この歳(間もなく81歳)になって、バリアフリーのありがたさが分かってきた。
遅い!と叱られそうだけど。
パラリンピックの競技を連日TV観戦しているせいか、身体障がい者のバリアフリー
についても思うことが多い。
年老いた義母と同居するのを機会に、居間と廊下の段差をなくし階段や風呂場、ト
イレには縦横の手すりを設置するなど、できる限りバリアフリーにした。
その当時の私はまだ若かったので、バリアフリーが年寄りのためには必要だろうが、
自分の生活には大して関係ないと思っていた。
でも今、80歳を超えて、同居当時の義母と同じ年齢に達したところで、その段差
ない居間やふろ場バスタブの手すりが、とても便利で快適なことが分かった。
自分に役立っては初めて本当のありがたみが分かるなんて、今更だねえ、と苦笑い
ている。
義母は平成15年に103歳で天寿を全うしたが「今頃気付いたのかね。遅いわ」と、
あの世で笑っているだろう。
こんな先見の明の無さだから、失敗したこともある。
墓に眠る家内が見晴らし良く見えるように、斜面を登った小高いところにお墓を購入し
た。
でもよく考えたら元気なうちは良いけど、足が衰えた今となってからは墓参で登るのが
ひと苦労。
足腰衰える老後を考えなかったとは、浅はかだったねえと後悔しても後の祭り。
テレビで時々有名建築家が建てた家の紹介をしているが、モダンで素敵な設計の家の階
段には手すりがついていないのを見かける。
デザイン優先の新築家屋だけど、住む人が年取ってくると手すりがないのは怖いよう、
と余計な心配をする。
ちょっと考えたら分かりそうなもの、住む人に優しい家とは、とつい思ってしまう。
有名建築家の設計したホールやイベント会場など公共の建物でも、障がい者に優しい
配慮がないとどんなに素敵で豪華でも、私は評価しない。
年寄りや子供が安心して使えない建物は健全じゃない、と思うからだ。
🌸やっと咲いてくれたハイビスカス🌸