<弧状列島三権分立普通選挙議会制自由民主主義議員内閣制日本政府は安全な陸域、海域、空域、宇宙域、サイバー域ICT環境において安心・信用サービスに必要なヒトモノカネ整備制度設計加速が必須>
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2020/11/01 06:50
太平洋や大西洋など世界中の海底に張り巡らされた海底ケーブル。インターネットの普及に伴い国際データ通信の99%を担うまでになり、海の情報ハイウェーとも称される。米国が海底ケーブルを巡り中国に対して強硬姿勢を見せ、にわかに脚光を浴びた。長年、海底ケーブルの重要性を指摘してきた慶応義塾大学の土屋大洋教授
<土屋 大洋(つちや もとひろ、1970年 - 50歳。)は、日本の国際政治学者。慶應義塾大学大学院政策メディア・研究科教授(兼総合政策学部教授)。
慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、慶應義塾大学大学院法学研究科で修士号、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科で博士号取得。
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主任研究員などを経て、慶應義塾大学大学院政策メディア・研究科教授(兼総合政策学部教授)。 2008年3月から1年間、米マサチューセッツ工科大学で客員研究員。2014年2月から1年間、米イースト・ウエスト・センターで客員研究員。
2019年、「サイバースペースが今日の国際安全保障環境に対して及ぼす影響と、この新たな空間における国際規範確立の可能性についての優れた研究」により第15回中曽根康弘賞優秀賞を受賞[1]
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%9F%E5%B1%8B%E5%A4%A7%E6%B4%8B
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は、海底ケーブルが米中対立の最前線に躍り出たことに驚く。(構成・大室一也)
【もう読みましたか?】「情報が筒抜けに」 海底ケーブルでも「中国排除」鮮明にしたアメリカ
――トランプ政権が海底ケーブルから中国企業を排除しようとする動きには、どんな思惑があるのでしょう。
海底ケーブルの世界市場におけるシェアは、中国はすごく小さくて10%以下。日米欧3社の寡占状態になっている。アメリカのサブコムが一番大きなシェアを持っている。2番目がNEC。実質的には子会社のOCCがやっている。3番目は欧州系でフランスのアルカテル・サブマリン・ネットワークス。この3社で世界シェアの9割を占めている。
中国勢では、華為技術(ファーウェイ)傘下にファーウェイ・マリーン・ネットワークという会社がある。シェアは10%以下だったが、どんどん広げようとしていた。しかし、米中摩擦が厳しくなる中で、海底ケーブル部門を光ファイバーメーカーの亨通光電に売却した。
アフリカ西海岸のカメルーンからブラジルまで約6000キロメートルの海底ケーブルは中国勢が敷いた。なぜそんなところで中国が敷いたのか。
中国は巨大経済圏構想「一帯一路」を唱え、陸路と海路が重要だと言っていた。3番目に重要としたのがサイバースペース。通信のネットワークで、特に海底ケーブルが大切だということを言っている。中国主導で各国のデジタル化を推進する「デジタルシルクロード」構想も提唱している。中国は「世界中に海底ケーブルを敷く」と表だって言ってはいないが、そう考えているようだ。米国はそこに気づき始めた。
例えば、中国が発展途上国に「海底ケーブルを設置してあげます。陸上の設備はファーウェイ製。ついでに中国製の5Gの携帯いりませんか?」と売り込むとする。さらに、管理ツールとして、対話アプリ・微信(ウィーチャット)、キャッシュレス決済・支付宝(アリペイ)を使えるようにする。さらに国民を監視するためのツールも……となりかねない。権威主義体制の国からすると、安く通信インフラ整えてくれて、国民の監視もできるようになる。そのあたりを米国側が心配している。それで5点セットのクリーン・ネットワーク構想が出てきた。海底ケーブルだけ見ていてもダメだ。アプリや通信キャリアとかも含め全部見ていかなければいけない。
また、カメルーンとブラジル間の海底ケーブルの次に問題となったのが、チリから中国まで長距離の海底ケーブルを敷く構想だった。南米から東アジアまで敷くのは、今までにないくらい長距離。これを中国がやろうとしたことが、米国政府をものすごく刺激した。
中国は2000年ころ、米西海岸からいったん日本に揚がって中国までつながる海底ケーブルをすごく嫌がっていた。日本が全部情報を見ているんじゃないかと勘違いしていた。日本は法制度上、情報を見られない。だが、中国は日本側が見ていることを前提とし、米中で直結できるケーブルがほしいというようなことを言っていた。そこで一生懸命、上海に直接つながるケーブルなんかを模索して、つなげていた。
海底ケーブル事業では、両端の国に陸揚げ局を置く。この中に入る設備が実は本当に重要だ。今、世界でファーウェイがそこの設備を押さえ始めている。海底ケーブルばかりを見ているとダメで、ケーブルが揚がってきたところで、何をするかが問題だ。
今ポイントになっているのは、データセンターがどこにあるか、どこに置くのかだ。「世界中にデータセンターが散らばっていて、その中をデータが回遊している」と言われるが、実際にそんなことはない。各国がデータ・ローカライゼーションをうるさく言うようになっており、EUは世界で最も厳しいプライバシー保護法制と言われる一般データ保護規則(GDPR)を導入した。個人情報を域内にとどめる方向にどんどん動いている。
中国ではお金がデジタル化された情報になりつつある。米国に預けていたデジタル情報を中国に持ってきておかないと、米国に取り上げられてしまうと中国は心配している。昔ならスイス銀行にお金を集めていればよかっただろう。だが、今はお金がデジタル化されているので、データセンターをどこに置くかが非常に重要になった。そこに国家主権が入ってくる。データをどう管理するかが、データの主権の観点で興味深いことになっている。