の外出自粛要請で、明日土曜日(18日)のフラワーアレンジ教

を休むことにし、先生に欠席メールを送った。

バス、電車を乗り継いで隣の西宮・甲子園口に毎月1回通っていたが、もし感染

したらと思うと、とても出かけられない。

欠席は初めてのことだ。

先生から快く承諾いただいたが、申し訳ない限り、許してほしい。

  寒を越え山笑うころコロナ来る

もうヤケッパチな駄句・・・

 

    見上げると桜の蕊が文様を描く

  葉桜の季節だねえ