「少欲知足」
いつも通る町内の法輪寺にある掲示板の言葉です。
ほぼ半月ごとの更新で、仏典やご住職が考える格言など含蓄のある書
き出しています。
毎日通るので、今度はどんな言葉が…と、楽しみにしている。

今回の「少欲知足」は「欲張らないで、足りることを知る」…つまり、
与えられた現実を素直に受け入れること、身の丈に合った生活を
すること、かな?
仏教のお経によく登場する言葉らしい。
なるほど、と心の中では納得できるけど、あれもこれも、といつま
でたっても生臭さが抜けない凡庸な「小人」(しょうじん)には、難し
い生き方のようにも見えます。
最近「断捨離」を始めました。
と言っても、心はせくばかりで、腰が重い。
周りには不要な衣類、雑物があふれているに手がつかない。
曽野綾子さんは「老いたら1年間通して着なかった衣類は捨てるべ
き」と言う意味のことを書いている。
理屈では分かっていても、捨てる踏ん切りがつかない自分の優柔
不断が情けない。
まだ使えるかも、捨てるのが勿体ない。
思い出が詰まっていて、捨てられない。
ひょっとしたらまだ売れるかもしれない。
…さまざまなる理由を付けて、また戻し入れてため息をついています。
「断捨離川柳」をネット検索したら、次のようなが句をヒットした。
売れるかも 思ったときから 手が止まる
売れるかも、使えるかも…モノへの執着は消えない。
少欲知足・・・日暮れて道遠し、だね。
藤沢周平さんの名作「風の果て」で、家老職の又左衛門に
「隠居なさいますか」と問うた妻に、
「風の果て 尚足るを知らず」と答えた。
人間の欲望には果てがない、と言うことだろうか。
少し安心した。
<今日の1枚>
今年初めて咲かせたクリサンセマム
